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La douce vie

sweetsや美味しいもの,雑貨,映画,art,音楽,本,マンガ,スポーツ観戦,ice show,旅行等ゆるブログです

「パラドックス13 」東野圭吾

2024-10-03 | book/comic
13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。

世界が変われば善悪も変わる。
殺人すらも善となる。
極限の状態で見えてくる人間の真理とは。
--この世界の謎を解く鍵は、数学的矛盾<パラドックス>にある。

こういう世界観を作り出すのに、読者に対して納得させるうまさに感心させられます。
元の世界に戻るために、仮説を立て、実行していくのですが、間違いもありうる訳で、ヒヤヒヤします。
都心で悪天の中、サバイバルをする様子を読み進める中で、大きな震災の後に着想を得て書かれたものではないかと思いました。

「無用の隠密」 藤沢周平

2024-09-19 | book/comic
作家デビューを果たす数年前、無名時代に雑誌掲載された短篇14篇と文庫化にあたり、新たに「浮世絵師」を収録。

未収録短編集。

最初の物語は大風呂敷で登場人物の数も多く、本当は長編予定だったのではないかと思う。

藤沢周平さんにしては珍しく、古代エジプトの実在の人物をモデルにした作品もある。

「豆の上で眠る」湊かなえ

2024-09-05 | book/comic
子供の失踪事件が起きる。
母親は必死に娘を探す。母親は嘘までつき、失踪した娘の妹に怪しい家を探らせるが、妹はそれを拒めない。やがて、学校でも孤立するが…。
失踪事件を軸に周りの人々の心理や行動を丹念に描いている。



(巻頭に書かれているので、ここはネタバレではない?)姉が帰ってくるまでの辛い状況や周囲の思いやりや幼稚さからかる行動まで。
戻ってきた姉に疑いの目を向けるのは、失踪当時の母からの命令や周囲の子供からの仕打ちを誰にもぶつけられることが出来なかったことへの鬱屈した思いが姉に向かったのは(姉には気の毒だが)周囲の子供と同様、幼稚さからくるものだろうな、と思い読み進めた。
最後は湊さんらしい驚きがありました。

「おそろし 三島屋変調百物語 事始」宮部みゆき

2024-08-22 | book/comic
川崎宿のおちかは自分の身内の中でおきた惨劇のため、心を閉ざし、叔父の三島屋へ預けられる。

おちかは三島屋で甘えることなく、女中働きをして日々を過ごすのだが、叔父はおちかの心の荒療治として、百物語の聞き手をさせる。

おちかの元へきた者たちの語る内容は不思議でもあり、恐ろしくもあるが、その恐ろしさは人の業の他ならないと思える。

「スイスのかわいい宝物」 Chiemi Clavadetscher

2024-08-08 | book/comic
大切なものに囲まれた、スイスの暮らしと愛らしい雑貨。*
ドイツ・フランス・イタリアなどに囲まれた小さな国スイス。
自然が豊かで、どこかスローでゆったりとした暮らしが魅力的。
一つ一つていねいに集めた雑貨や日々の暮らしを、たくさんの写真とともに紹介します。

 「マルタのやさしい刺繍」の主演女優、シュテファニー・グラーザーのインタビュー記事も掲載。
この映画は私のお気に入りでもあるので、嬉しかったです。

「陰陽師 蒼猴ノ巻」 夢枕獏

2024-07-25 | book/comic
死人たちの「鬼市」に迷い込んだ男が支払いを要求され、安部晴明の元へ相談へ行く。

からくりの技をもつ韓志和に興味を抱いた渡が無理難題を要求すると・・・ ひん死の子供のために不思議な桃を盗んだ男の話。「仙桃奇譚」 晴明たちがが、琵琶湖に舟を浮かべ音楽を奏でながら月見をしていると、島へ引き寄せられ、美しき女人に巡り合う「月の道」男と女の物語「安達が原」の結末。

