大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

NHLのクライマックス、J2プレーオフ考、そして今日は仙台戦

2011-06-15 06:44:13 | サッカー全般
いろいろまぜこぜにして書いて行きます。

NHLのスタンレーカップファイナルがいよいよクライマックスを迎えた。ここまでお互いホームで勝って最終戦までもつれたんだけども、地元バンクーバーの企友会が就労ビザについてのセミナーを、会場周辺の混乱と参加者の方々の安全を考慮して延期したなんて話を聞いた時には、去年の五輪以上に、オレもバンクーバーへ飛んでいって興奮を味わってみたいと思ったもんだけどw

これがプレーオフという制度を導入した成果なんだろう。北米の4大スポーツを見れば判るけども、ポストシーズンのプレーオフの盛り上がりがレギュラーシーズンのそれとは全く違う。モータースポーツに例えれば、レギュラーシーズンなんて予選であり、そこでの一位はあくまでもポールポジションでしかなく、本当の勝負の面白さはプレーオフだということが言えるかもしれない。

こでのプレーオフ制度導入はどちらかと言えば興行面での収入増を狙ったもので、裏返せばそれだけ経営難なクラブが多いということでもあるのだろう。そこで問題になるのはやはりNPBのCS導入の時も言われていたけども、レギュラーシーズンのアドバンテージをどう活かすことが出来るのかということかな。上位のチームのホームで一発勝負とか、延長まで行って同点ならばPKは行わずに上位のチームの勝ち上がりとするとかいうようなアドバンテージを付けるのならば、個人的には賛成です。

ただまあ、この制度のそれ以上の問題は、仮に5,6位のチームがプレーオフの結果昇格した場合に、J1でやっていけるのか、というところだろう。既に去年今年と3位で昇格したチームの弱さというのがモロに出てしまっているわけで。まあ、それならJ1の17,18位のチームも入れてやればいいってことになるかもしれないんだけども、オランダみたいに。ただ、J1で3チーム自動降格としているのは、下位チームに崖っぷちの危機感を与えてリーグ戦を活性化するということだから、今回オランダではなく、イングランドやイタリアのように下のカテゴリーのチーム同士で戦う方式を考えているということは、J2の活性化ということを念頭に置いているのだろう。

話し変わって今日はアウェーで仙台戦か。仙台も去年の対戦からスタイルを変えて現実的なところでやっているのか。となると、中盤でボールは回せる。サイドで関口の突破をケアするなら武井は左サイドバックで先発というところかな?

マブス優勝について

2011-06-14 07:09:29 | Weblog
NBAファイナル、マーベリックスが初優勝(読売新聞) - goo ニュース

マブス優勝となると、当然90年代前半このチームがドアマット状態だったところから優勝へ駆け上がったサクセスストーリーの記事がこれから出てくるでしょうなあ・・・

88年にはウエスタンカンファレンスの決勝でレイカーズと死闘を演じたんだけども、その翌年以降、マーク・アグワイア、サム・パーキンス、デットレフ・シュレンプといったベテランを放出して、更には若返りの為かどうか知らんけども92年のオフに当時チーム得点王のローランド・ブラックマンを3年後のドラフト指名権と交換で、というより殆どタダ同然のような形でニックスに放出し、翌年は司令塔のデレク・ハーパーまでも同じくニックスに放出して、最弱のチームに成り下がった。丁度その当時同じ都市のプロスポーツチームということで当時最強だったNFLのカウボーイズと成績を比較されるという可哀想なことにもなったんだけども。あの当時のマブスを見たけども、勝負どころでビビって誰も勝負に行かないから、仕方なくデレク・ハーパーが一人でやってしまうなんていう場面があったっけ。その時に解説だった本永さん(ホントこの人今何やってるんでしょうね?)に、ハーパーがやり過ぎだと行っていたな・・・

まあ、ベテランに関しては、チーム内での関係とか契約の問題とかいろいろあったけども、出した選手が皆新天地で活躍するという皮肉な展開を見ると、急激な若返りというのも考えものかな、と思ったりもした。まあ、低迷した時期にドラフトで、トリプルJを獲得して再び上昇しだしたんだけどもね。けど、ジェイソン・キッドもプロ生活をスタートしたマブスで優勝出来て良かったんじゃないかと。

