
←その2からの続き
平成30年8月13日
今日は朝から釧路駅前のビジネスホテルをチェックアウトしたらそのまま荷物を預けて、釧路駅前のバス乗り場から釧路市内線の路線バスに乗って行動開始。
釧路市郊外の大型スーパー前のバス停で下車して、向かった先は…

何やら鉄道線路が敷かれた工場のような場所。

社員駐車場の奥に、鉄道車両が見える。
ここは、日本で唯一の石炭貨物列車が走る太平洋石炭販売輸送臨港線の春採駅。
これまた日本で唯一の炭鉱での石炭採掘事業を行っている釧路コールマイン株式会社の春採選炭工場に隣接しており、太平洋の海底地下から採掘された石炭をそのまま貨車に積み込めるようになっている。
現在、太平洋石炭販売輸送臨港線では「海底炭鉱から選炭工場に石炭が出てきた時だけ」石炭貨物列車を走らせるという運行ダイヤになっているらしく、日本唯一の石炭貨物列車の走る姿を見られるかどうかは運次第。
しかも原則、休日は運休となるそうなので、夏休み中でお盆休み期間真っ只中の今日は石炭貨物列車は走っていない事は最初から分かっていた。
それでも、日本唯一の石炭貨物列車が走る鉄道を線路だけでも見てみたくて、こうしてやって来たという訳。


石炭貨物列車は走っていないが、それでも運が良い事に春採駅構内の側線にエンジンを停止したディーゼル機関車に連結された石炭車の長い編成が留置されているのを踏切から間近に見ることが出来た。

留置線に沿ってショッピングセンターの裏道のような場所を歩いて、日本唯一の現役の石炭車を敷地外の公道からじっくりと眺める。
太平洋石炭販売輸送では石炭輸送の徹底した効率化を行っており、石炭貨物列車は全て前後2両のディーゼル機関車で石炭車を挟み込んだプッシュプル編成を組み、選炭工場のある春採駅と石炭積出港のある知人駅との間でシャトル運行を行っている。
また、石炭車は2両1ユニットの連接車となっており、貨車では極めて珍しい2両で3つの連接台車を有する構造をしていることがわかる。

線路沿いに歩いていくと、春採湖の湖畔に出た。
釧路市内にあるとは思えないほど自然豊かで静かな場所で、湖の向こう岸の丘の上には天文台や釧路市立博物館の建物も見える。

湖畔に太平洋石炭販売輸送臨港線の線路は続く。
ちょうど線路沿いにトレッキングコースもあるので、このまま線路に沿って歩いて行く。

線路は続くよ、春採湖に沿ってどこまでも…

森の中も線路は続く…

やがてトレッキングコースは跨線橋で線路を見下ろす場所に。

ここを走る石炭貨物列車を見送れたら最高だろうなぁ…

春採湖畔を過ぎると、今度は太平洋の海岸に出た。

太平洋石炭販売輸送臨港線は僅か4キロの路線だが、その沿線は都市近郊から緑豊かな湖畔、そして太平洋の沿岸と実に変化に富む事が線路沿いに歩くとよく分かる。
海沿いの線路は霧の彼方へと消えて行った。今度は石炭貨物列車が走ってる日にまた来たい。

太平洋岸から釧路駅まで歩いて戻る。
途中、幣舞橋の上からは釧路港に接岸している帆船「海王丸」の姿が…
釧路駅前のビジネスホテルで荷物を受け取り、次の目的地へと列車で出発。

乗車するのは観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」!

大きすぎる車窓からの風が吹きさらしの、木のベンチシートは釧路湿原に向かう観光客に大人気…
でも、今日乗るのはこのトロッコ車両ではないぞ。

僕が乗るのはくしろ湿原ノロッコ号に1両だけ連結されている、一般形車両の自由席車。
…今や北海道で唯一の国鉄型普通列車用客車50系51型が、車内がほぼ原型を留めたままで使用されているのだ!
昔ながらの小さめの二重窓を全開にして吹き込む風は、トロッコ車両よりも心地よい本物のノスタルジックにあふれている…と感じるのは鉄道愛好家だけか(笑)
13:35、「くしろ湿原ノロッコ4号」は釧路駅を発車。
かつて太平洋石炭販売輸送臨港線の前身である釧路臨港鉄道が昭和61年まで乗り入れて旅客輸送も行っていた東釧路駅を過ぎて根室本線から釧網本線に入り、一路、釧路湿原を目指す。

釧路湿原の中に入った!
釧路川の洪水対策として設置された岩保木水門が車窓に見える。

日本離れした風景の中を走る。

「くしろ湿原ノロッコ号」の車窓に蛇行する釧路川が見えてくると、終点の塘路駅は近い。
カヌーと手を振り交わしながら終着駅へ…

14:17、塘路湖にほど近く釧路湿原の観光拠点となっている塘路駅に到着。
「くしろ湿原ノロッコ号」はここで折り返して釧路に戻るが、僕は後続の網走行き普通列車に乗り継いで釧網本線をさらに進んで清里町駅まで行き、今日の行程を終了する。
お疲れ様でした…
→その4に続く
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます