「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

梅雨寒や昔南部にむしろ旗 佐藤 秀 「滝」7月号<滝集>

2012-07-18 04:54:18 | 日記
 梅雨寒の暗さと冷たさと百姓一揆。「負」が並列された句
ではあっても、そこに強弱を感じた。江戸時代の農民がおこ
した一揆を大いに推奨する。今の日本の農家はおとなしすぎ
る。もっともっと怒るべきなのである。丹精した米の買取価
格はどう考えても安すぎる。それなのに高い店頭売価。「一
揆をおこせば」と、たきつけたことがあるが、稲作農家の高
齢化がそれを許さないそうだ。掲句には憤慨の気持ちが見え
るような気がした。農機店をしているので農家の人が労働に
見合う収入を得られていないことが良くわかる。莚旗を掲げ
るなら、一番にその指にとまりたいと思う。(H)