大寒も一週間を過ぎれば、
節分が視野に入ってくる。居座っている
寒気も、日の光も時に春を予感させる。
日没が日に日に長くなり、朝の目ざまめ
も、少しだけ早くなっている。
冬来たりなば春遠からじ。
この季節、誰もが想起するこの詩句は
イギリスの詩人シェリーが、イタリアの
激しく吹く西風に寄せて謳ったものだ。
すっぽりと列島をおおい尽くす雪雲の
なかで、人々は春への思いを強くする。
遠野の里には、里の子どもたちが
岡へ出て、雪の上で橇遊びする。小正月の
ころ、夜雪女が出るから、早く家へ
帰れと戒められた。
雪国では、雪の上で遊びながらじっと
春を待った。