映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「密輸1970」

2024年07月29日 | サスペンス映画

観るつもりがなかったのですが、
ネットでとても好評なので見に行った。
前列しか席が空いてない盛況ぶりでした。

1970年の韓国の漁村を舞台にした海女ハードボイルドで、面白かったです。
女と女のドラマというと、少女同士とか、
病気や出産、暴力夫が絡みがちですが、
そのどれでもなく、大人の女同士の
裏切りや金や、共闘や怒り、そして友情が描かれました。
格好良いフィクションというと男が煙草を吸って銃を撃ったり
女殴ったり過激にまぐわったりするとか、
そういう前時代的な映画を撮っているクリエイターたちも
早くこういうのを撮ってほしい。

内容ばれ

1970年代ファッション、韓国もああいう感じだったのか。
キッチュでかわいい。
あのちょっとコミカルな海中バトル、
アクションシーンで普通の女性が男性を叩きのめすと
ファンタジー色が強くなるが
海中だと筋力差が緩和されて、
しかも全員海女なので説得力があった。

かと思えば軍曹のナイフアクションは最近見たどの映画より早くて
的確に斬りやすい動脈を狙っており、
一対多人数でも全然リアリティがあった。

チュンジャのコケティッシュな演技が魅力的で
特にウィンクが本当にキュートだった。
ウィンクしながら舌を鳴らすのとか、
ホテルの廊下での香水のつけ方とか、
無駄に真似したくなる仕草がいっぱいあった。

でもあのシリアスなシーン、
あなたも私を信じなかったの…
っていう虚無の目がね。
でも感情的になったりしない。すぐに切り替える。
チュンジャは本当に強いし、
脚本的にも感情に割いている時間は少ない。
役者さんの演技を信頼しているし、
女優さんたちは十分応えている。
それで全体的にドライな仕上がりになっているのがよいです。
考えたらこれもお嬢さんと貧しい娘の友情ものだ。

関係ないけどジンスクが松たか子さんに見えて仕方なかった。
ラスボスくん、あんな仕事しているのに泳げないのかい…?




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする