しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

ケンペル「江戸参府旅行日記」兵庫~大坂

2021年09月17日 | 「江戸参府紀行」ケンペル&シーボルト
ケンペル「江戸参府旅行日記」 訳者・斎藤真  東洋文庫  昭和52年発行
第8章 小倉から大坂までの旅
1691年(元禄4)2月



2月24日

(兵庫から)
朝早くわれわれは下船した。
大坂の港は浅く、われわれの乗ってきた船では行けないので、
前もって荷物を積んでおいた4艘の小舟を漕いで行った。


途中われわれは海岸沿いにいくつかの町や城を見たが、
それらのうちでは大坂港から3里手前にある尼崎の美しい城と町が印象的であった。


(尼崎城)





また、前方南の方には将軍家の支配する堺の町がある。


(堺港灯台)




われわれは今日10里船を進めて、大坂の港口に着いてから、航行可能な川の支流を、午前11時に東南東に向かって進んだ。


(天保山渡し)






われわれが大坂で泊まることになっていた宿の主人が、2艘の屋形船をもって出迎えてくれた。






1.000以上の舟の間を縫って大坂の町へ向かった。川の両側にある立派で頑丈な番所が大坂と郭外の町とを分け隔てていた。
下船を許される前に6つの立派な木の橋の下を通り抜けた。
それから岸へ上がり、町筋を通って定宿に、午後の1時か2時に着いた。

そこで二階に、襖で仕切られた部屋をあてがわれた。
煙が時に苦しめることがなかったら結構だったといってよい。
到着の直後、われわれは通詞を二人の町奉行所に遣わし、贈物を携えて訪ねることを許していただきたいと頼んだ。




(ケンペルは広い大坂のどのあたりに泊まったのだろう? 梅田スカイビルから望む大阪)




(8章おわり)




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