映画の豆

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「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」

2018年04月05日 | 実話系

スティーヴン・スピルバーグ監督
1967年。国防長官は軍事アナリストを戦地に派遣して
ベトナム戦争の状況を詳細に分析させた膨大な文書を作成させた。
多くの武器人員を投入しても戦況は全く好転していない旨を文書は指摘していたが、
敗戦の選挙への影響を恐れた政治家たちによって、それは闇に葬られた。
1971年、文書の作成者の1人がニューヨークタイムズに機密文書のコピーを流し、
またワシントン・ポストも独自のルートから文書を入手するが、
先に記事を掲載したタイムズが政府から記事差し止めの訴訟を受け…というあらすじ。

当時のワシントン・ポストは社主が女性で、メリル・ストリープが演じます。
新聞社は社主であった父親から彼女の夫が受け継ぎ、
その夫が亡くなってメリルがその地位につきますが、
家庭のことと社交は得意でも、経営は不慣れな彼女は
練習してきた発言も勇気がなくて結局無言で会議を終えたりします。

社主メリル・ストリープと編集部責任者トム・ハンクスの
やり取りがメインなので、超安定感あります。
お互いの芝居をアシストするキャッチボールが上手い。

ラストばれ

報道機関は政府広報に成り下がってはいけない、
国家安全保障を侵害したとしても
国民の知る権利は守られるべきである、というカタルシスと
政治も経営も何も知らないお飾りの女社主と一部から侮られていたメリルが
最後に社運を賭けた、そして正しい決断を下すという2重のカタルシスがあります。

最後、裁判所から出たところでメリルがスピーチをしたりすると
ものすごくエンタメ的だったでしょうけど、盛るのをやめて現実に沿ったのでしょう。
観衆の女性たちから感謝の視線を送られるのにとどめた。上品な演出だと思います。

ラスト、正直に言うと私はウォーターゲートより
ベトナム戦争があとだと思いこんでいたので、
あのドアのガムテを見て、突然タイムリープものになったと思って軽く混乱しました。
これでちゃんと覚えられました。恥ずかしい…。


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