(財)地域活性化センターが主催する今年度最後の地域再生実践塾に参加してきました。
全国の地域づくり事例に学ぶ集中3日間講義とサブタイトルのつくこの塾は、毎年5回開催されてます。
今年は7月の札幌市でのまちづくりにおける協働の役割に続き2回目の参加となりました。
今回は熊本市でまちなかに人を呼び込む仕掛けと仕組みをテーマに開かれました。
北海道から地元熊本県まで40名余が参加しました。
熊本大学でまちなか工房代表の溝上章志先生を主任講師に熊本市で城下町としての魅力を高め来街者のまちなか回遊を活発化させる取り組みやそれを支援する協議会などの代表者の方を講師に講義とフィールドワーク、さらにグループワークでの提案発表と盛り沢山の内容でした。
長岡市議会からも私を含め3名が参加しました。
熊本市は人口が73万人余で県の人口の40%を占めます。
明治時代の鎮台からの流れで政府機関もありましたが、近年では福岡市に九州の中心が移りました。
福岡市と北九州市を除けば中南九州第一の都市で今年3月の2町との合併で人口も70万人を超え来年春に全国で20番目の政令指定都市に移行する予定です。
街は加藤清正公の熊本城を基点に西日本一のオーバーアーケード街や辻辻に繁華街が形成され、同じ規模の新潟市と比較して密度が濃い感じがします。
ただ近年は他の地方都市同様に郊外にショッピングセンターが出店し売場面積は増加してますが、販売額店舗数は減少してます。
中心市街地に人を呼び込む必要を痛感された中でイベントやエリアマネージメントなと様々な活性化策が講じられてます。
街中のイベントではこんな懐かしいものも出ていて、写真を撮ってみました♪
ストリート・アートブレックスと題した街かどコンサートや店舗の維持管理費削減で地域運営費捻出しまちづくりに取り組むなど中心市街地での民間の取り組み事例が話されました。
城下町という生活空間の回復と題したフィールドワークでは明治以前の区割りに残る明治大正時代の町家などの建築物が点在する新町古町地区を歩き現存する家の中まで入れていただきました。
熊本城を訪れる130万人からの観光客をいかにまちなかに引き込むか、来春の九州新幹線全通で博多や鹿児島に引っ張られ地盤沈下を起こさなくするには…など様々な問題も山積みで熊本城という集客施設があっても人口減少経済安定期の中で都市間競争での生き残りも賭けて大型店舗対商店街だけでなく熊本市という都市の存在にまちなか活性化に取り組まれているように感じました。
ただ長岡市でいう商店街やまちなか考房の取り組みは見えましたが、今回の塾では熊本市という公の施策がわかりませんでした。
まちなかでの再開発事業も予定されてますが、市としての活性化に対する支援などが見えなかったのが残念でした。
熊本市と長岡市、都市としての規模には格段の差がありますが大都市でも生き残りを賭けて民間が様々な活性化策を講じていることや規模の大小に関わらずまちなかに人を呼び込み回遊させなければ中心市街地の再生は図れないという共通問題点がわかりました。
まちなか再生に何が必要か?
いみじくも大和跡のカーネーションプラザオープニングセレモニーで市長が言われた「まちなかの活性化には、まず地元商店街の血の滲む努力が必要で、それがあってから行政の下支えもできる云々」が改めて思い出された熊本でした。
ところでこの地域再生実践塾ですが、例の仕分けで来年の開催が危ぶまれてます。
実はこの塾は参加費が無料です。
宝くじの補助金がきているのだそうです。
この塾開催に補助することで宝くじの売上増加に効果が上がっていますか?というのです。
そう言われれば私は宝くじ買ってないし… 困りました。
でも今回でも岡山や長崎、対馬から市民活動団体のお年寄りが参加されたりしてますし、全国各地の参加者と交流したり意見交換したりと地域づくりに効果はある!と断言できます。
これは補助対効果でなく社会貢献や社会福祉にあたるものです。
現場にでない人が机上議論でわけもわからず切る!ようなことは残念です。
議員として現場の汗こそ大事にすべきと考えさせられた塾でした。