常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

初市

2019年01月10日 | 日記

松の内も明けて今日は十日市、初市の

日である。冬の気圧配置が後退して、

東の方から高気圧が張り出し、青空も見

えてきた。我が家の北西の方角には、葉

山がどっしりとした姿を見せる。同じ方角

にあるまどやかな白い月山とは対照的な

姿を見せる。冬晴れの日にならないと、

なかなかお目にかかれない姿だ。城下町

であった山形市は、街ごとに市が開かれ、

十日に市を開くのは、十日町と呼ばれた。

いまもこの日に市が開かれ、正月十日は

初市が開かれる。初飴や、近在の村から

杵や臼、包丁、まな板など生活用品が売

り出され、縁起物を買い求める人であふ

れる。

谷崎潤一郎の『細雪』に出てくる十日戎

には、大きな福笹に、張り子の小判、米

俵、大福帳、はぜ袋などが下げられ、縁

起物として戎さんの買い物の目的であっ

た。はぜ袋というのは、白米をドンという機

械で爆ぜさせたものに砂糖を加え、食べ

る菓子を入れた袋である。京都の街のこ

んな風習が根付いたものが初市である。

思えば山形市の商店街には、かつて日本

海航路で交易のあった近江商人が、出し

た老舗がいまも店を張っている。この街は

京文化との深い水脈でつながっている。  

 

コメント
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