大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

國奧4國賽 日本 0-1 博茨瓦納 ~増田よ、ありがとう!~

2007-08-06 12:14:13 | サッカー全般
昨日は午前中試合へ行く前に9・18記念館へ立ち寄ってきた。中国人の反日というのがどこから来るか、というのを考えるにはいい機会だった。内容ですか?まあ、こういうのを見せ付けられるて育ったら、これじゃ日本に対してある種の感情を持つのは避けられないな、と理解した次第。しかも戦争を経験していない若い世代によく見られる傾向であったりするわけだから、歴史問題というのが戦争を直接経験した世代よりもむしろ、語り継ぎを聞いてきた世代の間に起こっている摩擦だということを改めて痛感した。

昨日の試合はタクシーを飛ばしてスタジアムに向かった。どちらかと言えば市内よりも空港よりにある郊外に位置している。運転手とは本日の試合や天気(実はその日の午後にわか雨が降った)についてよもやま話をしていたのだが、自分が日本人だということが判ると運ちゃんはまさか日本人と中国語で話しているとは思わなかったようだが、別にこの時には自分が日本人であることをおおっぴらにしてもとりわけどうということもなかった。

スタジアムに到着し、チケット売り場で日本を応援するスタンドの位置を確認してから1枚80元のゴル裏のチケを購入。そこから試合まで時間があるのでしばらく周辺をぐるっと回ってみると、あちこちで中国の国旗を持った若者を見かける。寄せ書きしている光景も目に留まった。すると私にも寄せ書きを頼んでくるので、さすがにそれは丁重に辞退したが・・・試合後タクシーが留まりそうな場所があまりなく、これは去年の山東と同様に近くのホテルまで歩いてからタクシーを拾うしかないだろうな、と覚悟した。

ついでに入場時にどれくらいチェックされるのか確かめようと、スタの外で購入したペットボトルとチアホーン(Jリーグ元年の時にまだあったヤツ)を持ち込もうとすると、それらは見事に没収。と、ここで疑問をもたげたのは、金曜の試合で日本人サポらにペットボトルが投げられたという話があったけども、そのペットボトルはどこから持ち込まれたものか、ということだった。

スタジアムに入ると、飲み物を売っていたので、購入してみると、ペットボトルが紙コップに移し変えられている。となると、実際に投げられたのは紙コップということなのか。

で、指定されたエリアにチケを見せて入ってみると・・・なんと中国人も普通に入っとるやんけ! 

まあ、今日はしゃあない。おとなしく見ておこうかと思ったのだが、しばらくすると日本語が聞こえて来る。3人ほど日本人が入って来るので、挨拶して一緒に固まって応援することに。実はこのあと、別のエリアのチケを買った日本人を迎えに行くために一人のサポが別のサポのチケを持って出たため、後で合流した人を合わせて合計5人。こうしてたった5人による孤独な、壮絶な戦いがキックオフされることとなった。

選手がピッチに出てきて、「ニッポン」コールをしようものなら、スタンド後方に陣取った中国人らが一斉にブーイングを浴びせて来る。まあ、これは織り込み済みなんだが、もうちょっと隔離できなかったものかと思う。我々の周りには少し距離を置いて公安警察官が座っていてくれたから、直接危害を受けるということはなかったにしても、だ。

試合はというと、日本は一昨日に比べてまたメンバーを落としてきた。GKは西川ではなく武田だったか。西川の方がゼロ神話というのがありそうな気がするんだけどね。安田や平山が控え組みで練習していたから、今日は安田は見れないのかと少しがっかりした。まあ、そうなるとこの中で如何にして攻撃の形を作って点を取れるかが鍵か。

そう思って見ていた。座って見ていたが、チャンスやピンチとなると立ち上がって「ニッポン」コールをすると(ずっと立っていると公安に咎められる)、後ろからブーイングがして来た。しかし、パスを廻すんだがなかなか得点に結びつけられないのはA代表と同じか。何回かドリブルで突っかけていったけどもカットされてそれをカウンターに結びつけられたのが躊躇した理由かもしれないけども、それでもミドルシュートやドリブルでのアクセントがもうちょっと欲しかった。相手のボツワナは日本の中盤でのミスからカウンターで攻め込むも、フィニッシュがはっきりいって下手すぎるから、あまりやられる気はしなかった・・・そう、後半早々の失点以外には。だからこそ前半に先制して欲しかったのだが。この試合の審判はといえば、確かに皆さんが感じた通りだと思う。後半ボツワナのGKに遅延行為でカレー券を与えたことによって、それが公平であるというエクスキューズのように見えてからその思いを一層強くした。

後半途中からようやく安田を投入。左サイドの高い位置でプレーしていたが、彼が入ると左サイドが締まって見える。一度安田が切れ込んでチャンスを作ったんだがなあ・・・まあ、これが見れただけでも元は取れたと思っておこう。この試合の日本は、中国でやっているからまだいいとしても、国立でコレやったらホンマ許せんぞ。まあ、今大会はテストに過ぎず、U-20代表との融合を目指しているんだから、誰と誰が使えるか反町監督もよく見極めたことだろう。けど、あの中で応援していて負けると、やっぱり悔しい!この気持ちを皆さん判るだろうか?

ところで話変わって、ハーフタイムに朝日と時事通信の記者がやって来て我々の方に話を聞きに来たので、ブーイングについて自分の意見を述べた。それを要約すると以下の通りである:

「確かに反日感情はあると思うが、日常生活においてそれが露出するまでは何段階もあり、しかもサッカーという競技の中での出来事だから、これだけでもって中国人の対日感情やマナーといったものを云々することはできない。卓球で福原愛ちゃんに対して中国人がブーイングすることはないでしょう」

なお、中国人のブーイングは何も日本チームやサポに対してだけでなく、この試合の後に行われた中国対北朝鮮戦において、なんと自国の選手の不甲斐ないプレーに対してもされたのである。中国人は自国のサッカーのレベルには結構辛いものであるが、ブーイングに共通しているのは、彼らが持っている先入観に基づいているものじゃないか、とこの時思った。その点については次回のエントリで詳述する予定である。

試合後、公安警察官の一人が我々のところにやってきた。「中国語は話せるか」と聞かれて、「少しなら」と答えると、彼は申し訳なさそうに、「自分は日本が好きだし、今回の日本は本当によくやりました。今大会はあくまでもテストであって結果は二の次です。ブーイングにはとても遺憾に思います。皆さん、どうか中国人のことを恨まないで下さい」とフォローしてくれたことも付け加えておこう。

最後に、このアウェーの中で試合後、我々5人の日本人サポを見つけて挨拶に来てくれた日本イレブンには感謝したい。そして、途中交代で下がったにも関わらず、日本イレブンの挨拶の後、ブーイングにもめげずに来てくれた増田よ、本当にありがとう!