なんかこんな風に書いていると、いつの間にか自分でかつての最弱チームが優勝へ駆け上がったという展開に持って行ってるなw まあ、でもかつて弱かった頃から優勝出来るチームへというのは、Jリーグではガンバや浦和だってそうだったんだから、今回のマブス優勝には少し親近感を覚えるんですね。

NHLのスタンレー杯決勝がメチャメチャオモロイという件について

2011-06-12 21:36:48 | Weblog

http://youtu.be/ppEEOnLr5xA

6月になるといろんなスポーツで世界NO.1を決める大会が目白押しになるんだけども(W杯、ウィンブルドン、ロランガロス、インディ500にNBAファイナル)、個人的にイチオシなのがNHLのスタンレーカップ決勝だったりする。北米の4大メジャースポーツの中で唯一カナダvsアメリカという図式が持ち込まれるのはこのNHLしかない。その意味では、やはり決勝でカナダとアメリカのチームが当たるというのが一番燃えるわけです。その熱さを象徴するのが、この試合前の国家独唱の場面なんだが、なんと歌手の男性がスタンドの観客に歌わせる部分があったりするんですなあ・・・試合の方もなかなか引き締まった内容で、ボストンのGKティム・トーマスとバンクーバーのGKルオンゴが好セーブを連発し、バンクーバーがなんと1-0で逃げきってスタンレー杯まで王手をかけた。別の動画でゴールの瞬間にバンクーバーの街全体が湧き上がっているところを見たけども、あれ見せられるとホンマにヤバいわ!

J聯賽第14輪 大阪鋼巴 2-2 清水鼓動

2011-06-12 08:33:50 | ガンバ大阪
試合前のアドと宇佐美のモチベーションについては杞憂に終わった、というか心配なんかするのが彼らに失礼なくらいでした、というくらい二人がゴールで結果を出してくれた。宇佐美のゴラッソを目の前で真横から見た時といったらもう・・・それだけに勝ちたかったし、昨日の内容でなら勝たないといけなかったんだけどもねえ・・・引き分けは残念だけども、前を向こうと言うような試合だった。特にフタなんか長短のパスを織り交ぜ、ゴール前にもいい飛び出しを見せて、久しぶりにファンタジスタの本領発揮!やはりフタは充分な休養を与えたら活躍出来る選手ではある。問題は彼の連戦における疲労だけども・・・

試合前は、デ○ブロガーとか、誰かさんののピッチサイド観戦とかいう逆風が吹きまくっていたので、後半逆転された時(2失点目で藤ヶ谷がボールではなく人につられてしまっていたな)には思わずそうしたジンクスが頭をよぎったけどもw 負けなかったのは今の力。え、ブロガーの方はともかく、ピッチサイド観戦がなければ勝っていたって?だからもうスカパーは解約してしまおうw

試合の方はというと、前半ヤットを温存したけども、これは温存がいい方に出たかな、という気はした。というのも、ヤットが出ている時というのは対戦相手の研究がかなり進んでいて、彼にボールが入った途端に相手に狙われるというのが最近顕著になって来たからなんだけど、相手の目先を交わすことができた。まあ、武井の展開力というのはまだまだなんだけども、サイドを経由したりロングボールをアドに競り合わせるという手段で居ない間は何とかできたかと。そのアドなんだけども、前半左から切れこんで売ったシュートなんかが入ってしまったら、5億どころか10億以上で中東どころか、欧州へ行ってしまいそうだったんであれが入らずに安心したわw

ただ、その意味では後半アドを下げる交代はどうだったのかな、とは思うんですね。本人だってやりたがっていたとは思うんだけども・・・でもそこに熱い気持ちを感じた。前線でのターゲットを置きたいとい意味でショータを入れたんなら、ショーキを入れる場面で彼を入れてアドと組ませても良かったとは思うんだけどもね。

