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La douce vie

sweetsや美味しいもの,雑貨,映画,art,音楽,本,マンガ,スポーツ観戦,ice show,旅行等ゆるブログです

「ビオレタ」寺地はるな

2025-02-20 | book/comic
婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、
道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。
そこはいろいろな雑貨と「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。
何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。

雑貨屋さんに何かを葬るための棺桶。なんだか、ありそうな。
ユーモアのある定年退職したお父さん。リアルにいそうな一見正論で実は意地悪な先輩。

つき合い始めた相手(千歳さん)が実は妙がどん底の時に手を差し伸べた菫さんの元旦那と分かったら、私だったら耐えきれず、店も辞めて、千歳さんと別れるだろう。そんな事は望んでいないと言われようと。だからと言って主人公を非難している訳ではない。菫さんの息子は妙に暴言を吐くが、それをやむなしと受け入れるのは分かる。

選考委員の満場一致で選ばれた、第四回ポプラ社小説新人賞受賞作だそう。
最初に読んだ作品を分解したら素材は似ている。こちらの方がキャラクターが粒立っていて、惹かれます。

「花よりも花の如く」23巻 成田美名子

2025-02-06 | book/comic
保護猫の引き取りから話は始まりますが、いよいよ憲人さんの「道成寺」へと話は向かって行きます。

ちなみに保護猫はかわいいけれど、困った悪戯もしてくれるのもきちんと描かれて、動物を飼うのはかわいいだけじゃない、というところまで描いてくれているのが、いいですね。

稽古、鐘の製作。

葉月さんとの関係の修復も素直に言い訳せず、謝罪をしたところが良かった。

そして、今まで出会ってきた人々も憲人さんの「道成寺」を観劇に来るということが分かります。(物語の総決算という感じ)


「密謀」藤沢周平

2025-01-23 | book/comic
織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の“関ケ原”へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である。

藤沢周平作品は市井の人々が主役の小説ばかり読んできたので、最初は「草」と呼ばれる上杉家の忍びのような人々の物語かと思ったのですが、上杉家を中心としてみた戦国時代末期の群像劇という方が近いかと思いました。

「和菓子のアン」坂木司

2025-01-10 | book/comic
高校卒業後、進路を決めていなかったアンはデパ地下の和菓子屋でアルバイトを始まることに。
和菓子では、和菓子に関する知識がいろいろ必要で、それがちょっとしたミステリーになったり、同僚、同じデパートの中の他のお店の人やお客様とのエピソードで、なかなか楽しめました。

一軒家のお店ではなく、デパ地下にしたことで、出会う人もお客さんだけでなく、他の洋菓子屋の従業員だったり、エピソードが広がりやすくするためだったんだろうと思います。

ジェフリー・アーチャー「15のわけあり小説」

2024-12-26 | book/comic
ジェフリー・アーチャーの短編小説。

ジェフリー・アーチャーの初期の小説を初めて読んだ頃のような読後感。

あっと言わせる伏線回収やサーガ物をぎゅっと凝縮したもの、そして、イギリス文化を垣間見ることができるのも、興味深いところ。

この作者の長く続いたサーガ物を読み終えて、その後にこんな短編集はちょうど良かったです。

「婚活食堂」山口恵以子

2024-11-25 | book/comic
四谷の「めぐみ食堂」は、女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋だ。
元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力"を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁"が見えるようになって――。

元々不思議な能力を持つ人が占いを後から勉強する、というエピソードはなんかありそうな気がする。
おでん屋さんですが、お通しも美味しそうです。

最後は以外な展開で終わりかますが、真行寺(恵のプロデュース&相談相手)や興さん(占い師匠)の過去も明かされます。
シリーズ物のようなので、次巻も読んでみたいと思いました。

「流星の絆」東野圭吾

2024-11-11 | book/comic
両親に内緒で流星を見に行った3兄弟だが、流星は見ることができなかった。
三人が家に戻ると両親が殺されていた。

時間が経っても犯人は捕まらない。
社会に出て、詐欺にあったことから、三人は詐欺を始める。

三兄弟の末っ子の静奈の美貌を利用して金銭に余裕のある人物にターゲットを定めるのだが、洋食屋のチェーン店の御曹司とその店のハヤシライスを食べると亡くなった両親の味だった。

詐欺をしている負目は分かるけれど、警察に対しての不信感なのか、情報提供が凝りすぎている。
明るい兆しを感じる終わり方は東野作品には少ない方では。


カササギ殺人事件 アンソニー・ホロビッツ

2024-10-31 | book/comic
1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。
その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。
消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠アガサ・クリスティへのオマージュ作品。

アガサ・クリスティのオマージュらしく、確かにそういう雰囲気がする。下巻は上巻がいわば劇中劇となり、二重に楽しめる。

「今日のハチミツ、あしたの私」寺地はるな

2024-10-17 | book/comic
蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる──。
「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。

それから十六年、三十歳になった碧は婚約者の故郷で蜂蜜園の手伝いを始めることに。
ところが、最初に思い描いたのとは違う方向へとなっていく。

アーティストを辞めて家業を手伝うという婚約者の安西、押しかけた修行先の養蜂家の黒江とその家族。
スナックのママをしているあざみさん……

この方の小説は友人から教えてもらいました。
最初の方で予想された結末に向かって行ったけれど、なかなか楽しんで読めました。