常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

千歳山雪化粧

2019年11月30日 | 日記
昨夜の雪は通りに積もることはなかった。標高471mの千歳山の雪化粧が見られた。うっすらとしているので、陽が登るにつれて融けてしまうような気がする。予報を見ると、来週の1週間には雪マークがついている。例年に比べて早いが、本格的な雪の季節を迎える。屋根にもうっすらと雪が積もった。ふと思い出すのは、蕪村が描いた「夜色楼台雪万家図」である。

冬ごもり壁をこころの山に倚る 蕪村

旅に生きた芭蕉に対して、蕪村は冬ごもりの達人とも言われる。冬ごもりしている家の壁を、山ふところの草庵と想像して冬を過ごそうという、句だ。芭蕉に「冬籠りまたよりそはん此はしら」という句があるが、その句を意識してこの句は生まれた。

桐火桶無弦の琴の撫でごころ 蕪村

冬ごもりする蕪村の傍には、火桶がありその灰のなかに埋火があった。火桶の桐は丸くほんのりとあたたかい。冬の孤独をまぎらわせる、格好の道具でもあった。蕪村の弟子であった月渓が描いた「蕪村翁像」という一幅がある。頭でっかちの老蕪村が火桶の火箸に手をかざし、背を丸めて、火桶の向こう側に広げた書物を見るともなしに思いに耽っている姿である。埋火には薬缶をかけ、また煮物の鍋もかけたであろう。直火でなく、灰のなからの遠火が、白湯や煮物の味を深くさせた。
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キャッシュレス

2019年11月29日 | 日記
雪の来る前、リニューアル中だったファミマ、びっくり市がオープンした。妻と一緒にコンビニに行く。新しくなったファミマで造られたのは、イートインのわずかなスペース。もともとあったコピーや通販の支払いに使うファミポートなどは、奥の方へ移っていた。入店して最初に勧められたのは、ファミマTカード。入会すれば、1000ポイント、クレジット200円以上利用ごとに200ポイントを最大10回で2000ポイントがゲットできるという甘い言葉に乗せられてカード会員へ登録。開店イベントでは、500円の福袋と特別価格のシュークリームを購入、ペイペイで支払いを済ませる。

午後には3ヶ月ほどリニューアル工事をして昨日開店したびっくり市へ久しぶりの買い物。オープンから3日間は、全ての商品が特売になっていた。若鶏の胸肉は1㌔で200円。カニカマ、アサリ、タラコ、タコ刺しなどいつも買う商品が特売で、業務スーパーに比べても安い価格でゲットできた。しかもここはポイント還元の店。クレジットで買い物を済ませると、引き落としの際に5と引いてくれる。消費税の増税で鳴り物入りで始まった制度だが、コンビニ商品の2%以外では初めての利用である。このほか、スマホで検索してみると、この制度が利用できそうなのは、酒屋が1店、居酒屋が1店あるのみ。消費税での売り上げ減少の対策としては、いかにも寂しい。だが、今日から買い物はキャッシュレス、小銭はつり銭を受け取る必要もなく、スムーズに買い物ができる。高齢者にはありがたい。
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寒い朝

2019年11月29日 | 日記
今朝はこの冬一番の冷え込みであった。昨日夕方、車を走らせていると、雪が舞ったので、夜に降るかと思ったが、空は晴れている。その分、放射冷却で気温が下がったのかもしれない。まだ、平地に積雪は見られない。

朝、娘が送ってくれたアロマの香りを試して見た。今日の香りは、ラベンダー。解説には、フローラルな甘さの中にわずかに酸味をあわせ持つ軽やかで優しい香とあるが、解説から香を理解するのは難しい。それでも、部屋中が甘く爽やかな香りに包まれた。

アロマセラピーとは「アロマ=芳香」と「セラピー=療法」を組み合わせた言葉だが、これは医療ではない。芳香がもたらすリラックス効果で、興奮を沈め、睡眠障害も改善する。脳を刺激することで見当識を改善し、アルツハイマーの改善にも効果があることで知られる。こうした芳香によって、身体や生活を楽しいものしていくことをアロマセラピーと言う。近年では、この効用に注目して、これを取り入れる高齢者施設もあるという。

五月雨や大河を前に家二軒 蕪村

今回の東京への旅で、娘たちとしばらくぶりに会った。次女は、折にふれて帰郷するので、知っているが、久しぶりの長女である。家を出て40年、東京という都会で、生き抜いてきた精神の強さを改めて知らされた。蕪村の詠んだ句は、愛する娘が嫁いで婚家と馴染めず、連れ戻すときに詠んだ句だ。句は、増水した大きな川のほとりで、人の暮らしを包む家を詠んでいるのだが、そこには蕪村と娘が、不安を抱えて生きていると光景ととらえる。安東次男の解釈である。改めてこの句から、親子の生きざまを教えてもらう。私には、大都会で暮らす娘二人の家であるように感じられる。
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尾花沢

2019年11月27日 | 日記
雪の予報を前に、尾花沢は冬ごもりの準備が済んでいた。親戚の家の庭で飼っている錦鯉が、躰を寄せあうように群れながら、陽だまりを求める姿も季節を感じさせる。この季節、ヤーコンを植えてもらっているので、それを掘りに行くのが、雪の前の一仕事である。今年のヤーコンの出来は上々。色んな工夫で、冬の間はヤーコンの料理が楽しめる。種も同時にできるので、例年なら持ち帰って春まで保存し来年に備えるのだが、ヤーコン栽培も今年で終わりにする。妻の従兄も高齢で、足を傷め農作業もままならなくなっている。

例年ならヤーコンのほかに、ジャガイモや大根、里いもなど車に積み切れぬほどの野菜を貰ってくるのだが、今年は遠慮してきた。昨年貰ったものが食べきれずに無駄にしてしまったからだ。高齢になるということは、だんだんと身体が動かなくなるだけでなく、食べる量も減ってくる。借りている菜園も、あと一年ほどでできなくなるような気がする。来年を見据えると、やはり秋はさびしい季節だ。

銀杏散る遠くに風の音すれば 富安 風生
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季節の最後

2019年11月26日 | 日記
金曜日に平地での天気予報に雪マークがついた。12月に入る前に、いよいよ寒い季節がやってくる。畑に行ってコリアンダーとネギを収穫、いつ雪がきても残念にならないように心がける。写真は状況の前日に撮ったものだが、イチョウとカエデの絶妙も組み合わせは、季節の最後を語っている。今はもう葉を落とし、銀杏を落し尽くして冬の到来に備えていることであろう。その前の一瞬が、自然の美しさを演出している。明日は尾花沢、ヤーコンの収穫の予定。

銀杏もみぢして公園や夕明り 石塚 友二
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