清水はゴトピ監督になって、浦和がやろうとしているにオランダ流のサッカーを浦和以上に実践していたように思える。前からしっかりプレスを掛け、驚くことに去年より段違いにパススピードが上がっていて(どんなトレーニングをしたのか興味がある)、そして、一方のサイドで三角形でパス回しをした後に逆サイドに振る。もっとも、サイドチェンジの精度がまだまだイマイチなんだけども。この辺短期間でチームを作ってしまうゴトピ監督ってやはり只者ではない。ただ、その分選手間のスペースが空く分そこをガンバに上手く突かれていたとは思うんだけども。その意味では次対戦する時って本当に恐ろしい相手になっているかもしれないな・・・だからしっかりここで叩いておきたかったというのはあるけども、総じて昨日は楽しめた試合だったとは思う。

これから連戦が続くとなると、五輪予選で選手が抜けるチームはあるけども、幸か不幸かガンバでは宇佐美をまだまだ見続けられる。宇佐美のゴラッソを堪能した試合から帰宅して録画したJリーグタイムを見たら、原口が倒れながら決めたゴールを見ると、やっぱりセッキーが原口を選んだ理由が判る。左サイドで原口を活かすとなると、宇佐美や宮市はプレーエリアが被る故に呼ぶ必要はないし、練習態度云々というのは、もっともらしい落選理由をつけたということじゃないだろうか?俺らの宇佐美が練習態度がなっていないなんて事はありえない。そうやろ、ガンバサポの諸君?

まあ、その意味では、チームは低迷しているけども、原口を活かすことが出来るサッカーにしたという1点だけは、ペトロを認めないといけないかな、と思うんですがね。本来彼がやりたいサッカーというのは、正に清水が昨日やったそれだとは思うけども、そのサッカーのディテールを詰める作業という点でゴトピとペトロとの間に差が出てるのかもしれないんですがね。

チームとしてのまとまりが問われる清水戦

2011-06-11 03:20:36 | ガンバ大阪
さて、リーグ戦再開の緒戦が清水か。あちらは監督を支持しようという機運が高まってチームとしてもまとまりが出ているとは思うんだけども、それに対抗するにはこちらだってチームとしてまとまっていないと行けないかな。

となると、宇佐美とアドの移籍問題というのがチーム全体の士気やまとまりにどう影響してくるかが気になる。まあ、二人ともプロである以上、移籍するしないは別にして、少なくとも今はガンバの選手であることは忘れて欲しくはない。ただ、もし気持ちが切れているようならば、フロントは早期に問題を解決することが必要だとは思うけどもね。アドに関しては、こちらが求める移籍金をポンと払えないというのはやはり世界経済危機が尾を引いているんだろうかねえ・・・

宇佐美について言うと、セッキーが今回U-22で彼を招集しなかったのは、リーグ戦でのパフォーマンスを見て原口を左サイドに置くことにした為、プレーエリアが被る宇佐美と宮市を呼ぶと彼らの使いどころについて迷いたくはなかったとからなのかもしれない。それで結局FWには永井とは違うタイプの指宿を呼んだんだろうけども(しかし、彼はスペインまで行って一体何をやっているんだろうね?)。その意味では、宇佐美がこの時期でも五輪の予選に関係なくガンバで見られることについては、セッキーだけでなく、ペトロにも感謝しなければいけないなw ペトロは浦和での監督ぶりについては色々と言われているのは承知しているけども、この人の現時点での実績の一つに挙げてもいいのは、前監督の前ではドリブル勝負を禁止されていた原口を再生させたことであるから(ただ、皮肉なことにフィンケの申し子であった山田直輝や、大分時代トップ下でサイドへ流れるのを得意としていた梅崎は、ポジションを変えたがる習性故にペトロに冷遇されているんだけども。これで行くと次に危ないのは柏木陽介かな・・・)。

ということで、清水戦では宇佐美とアドのプレーぶりについて注目してみようかとは思う。これでもって今後の処遇というものを決めた方がいいように思えるわけです。

だからバスケ協会アカンねん・・・

2011-06-09 07:03:33 | Weblog
bjリーグ、全日本総合を辞退=外国人の制限などで―バスケット(時事通信) - goo ニュース

こういうニュース聞くと、だったら全日本総合って、純粋にJBLとかも排除して純粋にアマチュアの頂点の大会にしてしまえば、って思うんだけどもね。だって、こういう大会にプロが参加する意味というのは、プロがガチでアマチュア相手に胸を貸すということなんだから、そこにプロのベストメンバーが参加出来るようにならなければならないのに・・・その意味では、ベストメンバーで参加出来ないんなら辞退するというBJ側の決断は当然でしょうなあ・・・

