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La douce vie

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「詩歌川百景.4」吉田秋生

2025-04-24 | book/comic
温泉町の河鹿沢に暮らす人々の物語。
飯田和樹と幼馴染、職場仲間、地元の人々をめぐる群像劇でもある。

4巻では、妙の従姉妹の麻椰子が幼少時に妙の美しさにコンプレックスを持っていたことを仕事仲間に話す。大人の目線になっていたからかもしれないが、妙は何も悪くない、と思える理性も持ち合わせている。
ちなみに、私は子供の頃から美人の友達がどの学校でも職場でも多いが、大人になって、「一緒にいて損していると思わないの?」と複数に言われて気が付いた。
美人の友達は他の子に普通に接していて、拒絶されたり、ショックなことも少なからずあったのだろう。拒絶した方は自分の好きな男の子が彼女のことを好き、という子もいれば、大人を含めた周囲の無意識の待遇の違いも理不尽に感じる子もいたのかもしれない。少なくとも、私の友達はそういうことを鼻にかける子はいなかったのだけれど。

話は脱線しましたが、和樹の子供時代に別れた弟、智樹が姿を現す。問題を抱えているが、読者(大人)目線では、彼もまたネグレストの親の被害者でもある。

宮本さんのわかれた奥さんの話もあり、なんというか、読み進めるうちに「北の国から」を思い出してきました。

最近は家族といえば、理想的な家族(お互い思いやりがあり、自立した生活をしている)が多いけれど、この物語はそこから、はみ出た人々の物語であり、過疎化が進む町をなんとか、再生させようとする若者達の奮闘も描いた、読み応えのある物語です。