とある漁師が舟渡りの仕事を頼まれるのだが、乗っている者が見ることができず(重さは感じる)何やら恐ろしいことに加担しているようで、晴明に相談しにいく話。 などなど。他にももっと短い短編の話もあり。

どの話も鳥獣戯画の世界に迷い込んだようで、久々に本の世界観を楽しんだ気がします。

今昔百鬼拾遺 鬼 京極夏彦

2024-07-11 | book/comic
「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。
ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。

百鬼夜行シリーズ最新作(私の中で)。
今まで京極夏彦氏の本はぎゅっと濃縮すれば1/3くらいのページ数で済むのでは?とかねがね思っていた。いや、それがご本人の作風なのだけれど。

la douce vie 2020-2024 : book,comic

2024-06-20 | book/comic
ここ数年、夏に向けて興味ある本を残すようにしています。
面白い本を読んでいると暑さも若干忘れらる、テレビもつけず、音楽もかけず、時間があっという間に過ぎます。
ちなみに、夏にblogで紹介している本がそのまま夏に読んだ本という訳ではないです。

「ハニオ日記Ⅰ」石田ゆり子

タレント本はいつもより多くの反響がありますが、この本もそんな一冊。
保護猫をはじめ現在では6匹の猫とゴールデンレトルリバーの雪ちゃんを飼っている石田ゆり子さんの、犬猫を主軸としたエッセイ。主に茶トラのハニオちゃんがお話ししてくれます。
売り上げは保護猫活動に寄付されています。
人様のペットでもかわいい。じんわりした幸せな気持ちになります。

「私のマトカ」片桐はいり
大好きな映画「かもめ食堂」の舞台裏のエピソードや片桐さんの日常、考え方などを知る事ができて、タレント本は写真が多い方が好きなのですが、このエッセイは文章だけでも十分楽しめました。

「女の園の星」1.2 和山やま

女子校ってどんなところだろう?と思う人もいらっしゃると思いますが、こんな感じ。
退屈な毎日で男子の目も気にすることもないので、どんどん変なことをしてしまいます。
星先生はそんな女子校の教師。淡々と節度を持って女子高生に接しています。
みんなに目をつぶらせて、犬にイタズラした人に手を上げさせる話。星先生の結婚が知れ渡った話、この作者の笑いの感性が素晴らしい。

「大きな森の小さな家」「大草原の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー

児童書ですが、大人になった今、再び目を通すと、アメリカの開拓者時代の一般市民の生活を子供の目を通して語られた歴史的資料としての価値もあるのではないかと思います。
肉は飼育した豚を屠殺してそこから切り分け、目的別、作業を手伝う人にも分け合います。保存食にする作業やバター作り、お母さんが作ってくれる洋服。
便利な経済社会に生きる私達が忘れかけているものを思い起こさせてくれます。
友達が自分の子供に読み聞かせ、良かった、という話を聞いて再読した本(姉から借りました)でした。

「OUT」桐野夏生
初桐野作品。登場人物が多いけれどキャラクターが明確で頭にすんなり入ります。物語は思いもしない展開でした。
登場人物がとてもリアルにいそうな人達で頭の中で明確なキャラクター像が浮かび上がります。
感心するのは女性でも、女性が知りたくないような男性の本心や行動を描けること。(逆を書くと男性作家も男性が知りたくないような女性の心理や行動を描けている人もなかなかいないと思う)
この後読んだ「東京島」「魂萌え!」を読みましたが、まるで違うジャンルですが、どれも面白く、そして、読後にザラザラとした読後感で、立て続けには桐野夏生さんの作品は読めないなと思いました。楽しみだけど、何冊かおいてから読みます。

「つくもがみ貸します」畠中恵

2024-05-27 | book/comic
出雲屋はお紅と清次の姉と養子の弟が切り盛りする古道具屋兼損料屋。

その店にある古道具が付喪神になっており、貸し出す先々で事件を拾って来たり、逆に探り出すために貸し出されたり。。。

「しゃばけ」シリーズと似た感じで・・・という気がしますが、楽しめました。