日本のバスケ界ってどうも下の方に合わせるという傾向が強くて、例えば外国人のオンザコートの人数も2人から1人に減らしているし、女子に至っては、外国人撤廃を10数年前にやっているだけでなく、今回は2部制も無くしてしまうということらしい。参戦するチームの現象とかあるけども、ぶっちゃけ下に落ちてしまうと会社から予算削られるからという一部のチームの意向のような気もするしね。外国人枠の問題は表向きは日本人選手の育成という名目だけども、本当は運営費削減で人件費の高い外国人選手に金掛けてられないっていうチームが出てきたわけで、そこによせばいいのに合わせてしまっているんよね・・・

こうやって他競技と比較してみると、サッカー界ってまだ公平な競争がある分ええなー、って思うけども、こういう流れがいつ来ても可笑しくないからなあ・・・天皇杯なんか2,3回戦ぐらいだと代表組が試合出来ないような日程になっていて、それでいてACLの出場権がありますねんって言われてもなあー

オイルマネーももはや真夏の風物詩か・・・

2011-06-08 00:32:13 | ガンバ大阪
今年は中東のラマダンが8月1日から始まる(で、毎年一月分早まっていく)ことを考えると、アドに対して中東からオファーが来るのは7月あたりかな、と思っていたんだけども、もうオファーが来るとは正直予想外やったw 7月にオファーが来るまで勝ち点稼いで、登録ウインドー締切り(今年は7月15日から8月12日)までに誰かを補充出来ればいいかな、と思っていたんだけども。実際出るとなった場合にどのタイミングで手放すことになるんかな、というのが気になる。アドは確かに決定機は外してばかりだったけども、一応チャンスの中では得点に絡んで現在のところ得点王ではあるわけやしね。あまり早期に手放すと移籍の登録ウインドーが開くまでのやりくりが結構難しいかなと思ったんだけども・・・

その意味では、欧州移籍を目指す宇佐美にも言えることだけども、アドが果たしてモチベーションをどれだけ維持出来るかが気になるんだけども、気持ちがもし離れてしまうようだったら早期に解決するのがいいとは思う。いずれは居なくなるんだったらば、多少苦労してでも早い内にチームを作り直したらいいわけだし。ただ、過去3年はいろんな紆余曲折を経ても最後は結局ルーカスのチームに落ち着いたのに対し、今年はこれまで軸になっていたFWが居ない。その意味では、軸になれるタイプの選手を早く見つけて来る必要があるかとは思うけどもね。特に、アドが居るとこれまではルーカスがキープしてタメを作っていた状況でもアドは自分で前に行きたがってそこで奪われるという場面が目立っていたのを考えると、前でキープ出来る選手はやはり必要ですね。裏抜けタイプというのはショーキで充分だと思うんで、もう一人ポストプレーヤーを置くと「一高一快」の2トップが組めるようになるかな。

ドキュメンタリー映画「クラシコ」~淡々と描く手法の中に面白さはある

2011-06-04 23:40:36 | サッカー全般
本日が映画「クラシコ」の上映初日だということで、テアトル梅田へ、サッカー割引を使ってチケットを買って見に行きました。

映画、というかドキュメンタリーの感想という風に言うべきだろう。この映画の題材は地域リーグのライバル2チームにスポットをあてたものでしかない。それは、そこにだけしかないというものではなく、日本全国各地に転がっているような話だろう。サッカーの熱さとか、ダービーの因縁だとかは。確かに松本と長野市の間には何かしら因縁めいたものがあるらしいけども(なんかそれはケンミンショーっぽく思えるんだけども)、それは単なる入り口に過ぎないわけで、そうした入り口なしでもダービーとして盛り上がっているケースはなんぼでもある。全体的にJの理念というものが東京などの都心ではなく、周縁で生き続けているというコンセプトに上手く乗っかっている(丁度かつての甲府や大分のように)ようなものでしかないのかもしれない。だから、この映画の題材自体に何か真新しさを見出すのは難しい。

