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JR九州20周年記念「スタンプラリー20」の旅 九州横断編

2007-03-27 | 旅行
(写真:由布院駅停車中の特急「ゆふいんの森」)

週末毎に鉄道に乗って九州内を放浪し、JR九州の15の駅と5つの列車に設置されたスタンプを集める「スタンプラリー20」の旅、
3回目となる今回の旅では九州横断にチャレンジ!

3月25日日曜日、前日までの土砂降りがすっきりと晴れ上がって気持ちの良い春の青空が広がったこの日、
2回分残っている「青春18きっぷ」の1コマを使って肥薩線の始発列車で鹿児島・指宿を目指そうかと思っていたのだが、
春眠暁を覚えずの諺の通り眼が覚めると既に8時過ぎ。
「しまったぁーーー!!!予定じゃ今頃、吉松辺りを走ってた筈だったな…あ~あ」

さてどうしたものかと思案するが、ここまで出遅れてしまっては代替案も思い浮かばない。
「まあいいさ。適当に列車に乗ってどこかに行ってみよう」
という訳で最寄り駅から適当に来た列車に乗って、何となく辿り着いたのはここ鳥栖駅。

時刻は既に昼前。
駅前のショッピングモールを覗いて安売りのワインやらミネラルウォーターを物色し、駅のみどりの窓口でさてこれからどこに行くかと時刻表をめくる。
「長崎方面は遠すぎるし、この前唐津に行ったばかりだし…久大本線で日田の方に行ってみるか。」
という訳で、日田・由布院経由大分行きの普通列車に乗車するべく2つ隣りの久留米駅へと引き返す。

久留米駅は新幹線受け入れ工事の真っ最中で、駅全体が工事現場のような雰囲気。
以前はホームで孔雀を飼っていた優雅な駅だったのだが、面影はない。
ちなみに孔雀の一家は市内の動物園に引っ越したらしいが、新幹線工事が完成したらまた久留米駅に帰って来るとの事。
そんな殺風景な久留米駅に「掃き溜めに鶴」よろしく特急「ゆふDX」が入線してきた。

全身をシックな「古代漆色」で包んだこの列車、博多と大分・別府の間を久大本線日田・由布院経由で結んでいる。同じ区間にはヨーロピアンリゾート列車として絶大な人気を誇る「ゆふいんの森」号も運行されているのだが、この「ゆふDX」は前面展望の良い「パノラマシート」が売りとなっている。
上の写真の通り、名鉄のパノラマカー同様に運転席が2階にあり先頭車の前面がすべてガラス張りの展望室になっているのがお解かり頂けると思う。


「ゆふDX」が別府に向けて発車した後、僕の乗る大分行きの普通列車が入線してきた。「赤い快速」ことキハ200。
近代的な快適車両で、長時間乗車しても疲れない青春18きっぷ利用者に優しい列車。

早速、窓枠に飲み物を並べてご機嫌に出発。
久留米を発車して郊外に抜けると、沿線には果樹園が広がる。この辺りは果物で有名な土地柄。
春の田園風景を眺めながら一杯やるのはまた格別。これぞ汽車旅の醍醐味!

列車は印象的な駅名の夜明駅で日田彦山線と合流し、日田の街並みを眺め、天ヶ瀬の温泉郷をかすめて、豊後森でSL時代の文化遺産扇状機関庫の廃屋を車窓に映しながら九州を横断して行く。
曲がりくねった峠道を越えて行く手が開け、由布岳が壮麗な姿を現すと高原リゾート地・ゆふいんだ。列車は由布院駅で1時間の大休止。

由布院駅の正面玄関からはこの絶景。
今や全国区の有名リゾート地に成長した「ゆふいん」の玄関口である由布院駅は観光客で賑わい、行楽気分にあふれているが、僕がここに来た理由はただ一つ!スタンプを捺すためである。という訳で駅に着くなり直ちに窓口に直行してスタンプゲット!

スタンプさえ捺してしまえば、もう由布岳にも温泉にも辻馬車にも用はない。駅前の酒屋で売っていた「ゆふいん地ビール」にはちょっと用があるような気もしたが、結構ないいお値段だったので財布が寂しい身としては遠慮しておく。残念だが。
さあ帰ろう!


何だか駅に観光客が増えたな、と思ったら博多行きのリゾート特急「ゆふいんの森」4号が入線してきた。日曜日の夕方、福岡都市圏に帰る観光客を満載して「ゆふいんの森」は発車していく。
「ゆふいんの森」4号と交換するかたちで、僕の大分行き普通列車も発車する。
由布院から大分までは小一時間の道程で、夕陽の射す大分駅に到着した。

大分駅構内には、日中に由布院周辺で走行していたトロッコ列車「トロQ」が一足先に帰って休んでいた。
今日はいい天気だったから、由布岳を見ながらのトロッコ列車乗車は楽しかっただろうなぁ。。。


こちらは小倉・博多への出発準備を整えたハイテク振り子特急「ソニック883」。
宇宙船のような迫力あるデザインでデビュー時には乗客の度肝を抜いた異色の特急が、夕陽を車体にギラリと反射させながら猛ダッシュで発車していった。


何か見覚えのある列車が現れたな、と思ったら、さっき久留米駅で見送った「ゆふDX」の折り返し列車だった。これから再び由布院・日田・久留米を通って久大本線経由で博多に戻る。
夕陽に包まれた古代漆色の車体が何とも幻想的だ。

日頃はなかなか出会う機会のない九州東海岸線を走る列車たちを見送って、大分駅で楽しい一時を過ごした。
最後に1番のりばの立ち食いソバで腹ごしらえ。これからもう一度、九州を横断しないといけないからね。腹が減っては過酷な乗り鉄は出来ない。

かけそばだけど、天かすが入れ放題だから実質たぬきそば。

ソバを食べて元気を出して、豊肥本線豊後竹田行きの普通列車に乗車。
豊後竹田では少々乗り継ぎ時間があったが、駅前大通りの商店は午後8時前だというのにすべて閉まっていた。
豊後竹田からは熊本直通の最終列車に乗り換え、九州の鉄道最高標高地点である峠を越えて熊本県に入る。車窓は真っ暗、携帯電話も圏外。
熊本からの観光列車「あそ1962」の終着駅である宮地からは阿蘇市内を走り、夜の立野スイッチバックを黙々と行ったり来たりして律儀に熊本行きの黄色い単行普通列車は走り、熊本市内に入る頃にはすっかり山越えの最終列車の顔から都市近郊列車に表情を変えて定刻に熊本駅に到着した。

さて、今回は由布院駅のスタンプ1個を捺すだけの為に九州を2回横断してしまった訳で、さらにスタンプ設置駅である阿蘇駅を停車時間が短い為にそのまま通過してしまったりしている始末だが、これで「スタンプラリー20」は残り10駅2列車分。青春18きっぷは残り1回分。
さらに今週末はちょっと重大な予定が控えていたりするが、詳細はまた後程。