野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

今年も予選落ち

2014-09-30 06:18:21 | モータースポーツ
9月28日(日)、ラトビアで開催されていた、2014年モトクロスの国別対抗レース( Motocross of Nations)が終了した。
下記写真は Cycle News に掲載されていた、優勝国フランスの勝利に貢献したGautier Paulin 選手。
  「 Cycle News」
最終レース結果( Cycle News)」:
1. France (17PT)、2. Belgium (27)、3. USA (33)、4. Great Britain (33)、5. Germany (72)、6. Italy (73)、7. Switzerland (74)、8. Russia (75)、9. Estonia (77)、10. The Netherlands (80)

この時期、殆どのモトクロス関連ネット情報は「Motocross of Nations」に関する記事が多いので概略の戦況は理解できる。
モトクロスの世界選手権やAMAのスーパークロスレース等は個人競争なので必然的にライダー名と付随するチームやマシンが注目されるが、「Motocross of Nations」は国別代表選手が国旗を背負って競うので、数百年の昔から国毎あるい民族毎の競争に晒されてきた欧州代表選手のモチベーションは尋常ではなく、その闘争心たるや民族間の競争(戦争)の経験が少ない日本では考えられないほどである。それに伴い、観衆の自国民の選手や自国の旗にたいするロイヤリティは異常なほど露骨にでる。

一方、「Motocross of Nations」での日本代表選手の過去最高順位は6位だが、ここ2年間は予選上位20位までが出場する決勝に進めずという状態だった。で、今年の全日本チームはまたも予選順位20位以下で、残念ながら予選落ちで決勝に進めず、これで3年連続予選落ちという屈辱となった。

実は、今年の「Motocross of Nations」の日本代表選手の活躍を正直期待していた。それは、ホンダが発行している「HRC現場レポート」に、現在全日本最高レベルのモトクロス選手であるホンダHRCチームの成田選手のコメントがある。そこにはこう書いてあった。『「世界中で日本のモトクロスはどうしちゃったのか?」と言われていますよ。本気で心配されるのは恥ずかしいことです。 ですから、今年は2年連続の予選落ちをリセットして、決勝でリザルトを残したい。そのために熱田選手と勝谷選手と行くのがベストだと考えて立候補しました。
 選手会のミーティングでは、現時点でのランキングよりもこれまでの実績を重視することが多数決で確認されました。(略)・・・
 過去ベストの6位を更新するとか、そんなつもりはありません。まずは予選を通過することです。』、加えてまた、 
『1カ月半前の第4戦のSUGOでMXoN出場希望者を募ったとき、手を挙げたライダーは16人いました。ただし「行かせてもらえるのなら行ってみたい」ではなくて、
 「なにがなんでもオレが行ってやる!」という気持ちがあるのかどうかは疑問でした。
 若いライダーにもどんどん出ていってほしい。でも、ネイションズは経験しにいくところではありません。日本中の期待を背負って結果を出しに行くところでしょう。
 そこまで覚悟ができているライダーが現れるまでは、オッサンががんばりますよ』、とあった。

HRC成田選手のコメントに大いに期待した。全日本選手権9連覇を成し遂げている成田選手が選んだ選手を引き連れてレース参戦してくれるならと、期待していた。しかし結果は残酷だった。日本は世界中に供給される世界最高レベルのマシンの供給元であるが、残念ながら日本選手の実力たるや世界トップレベルに全く追従できず、遙かに下位であることが再度証明され、残念な結果であることに変りはなかった。

世界、特に欧米の選手は自国選手権に加わえ世界中を転戦する世界選手権で覇を争っており常に戦闘モードにあるのに比べ、日本選手の実力の弱さが如実に出てしまった。この結果は数年来何なら変動することもなく、つまり欧米の上位チームに肉薄することもなく、そして、その結果を単純に受け入れてしまう怖さが日本側に残念ながらあるようにみえる。最も優秀なモトクロスマシンを開発する能力をもつ日本の開発陣と、世界で20位にも入れない選手層と言う不自然さをどう解釈すればよいのだろう。かって、日本人選手が当時の世界最高峰にあった世界モトクロス選手権で大活躍しチャンピオンを獲得することもあった。しかし、それ以降日本選手が世界のトップライダーに打ち勝ったと言う事実を余り知らない。

ある時期、全日本選手権GP大会に出場する世界のトップライダーを見る度に、日本人と外人ライダーとの技量差は歴然とあり、何とかこの差を詰めたいと考えていた。そのために、カワサキは日本の契約ライダーをアメリカに長期出張させアメリカンライダーと競争させる試み等を何度もトライしてきた。が、最も効果が認められたのは、外人ライダーを全日本選手権に出場させて、全日本選手権の場で直に競争させることであった。すると間もなくラップ寸前程の差があった技量差が、アメリカンライダーとも競合できるレベルに成長したのは事実で、そのことで全日本モトクロス選手権が盛り上がったことも事実。その当時、外人選手にかなり肉薄するレベルまでに成長した選手の一人に、カワサキの元ワークス榎本選手がいる。その榎本選手が「ダートスポーツ」 の『砂煙の追憶』に、含蓄のある発言をしていた。それには「彼らにしてみれば全日本で走るのは出稼ぎだったかもしれないが、彼らが思っている以上に結果として多くのものを残してくれたはず。受け継がずに過去のものにするのは、あまりにももったいない。育つものも育たない」と。 あれから17年、「Motocross of Nations」の結果に見えてくるのは、かって世界の10番前後だったものが既に予選通過もままならず、世界レベルではもう戦えない状態が続いている。 そう考えると榎本選手の言葉は重い。グローバル時代とよばれ、日本の国技である相撲もしかり、プロスポーツ界では外人選手と日本人選手の垣根をなくし、交流を盛んにすることで共に技量UPを図っている。そこで勝ち進む実力のある選手こそが世界を席捲できるはずだが、「Motocross of Nations」の結果には目を覆うばかりで、日本村から中々脱しきれない状態にある現実を、多くの日本のモトクロスファンも選手達も気が付いてしまって久しい環境を、何とはなしに寂しさを感じてしまった。
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