そう言い切れてしまうのは、地方クラブの光と影の双方のうち、もっぱら光の部分に注目しているからだろう。本当は長野において地域リーグでやって行くというのは本当に厳しい。実際、この作品中においても、長野がシーズン終了後に9人の選手と契約を更新せず、気さくにインタビューに答えていたバドゥ監督もその09年シーズン終了後に退任しているという事実をクレジットでサラリと触れている。

でも、こういう手法で影の部分に触れるというのが却っていいのかもしれない。ここで苦しいところを取り上げて、そこから成功への階段を駆け上がっていくというような手法だけでは、もう今の世の中で人々は感動したりはしないだろう。実際、この作品の中でもこうした手法はよく取り上げていて、信州ダービーでも松本山雅が先制して、ホームのサポの盛り上がりに達した直後に、これまたいい味出していた山雅サポだる、まるちゃんに愚痴らせることで現実に引き戻す、というところにも現れている。

そう、この作品の真の持ち味というのは、決して飾らない、感動の物語を作ろうともせずに淡々と日常と現実を描写し続ける、というところや、光と影の影にもサラリと触れることでそれとなく我々に気づかせてくれるというところに現れているのかもしれない。そしてこの映画を見て良かったと思うとしたら、信州においても自分たちと同じサッカーで繋がった、熱い思いを共有出来る同士を見いだせたという喜びが見いだせるからなのかもしれない。

その意味では、一歩間違えれば東京メディアによる単純な地方礼賛というトーンになってしまいそうなところを、独自の手法でもって地方クラブの現実というものを、抑えた形でサラリと描いてみせたところなんかが、なんかヤットのプレースタイルに通ずる味わいがあるんですけどもね。

大器晩成型の日本式システムの申し子、それが長友佑都

2011-06-04 11:03:18 | サッカー全般
長友を見ていると、つくづく日本の選手育成システムの多様性が効力を発揮しているとなと再認識させられる(これはボンバーにおいても言えることだが)。身長がそれほど大きくもなく、体育推薦で進学も出来なかった選手が大器晩成(世界的基準で言えばの話だが)で日本代表に選ばれるどころか、インテルにまで移籍してしまうというなんていうのは、多分他所の国ではありえない(特に中国では尚更)。

だから、それによってクラブユースの育成組織が機能していないというつもりはないわけで、勿論それはそれで成果は上がっていることを認めた上での話しをしている。ただ、欧州型の育成組織というのは、基本的にあちらの社会では若い年齢で、自分の能力や適性に合わせて進路を決めることを余儀なくされるという前提のもとに成り立っていることを押さえておく必要はあるかとは思う。その意味では、日本という国では、よその国では一旦エリートコースを外れた選手であっても、長友みたいに一発逆転出来る可能性がまだ残されているということだろうし、それは欧州に比べたら大器晩成型の日本社会には合っていることを意味している。

身長が170センチしかないというのも、DFとしての特異性を際立たせている。欧州では例えサイドバックであってもまず身長で足切りにされてしまっているレベルではあるよなあ・・・それを運動量でカバーするのはひとえに彼の努力の賜物とも言えるんだけども、それだけでなく、日本サッカーが打ち出している方向性というのにも関係しているように思える。

つまり、日本人が世界レベルで戦うには、フィジカル面でのハンデがあるのは致し方ない代わりに、世界と戦っていく上では、小さくても上手い選手、スピードのある選手、そして運動量が豊富で走り負けない選手というのを育てていくという方向性を日本が打ち出しているが故に、サイドバックの人材不足というのも手伝って長友はプロデビュー出来た。

逆に中国なんかはサッカーのスタイルが北欧路線であるせいか、アジアレベルでは比較的大きい選手を輩出しているんだけども、技術もスピードもサッパリだという傾向にあるわけですな。だから中国では小さくても上手い選手や早い選手というのをあまり見かけないんだけども、その理由は目指すサッカーの方向性にも関係しているんだろうし、あともう一つは、育成組織において、子供たちの技術レベルが皆どんぐりの背比べであったならば、最後に判断するポイントは結局身長しかないという台所事情も関係しているように思える。

