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全日本選手権で2ストモトクロス車が出走可能となった

2018-12-21 06:27:39 | 二輪事業
認可が遅いなと感じていたが、やっと2ストモトクロッサー125が全日本選手権に出場できるとあった。
MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)は、昨日(19日)、「2019年度MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦SUGO大会と第6戦近畿大会の併催エキジビジョンレースとして2st125ccクラスが開催される予定です。軽量・コンパクトでモトクロスの楽しさが存分に味わえる2ストローク125ccモトクロッサーで多くのモトクロスライダーに楽しんで頂くことを主眼においた企画です。2st全盛時代にモトクロスを楽しんでいたライダーのみなさん、ぜひご参加ください!」と公告した。
 

ここ数年、世界各地の主要モトクロスレースにおいて、2ストモトクロッサーが出場できるよう規則が改正されている。
例えば、米国の「125cc ALL-STAR RACE 」は2018年、全米で7戦開催され、AMAのモトクロスナショナル戦 Washougalで同時開催された「2ストローク125㏄」の優勝者は著名なチャンピオン・ヤマハのRyan Villopoto選手だった。今、モトクロスレースが盛んな大市場米国や欧州、カナダ、オーストラリアでは2ストロークエンジン搭載のモトクロスマシンが脚光を浴びており、例えば2ストロークマシンがモトクロス世界選手権GPの重要カテゴリーの一つとして現実に併催され、多くのモトクロスユーザーに歓迎されている。

「Motocross Action」
今現在、世界最高レベルのモトクロッサーを供給しているのはKTMとHUSQVARNA社を筆頭とする欧州二輪企業だが、彼らは世界のレースにおいて幾多のチャンピオンを輩出しながら、市場ニーズに歩調を合わせ最新の2ストエンジンあるいは4ストエンジン付きの何れのマシンをも供給してきた。一方、こうした世界のレース環境が変化しつつあるにも係わらず、世界最高クラスのマシンを世界中に供給する企業を有する日本では、今迄、全日本モトクロス選手権は2ストマシンを排除してきた。何故なんだろうと日本のモータースポーツの閉鎖性を懸念していたが、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)もやっと重い腰を上げる様だ。遅かりしと思えど顔を横に向け続けることはできないので、良かったと思う。

最近、オーストラリア、カナダ、デンマークそして欧州を主戦勝とするEMX GPシリーズ(EMX250クラスはモトクロスグランプリレースのサポートレースで、欧州では最重要なクラス)が250㏄クラス参戦規則を変更し、従来の4ストロークエンジン250㏄に加え、2ストロークエンジン250㏄エンジンでの出場を許可すると発表している。従来、この4スト250㏄クラスに出場可能な2ストロークエンジンは排気量半分の125㏄のみが認可されていたが、排気量の差別化を撤廃すると言うものだ。やっと、4ストエンジンが2ストエンジンと同等に競合できるレベルにまで競争力が向上したので、エンジンの差別化をする必要性が無くなった言う事だろうか。ルールは企業のためにあるのでないのだから、エンドユーザーの要求にルールが近づいた。ルール変更理由の一つは2ストロークエンジンのメンテナンスの簡便さやコストパフォーマンスの優位性によるもので、末端ユーザーは2ストロークエンジンの利便性を評価し2ストローク待望論が根強くあっただけに、至極自然な決定だと思う。10年ほど前のルールブックはエンジンストロークによる差別化はなかったが、4ストロークエンジンがモトクロスに適用される際、性能的に劣っていた4ストロークエンジンを救済するために2ストロークエンジン排気量を差別化してきた。

日本で唯一2スト125㏄、250㏄のモトクロスバイクを供給しているヤマハ発の、「ヤマハ2スト2019年新型YZ85」と言う記事に「今、2ストが売れている」という項があった。ここには『オンロードモデルではレーサーでも2ストロークは存在していないと言っていい状況だが、オフロードモデルでは今でも現役。さらにこの3年ほどは世界的に販売台数が伸びる傾向にあるとYZシリーズのプロジェクトリーダー・櫻井大輔氏は語った。メカニズムがシンプルで価格が抑えられること、同じ理由でメンテナンスのコストと手間が抑えられること、同じ理由で車重が抑えられることなど特に入門者にとってメリットが多い。だが、それだけでなく「面白さが理由でしょう」とも櫻井氏。2ストロークエンジンの痛快さを味わうチャンスがなくなっていく中、この分野では新車で味わうことができることから一線を退いたライダーの需要も見受けられるという。そのような背景からヤマハは2019年に新たにYZ65を投入し、さらにYZ85をアップデート。他にもYZ125/X、YZ250/Xと幅広いニーズに応えられるように2ストロークモデルを多数ラインナップしている。』と解説し、ヤマハのモトクロスマシンの最近の販売推移が記載されているが、2016年以降、ヤマハのモトクロスマシン供給量の半分は2ストロークマシンが占める傾向にあるとしている。  
  
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が2&4排気量差別化ルール撤廃姿勢を示した事は、数年もせず世界選手権ルールもその方向に動くだろう。4ストエンジンのみを提供している企業にとっては脅威なのかもしれないが、現に欧州のKTMやHusqvarnaは新型の2ストロークモトクロスマシンを毎年継続的に市場に供給して続けており、 そしてヤマハも2ストロークモトクロスマシンを市場に安価で提供している現実もあり、市場末端ユーザーの選択権を増やすべきとするのは、全くの正論であろう。1998年、ヤマハが4ストロークエンジン搭載のモトクロスマシンを上市して以来、2ストロークエンジンを閉め出すルール化となったが、その後もヤマハは2&4を旗印に決して差別化せず2ストロークマシンを市場に供給してきた。構造がシンプルで取扱い軽量、加えて瞬発力があってコストパフォーマンスに優れたモトクロスマシンを市場は求めてきたと思うが、それが、現在の市場が求める2ストマシンだろう。2ストロークエンジン付きモトクロスバイクを開発供給してなんぼ儲かるんだと言う冗談めいた話を過去、聞いた事あるが、市場は常に変化しているのだろう。

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2 コメント

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おはようございます。 (黒仁庵)
2018-12-21 08:32:19
たまに拝見程度に覗かさせてもらってましたが、
今朝は、もう少し突っ込んで拝読させていただきました。
あなた様の二輪業界の知識と洞察が「ううう……この人は一体何者なのだ」と、どうしても考えてしまう……今にも雨が降りそうな福岡博多のバイク乗りです。
もう少し「野々池」研究を続けさせてくださいm(_ _)m
突然ですいません。
冷え込んだり暖かかったり、風邪などお召しになりませぬよう。
また来ます。
返信する
ただの変人です (mohtsu)
2018-12-21 11:47:35
ブログの自己紹介欄の履歴がありますが、今はただの能天気な老人です。
返信する

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