「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

餡パンの空洞亀の鳴きにけり 栗田昌子 「滝」7月号<滝集>

2012-07-09 04:30:24 | 日記
 餡パンを二つに割る。空洞が現れる。とても日常的なこと
である。なぜ餡パンには空洞が出来るのかと、かぶりついて
いる反対の手に残った方の餡ぱんを見ながら考えるでもなく
考えている。「亀鳴きにけり」と、情緒的な季語おかれて、
春の夕の心地が何やら餡パンを物憂い物に転化させて行く・
・・。と、書きながら「空洞から亀の声が聞こえる」と読む
面白さも捨てがたいですね。(H)