その意味では、中国サッカー選手層はあまり厚くはない。よく、あれだけの人口なのになんでサッカーは強くならないのか、なんて言われているけども、自分に言わせれば、一国の総人口と競技レベルが比例しているケースなんて世界的にはインドのクリケットぐらいしかないわけで(でなきゃ、カナダがアイスホッケー世界一とか、NZがラグビで世界最強の説明がつかない)、あれは正に草の根レベルでもクリケットで遊ぶ文化があるからこそ可能なものだ。欧州型のスポーツクラブどころか日本で言う部活すらない中国の教育制度において、サッカーを競技としてプレーする人たちというのは限られている。じゃあ、日本みたいな部活とかがあればいいのか、ということなんだけども、かの国の過酷なまでの受験競争を考えると、スポーツなんかやっている暇があれば勉強しなさいと親御さんらは子供には言うだろうね。つまり、中国サッカーを強くする上では、草の根でのサッカーを普及させて選手層を厚くしないと行けないんだが、その為には、学校の部活精度の導入なども視野に入れた上で、今までの受験競争システムを犠牲にしてまで、文武両道路線というのに転換した方がいいのかというところまで議論しなければ行けない。それによって社会構造の変化も念頭に置かないと行けないということになるかもしれないんだけども、かの国にそこまで考えている人は流石に居ない。

え、だったら自分で中国人に言ってやれよって?そうねえ、中国語にして言うとしたら、

・目指すサッカーの方向性
・それに見合った選手の育成
・その選手を輩出する為の底辺の拡大

ということは言うんだけども、多分それは絵に描いた餅じゃないか、って中国人に返されるだろう。

宇佐美の海外移籍について語ろう

2011-06-02 22:48:26 | Weblog
宇佐美については、遅かれ早かれ海外に挑戦するだろうな、とは思っていた。それが今のタイミングだったというからさほど驚いていない。ガンバとしては宇佐美がどれだけ移籍金を残せるのかということに関心が移るのだろうけども、どうもあまり残りそうにもないんですなあ・・・

というのもレンタルで移籍するという話が出ているからなんだが。このことから考えられるのが、

1.レンタルで獲得してよかったら後で買取るという長友方式
2.一部の報道にあるように海外移籍となると引留められない条項が契約に付いている為、ガンバとしてはレンタル料を貰っておこう

のうちの何れか。ただ、1の方式は一件手堅いように見えるが、それはチェゼーナのような資金力の乏しいところがやるやり方だろう。インテルという買い手が次いたら、東京から買い取ってインテルに売るという手法だけども、それでもチェゼーナは東京からの買取資金をインテルの移籍金から一部前払いで貰って買取って移籍期限ギリギリでインテルに売ったというシタタカぶり。今回チェゼーナや、コパイタリアで準優勝したチェゼーナも一時期宇佐美の移籍先の候補に上がっていたのは、長友方式で二匹目のドジョウを狙っていたからだろう。

ただ、バイエルンのようなビッグクラブになると、わざわざそんなことをする必要がないどころか、完全で獲得して、場合によってはレンタルで修行に出すのが得策だったりする。だから、もし移籍金ゼロで引き取れるというのが解っていたら(トレーニング費用は発生するけども)、バイエルンがレンタル移籍という形で応じるだろうか、という気もするんだけどもね。

だからまあ、ガンバの都合は別にして、バイエルンに行くのなら完全で行った方が、バイエルンもレンタル修行という形を取れるという意味では本人の選択は広がるんだが、そんな中でも敢えてバイエルンに挑むんならば、尻尾巻いて帰って来るなよ、というところかな。ポジション争いはキツイなんてものじゃないし、あれぐらいのビッグクラブならばEU外の選手枠の競争というのも当然待っているだろうし。その中でシーズン開始から行って、最初の半年間が勝負か。願わくば長友方式であって欲しいけどもね・・・

付記-今朝の報道で移籍金3億と言う風に報じられていた。確かに移籍金が発生しないという条件ならばバイエルンは即買取るはずではあったわけだから、長友方式を踏襲しているんだけども、その移籍金が入ってくるかどうかは、今後の宇佐美の努力に掛かっているわけです。まあ、余程のことが無い限り買取りにはなって行くとは思うけども。