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2015夏 ドイツ/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紀行 5:真夏の朝のザグレブ中央駅

2015-09-01 | 旅行記:2015 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
Photo:ザグレブ中央駅 Zagreb Glavni kolodvor


4:国際寝台列車LISINSKI号の旅からの続き


国際寝台列車LISINSKI号で到着した、真夏の朝のザグレブ中央駅 Zagreb Glavni kolodvor。



この駅に来るのは、今回が2回めだ。
前回来たのは2008年1月4日、クロアチアの隣国セルビアの首都ベオグラードから国際列車インターシティ210列車「SAVA」で雪のパンノニア平原を走り、凍える寒さのザグレブ中央駅に到着したのだった(←2007-2008 ユーゴスラヴィア三都物語 ~5 ザグレブ そして旅の終り

あれから実に7年半ぶりに訪れたザグレブ中央駅。
季節も前回の訪問時とは真逆の陽射し降り注ぐ盛夏で、明るく開放的な駅構内の雰囲気も記憶の中の印象とはだいぶ違う。そして、あの時乗った国際列車SAVA号もその後、廃止されてしまい今ではもう走っていない。




ザグレブ中央駅のプラットホームには、今乗ってきたLISINSKI号の向かい側にちょっと古めかしい水色塗装にセルビア三色旗カラーをあしらった客車を連結した3輌編成の列車が停車していた。

「この列車はもしかして…ああ、やっぱり!」
客車のドア窓に貼り付けられた行き先表示の紙切れにはSARAJEVO(サラエボ)の文字が。
現在、1日1往復のみ運行されているボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボまで走る国際列車だ。

実は、今回の旅の最終目的地はサラエボで、この列車に乗って向かうことにしている。
早速、目の前に停車中の客車に乗車…したいところだが、今日は乗らない。
乗りたくても、肝心のサラエボまでの切符を持っていないのだ。
今回の旅で使う鉄道のチケットはすべて、日本出発前にドイツ鉄道DBの代理店に手配して発行してもらったのだが、ザグレブからサラエボまでの区間は現地の駅でしか乗車券の発券が出来ないと言われたのである。

それに、ヨーロッパの夜行列車は時々夜中に走行ダイヤが大幅に乱れて到着が遅れることがあるので、果たしてザグレブ中央駅でLISINSKI号からサラエボ行き国際列車に無事に乗り継げるかどうか覚束ない。
そういった事情も考慮して、念の為にザグレブで1日乗り継ぎ待ちのスケジュールの余裕を持たせて、サラエボまでの列車の切符はザグレブ中央駅の窓口で直接買う事にしたのだった。

結果としてはLISINSKI号は正確にダイヤ通りに走ってきっちり定刻にザグレブ中央駅に到着してくれたので、こうして念願のサラエボ行き国際列車と対面を果たすことが出来た訳だが、今日はこのまま見送って乗車は明日のお楽しみということになる。
それに先ずは、明日のサラエボまでの切符を手に入れねば!

ザグレブ中央駅の切符売り場の窓口で、事前にパソコンの機械翻訳で四苦八苦して書いた「明日・ザグレブからサラエボ 明後日・サラエボからザグレブ 往復切符」というクロアチア語のメモを差し出し、「あっ、座席は1等車で。ファーストクラスPlease!それから、支払いはクレジットカードも使えたりするかな?」と言い足すと、窓口の中年女性職員氏はチラリとオフィスの窓の外にまだ停車中だったサラエボ行き国際列車の編成を一瞥してから、「あの列車はどうやら2等車だけみたいよ。2等車で切符を切っとくわね」と言うとクレジットカードの暗証番号入力テンキーを差し出して寄越した。
ザグレブからサラエボまで2等車の往復で377.42クロアチアクーナ、日本円だとおよそ七千円なり。

かくして無事にサラエボ行きの切符も手に入り(窓口のおばちゃんがカーボン紙を使って手書きしてくれた「常備券」で、難解なクロアチア語で走り書きされていたので何と書いてあるのか全く判読出来なかったが(笑))、今回の旅の最大の懸案事項が片付いたので肩の荷が下りた気分だ。
切符売り場の隣にあった銀行窓口で手持ちのユーロを少々クロアチアの通貨クーナに両替したらコンコースのキオスクで水とトラム(路面電車)の一日乗車券を買い、ようやくザグレブ中央駅の建物を出て駅前のビジネスホテルに向かう。


予約していたビジネスホテルに荷物だけ預けていくつもりだったのだが、フロントのおじさんは強面で無愛想だが親切な人で、まだ朝9時半なのにチェックインさせてくれた。
部屋は中央駅に面した「トレインビュー」だったので、増々いい気分。駅前広場に静態保存されているSLも見える。

  バスルームはシャワーのみだったが、ひと風呂浴びたら広々としたダブルベッドに突っ伏してこのまま寝てしまいたい気分。
でも、せっかくザグレブで1日の列車乗り継ぎ待ちの休日を得たのだ。さぁ、街に繰り出そう!




ホテルの部屋にトランクを置いてショルダーバッグだけ持って身軽になったら、そのまま中央駅前の停留所から水色のトラムに乗り込んで出発!
おっと、トラムに乗ったらさっきキオスクで買った一日乗車券を黄色い検札機に差し込んで、日付を入れておくのを忘れずに。


トラムの窓から、荘厳な建築物が見えたので下車。
どうやらこれがザグレブの名所の一つであるミマラ博物館のようだ。
博物館と名乗ってはいるが実際には数多くの美術品や所蔵する、どちらかと言うと美術館的なものらしく、大いに興味をそそられるのだが、後ろ髪をひかれつつも素通りする。

今日はこれから、是非とも観に行きたい場所がザグレブ市内にあるのだ。

6:ザグレブ技術博物館を見学するに続く