野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

強いアメリカの復活なるか

2016-03-05 06:21:55 | その他
スーパーチューズディに圧勝した米共和党トランプ候補への同党政治家からの風当たりが凄い。
現地の3日、米共和党の外交・安全保障の有識者60人がトランプ候補の当選阻止に向け「精力的に活動する」と発表したと思えば、元大統領候補だったロムニーはトランプ候補を「詐欺師」と語り、指名獲得を阻止するため活動するとあった。米国民に圧倒的に人気が高いトランプ候補だが、同じ共和党の重鎮政治家達には全く人気がなく、仮に彼が共和党の候補になっても、
民主党のクリントンに投票するとまで書いてある。
  「CNN」
トランプ人気について、「ドナルド・トランプ候補はなぜ「強い」のか」のレポートでは、「アメリカ人が強いリーダーを求めているということだろう」とあった。その中に、ブッシュ元大統領は「国民を騙してイラク戦争に追い込んだ」、クリントン前国務長官を「不誠実で嘘をつく政治家」だとして糾弾し本当の意味でのリーダーシップを国民の一部の層は熱狂的に求めているとして、それが、「レーガン大統領の選挙スローガンである『偉大なアメリカの復興』をそのまま掲げて登場したトランプ候補だったわけである」と解説している。一言で言えば、トランプ候補は悪い意味で「ワイルドな世界観」の持ち主であるともしている。そして、中国の習近平やロシヤのプーチン大統領とさしで話が出来るのがトランプ候補だと言うのが米国民の一般認識のようだ。

「チャンジ」と言って大統領になった民主党オバマ大統領の外交無策への米国民の落胆に、中国の無茶苦茶な政策と台頭を許した結果に世界中が混乱し、中東今だ紛争中に加え世界中の経済が不安定化している結果に、アメリカの衰退が見えると、別に米国人ではなくとも憤慨している。クリントン候補は今もアメリカは最強だというが、世界中のだれもが今のアメリカは昔の強いアメリカではないと言う。「強いアメリカ」、「世界の警察官たるアメリカ」、「最強のアメリカ経済」の復活を願って止まないのは米国人だけではなく、これが世界中の願望だ。何故なら、それが世界の大多数の安定に繋がるはずだから。

「強いアメリカ」の躍動性で思い出したが、佐藤優と田原総一郎の共著「第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる」の中に、佐藤優が述べている、「アメリカを端的に表現すれば、『西部劇の保安官』とドラえもんの『ジャイン』を併せ持ったものだ。何時も正義を振りかざす保安官と駄々をこねる意地悪ガキのジャインが一体と混在しているのが、アメリカの実態。今のアメリカに、「保安官のアメリカ」か、「ジャインのアメリカ」か、どちらかが出ているのかを見極めながら、アメリカとは向き合う必要がある」と。

また、映画「ダークナイト」での、バットマンと悪役ジョーカーの戦いにもアメリカの一部を見る事が出来る。
バットマンが悪の世界の犯罪を摘発すればするほど、マフィアの犯罪は凶悪化し、バットマンは手段を選ばずマフィアを追い詰める。マフィアはバットマンに徹底的に追われるから、バットマンを殺そうとジョーカーを雇う。ジョーカーはそれをいいことに、市民を巻き添えにして殺人ショーを展開する。バットマンが強引な摘発方法に走れば走るほど、犯罪者も過激な方法に訴える。犯罪はエスカレートし、巻き添えで死ぬ市民が増える。バットマンの苦悩は、自分の良かれと思ってする行動が逆に犯罪者を刺激し、犯罪が凶悪化するという悪循環にある。犯罪が先か、バットマンが先か。バットマンの「正義」は「超法規的力」によって合法・非合法に関係なく、バットマンのように法律に縛られない存在はとても便利だ。法事国家と言えど、バットマンは必要悪として存しているのである。如何にも正義漢の塊のような人物でも、状況の変化によっては正義の下に隠れた「悪」に、いとも簡単に変ってしまうという事実で、バットマンだってそうだとして描かれているのが面白い。

つまり、バットマンを、世界最強の国、世界の警察を自負しているアメリカに置き換えてみると、アメリカが基本的に持っている、彼らの行動の正当性を見ることができる。「バットマン」対「ジョーカー」は、「アメリカ」対「悪の枢軸」や「悪のテロ組織」に簡単に置き換えることができる。つまり、パワーゲーム。しかし、映画の中で、ジョーカーがバットマンに向かって哄笑しながら、「俺もお前も世間から見れば化け物じゃないか」と繰りかえし、バットマンが勝手に私設自警員として、奇怪な覆面衣装に身を固め、法律を無視して正義の味方を気取る矛盾を突いてくる。そして悩むバットマンをあざ笑いながら、「お前が正体を晒すまで、俺は毎日、市民を一人ずつ殺していくぞ」と言って、本当に罪のない市民を殺し始める物語。

バットマンもジョーカーでもどちらをアメリカを置き換えても理解できるのがアメリカたる強さで、心の底にある悪さを併せ持った世界最強のアメリカ。今のアメリカ白人はどの世代や階層に限らず、アメリカ的マッチョイズムの象徴、ラッキーストライクのイメージを強烈に求めているように見える。
   
















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