大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

橄欖球熱身賽 法國 34-7 威爾士

2007-08-27 23:59:52 | Weblog
遠征から帰った昨晩、JスポーツESPNで中継していたラグビーのウェールズvsフランス戦を観戦した。フランスのラグビーが好きでよく見ていた自分としては、フランスが勝ったにも関わらず酔えない試合ではあった。スコアや試合内容を見ればウェールズを全く寄せ付けずに、ミレニアムで完勝したにも関わらず。

試合を見ているとフランスの選手たちがウェールズの選手たちよりも一回り大きく見えたのは気のせいだっただろうか?サイズやフィジカルの面でもウェールズを圧倒していて、実際、スクラムやモールなんかで押し合ってもウェールズの陣形が崩れていく。更にフランスは守備でも非常に浅いラインを敷いてプレッシャーをかける為にウェールズはただ単にボールを廻すだけで突破口を開けず、逆にノックオンなどのミスを連発してフランスにボールを奪われたりもする。こうしたプレッシャーが効いたのか、前半自陣ゴール近くでウェールズがタッチに蹴り出そうとしたキックをチャージして最後9番のミニョーニが押さえ込んでトライを挙げたり、またFWのサイドアタックの連続でトライを奪ったりする場面を見るとなんだかBKの走力でトライを取りにかかるフランスらしさというのが影を潜めて、単にフィジカルの強さだけで勝っているため、爽快感があまり残らない。これだけの実力差なら勝って当然、という感想しか残らないのだ(まあ、ウェールズだって日本とやる時は力勝負を挑んでくるんだろうな)。

相手のウェールズは、前半終了間際にオープンに広く展開し、ライン参加したフランカーがシザースを仕掛けてギャップを突いてから、最後10番がトライを挙げたのが精一杯。まあ、これもフランスが少し集中力を欠いた前半終了間際だったから取れたようなもので、これ以外にフランスを崩せてはいなかった。多分オープンに展開するのが狙いだったのだろうけども、浅いラインをフランスが敷いているためことごとく潰されていた。辛うじてキックを使ってウイングを走らせてフランスのトイメンのウイングに取らせてタッチに追いやってからマイボールラインアウトで仕掛けても良かったかもしれないが・・・

ともあれ、フランスが今北半球で無敵であることは判った。単に美しいだけでは勝てないからフィジカルの強さを追求して南半球勢に対抗しようとする意図は判るんだけどもね。けど、何か昔からのセラ、エステーヴ、ラジスケ、ブランコといった役者ぞろいのチームを見てきた者からすれば、安定はしているものの、良くも悪くもフランスらしさが消えて(例えばFWで競り負けて自陣で反則を繰り返して自滅する)しまっているような気がする。それでも今年初めのシックスネーションズでのアイルランド戦の逆転勝利なんて見ごたえはあったのにね。耐えて耐えて最後バックスの走力でひっくり返してしまうという正に絵に描いたような逆転劇を見せてくれたのだが。個人的には、スクレラ・ヴィルプルー・ダルマゾのトロイカ体制でやっていた時が一番好きだったんだけどね。

まあ、こうなったらW杯では是非とも南半球勢を下して決勝まで行ってもらいましょうか。それでこそラポルト監督が8年間やってきたことが報われるわけだし。

ただ、こういうリアリズムというのが何のために必要なのか、というのを考えさせられるわけですね。フランスのラグビーというのを貫き、美しく勝つ為に必要な部分を敢えて補完する為にリアリズムを取り入れるべきなのか?それともそもそもフレンチフレアーなるものも結局勝利を得る為の手段に過ぎないから、やすやすと美学を捨て去ってしまうのか?どうもラポルトは後者を選択していそうなんだけどな・・・

今フランスラグビーで行われている実験や、その構想は、ガンバの今後のスタイルを決める上でも参考になりそうである。例えば、巷で言われている352回帰とか、夏場限定のリトリート戦術というのがあくまでもガンバの選手たちの疲労回復に主眼を置いているのであれば、それは理解はできる。ただ、個人的にはどうもスッキリしないし、仮に勝つ戦術と考えたとしてもそれで必ず勝てるとは限らないだろうとは思う。なぜかと言うと相手がそれ以上にリトリートしてくると、それはどうにもならなくなってしまうからなんであるが。