や人の手で描く動画というものは、なんて魅力的なんだろう。
「かぐや姫の物語」を観て、つくづくそう思った。
赤ん坊の動き、日本の動植物たち。鳥獣戯画の世界が動き出したようなアニメーション。
「かぐや姫」という日本人なら誰でも知る古典の物語に新たな解釈(と言っても話が逸脱することはほとんどない)を加えることで、それまでの「かぐや姫」は神秘性だけで、感情移入できることのない存在でしたが、かぐや姫の主観というものが、見て取ることができたのも面白かったし、竹取の翁の家で育てられ、子供たちと遊ぶ田舎暮らしの躍動感あふれる日々も美しいし、都暮らしで相模に教育される日々や都の貴族の風刺なんかも、そう、物語に常にユーモアが存在しているので、長く感じません。
求婚者が持ってくる宝を絵にして見ることも興味深かったし、天からのお使いの奏でる音楽が明るい感じなのもなかなか興味深かったです。
ストーリーは当然、知っているのですが、絵の美しさに魅せられ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。また、観たい、という気持ちにさせられます。
平安時代の日本の貴族から一般庶民までの日々の営み、人、昔ながらの日本の動植物を丹念に描いたこの作品は、日本アニメーション界の大きな遺産となるでしょう。
よく、宮崎監督はアニメーション界のクロサワと評されることがありますが、私の個人的な考えでは、高畑監督はアニメーション界の小津なんです。
黒沢作品のような劇的さはなくても小津作品の人の心情を表した作品は世界の映画界に与える影響は絶大であり、ハイジやアン、火垂るの墓やおもひでぽろぽろを作った高畑監督の存在を表すにアニメーション界の小津というのが最適ではないかと。。。
こうしてみると、高畑監督にリクエストされていたという「太平記」がますます見たくなる。アニメーターが太平記を書きたくないというなら、実写版にしてはどうか?
まぁ、1本の映画に7年もの歳月と予算を度外視して使う監督に出資できる度胸のある人あ企業が今の時代どれだけいるのだろうかと思いますが・・・。
長らく、監督作品がなかった高畑監督。もしや、「平成狸合戦ぽんぽこ」で、監督業を辞していたのかと思ったときもありましたが、長い歳月をかけ、この作品を作っていたという話しを聞き、ほっとするやら、高畑監督らしいと思いきや。
最近、高畑監督がアカデミー賞の長編アニメーション部門を逃したことで、ストレートに残念がっいたのが印象的でした。
いやいや、高畑監督。高畑監督の作品性を理解できるのはアメリカではなく、ヨーロッパでしょう。たとえば、フランスとか・・・。と思っていたら、フランスの勲章を受章していました。とても嬉しそうな高畑監督。フランスお好きですものね。相思相愛でよかった。