007世界とル・カレ世界を悪魔合体して、
そして主人公も敵も血まみれのボロボロになるまで殺し合う
アジアン・ノワールの暴力性をミックスし、
冷酷な駆け引き、なぞの美女とのラブアフェアもこなす
無敵の主人公を女性にしたという尖った作品です。
そんな難しい役柄を圧倒的説得力で演じるのはシャーリーズ・セロン。
ドイツ東西の壁崩壊寸前のベルリンで、
全スパイの素性を明らかにするデータを奪うために
MI6から派遣されたエージェント・ロレーンは
到着早々KGBの刺客に殺されかける…というあらすじ。
ロレーンのお着替え回数が多くて、
キメキメのファッションが毎回楽しめます。
そして指が美しいので煙草やウォッカがばっちり決まるし、
足が長いのでキックが綺麗です。
終盤に階段を使った、ものすごい長回しの格闘シーンがあります。
(いやたぶんカットは入ってるだろうけど、
都度カメラポジションを変えて設置したとしたら面倒そうだ)
内容ばれ
アクションシーンを作るために話が遠回りして、
ちょっともったりした感じになってしまったけど、
画がスタイリッシュなので十分ごまかされる。
ル・カレ世界は頭使ってしんどいし、
007世界はちょっとファンタジーすぎる…という人には
ちょうどいい塩梅なのではないかと思います。
思えばスパイものの戦闘シーンで、大抵銃によって勝負がつくのは
スーツや顔が汚れて醜くなるからだな。
でもこの映画では血まみれ痣まみれの顔や体の美学に挑戦してました。
ジェームズ・マカヴォイさんが出てるって知らなかったので驚いた。
背中に刺さったナイフが抜けない、体の固い演技が絶妙で笑った。
クラブのシーンで突然デビッド・ハッセルホフの名前があがって
「なんぞ!?」と思ったけども、
1989年にベルリンで新曲発表したんですね。
「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー2」でも彼の名があがってたし、
最近妙にネタにされている。