常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

エンドウ豆

2016年04月30日 | 農作業


種まきして半年、冬を越したエンドウ豆が開花期を迎えた。エンドウ豆の花は、豆の花のなかでいちばん美しいと言われている。カメラを通してよくみると、花びらのなかに静脈のような筋があって、生命を感じさせる。ようやくつけた花は、いとおしいものだ。花が咲いて20日ほどすると、サヤエンドウの収穫が始まる。

豌豆の実のゆふぐれに主婦かゞむ 山口 誓子

アシタバの苗を買う。種で芽だしをしているが、暑い気候のアシタバはなかなか芽を出してくれない。畑の端に、アシタバの株とミツバの株を育てたい。本日の収穫。五月菜の花芽、葉。ミツバ、ウルイ、アスパラガス、ニラ。やはり新鮮な野菜は他のもので代えがたい魅力がある。
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左甚五郎

2016年04月29日 | 


左甚五郎といえば、彫り物の名手として名高い。甚五郎は寛文11年(1671)4月28日、41歳の若さで没している。日光の東照宮にある眠り猫は甚五郎の作と伝えれれているが、森銑三によるとこれも確かなことではないようだ。そもそも、生国からして諸説芬々である。播州明石、京の伏見、讃岐高松など、どこの国に生れたかを確定する記録もない。その事績についてはさらに曖昧模糊としている。

甚五郎の逸話も面白いものがある。彼は、根っからの慾のない人物で、容易に仕事をしなかった。見かねた隣人が諫めると、笑いながら

たのしみは貧しさにあり梅の花 

という句を吐いたという。しかし、彫り物名人としての名声は高く、神社や仏閣の彫り物でやや古雅なものは、甚五郎作とする風習が広まっていった。そのことが、神社仏閣の名を広め、人を呼び寄せる効果があったのであろう。
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射干の花

2016年04月28日 | 


久しぶりの雨になった。射干の花は、隠花というか、杉林の陽のとどかぬところに群生して咲く。散歩道の蔵王工業の坂道の林に、5月ころ、この花が咲くのを心待ちにしたものだ。霧雨のなかに複雑な紋を持つ花びらに心ひかれる。年とともに、この散歩道にも遠ざかってしまった。そかし、射干は近所のお宅の軒の下の日陰で、今年もその姿を見せてくれた。

くらがりにきてこまやかに射干の雨 川上樹実雄

日当たりのよい斜面には、ワラビが顔をだし、独活が新芽をもたげ、一夜こごみが。林内にはもう鶯の鳴き声も響くようになっているであろう。射干は反対側の、日を遮られた斜面に雨にぬれて咲く。

一本のスモモの木が白い花をつけて
道ばたに曲がっている ウグイスの鳴く方を
みれば深山の桜はもう散っていた
岩にしがみつく青ざめた菫 シャガの花
はむらがって霞のなかにたれていた

西脇順三郎の詩「近代の寓話」だが、射干の咲く風景がみごとに描かれている。自然の風景はそれを読み解く人間の心によって、より深い陰影が加えられる。
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藤波

2016年04月27日 | 万葉集


近所のお宅で藤の花が咲いていた。ちょっと早いのではないかと思い過去のブログを検索してみた。昨年も一昨年も5月10日前後に藤の花が登場していた。やはり今年は2週間も早く花の季節が来ている。庭に咲く花のうちにも外来種の花の多いなか、藤は日本古来の花である。古く万葉集にも、藤を詠んだ歌が見えている。長短歌を合わせて28首にのぼる。

恋しけば形見にせむとわが屋戸に植ゑし藤波いま咲きにけり (巻8・1471)

写真は白花の藤だが、詠まれているのは紫の藤であろう。波打って咲く藤の花は、いとしい恋人の長い黒髪がなびいている様子を連想させる。藤波はエロスの象徴として詠まれている。万葉の時代には、恋しいということが肉体的な官能に結び付くおおらかな時代であった。山部赤人が詠んだ歌である。


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リラの花

2016年04月26日 | 日記


リラの花は札幌では、6月に咲く。ライラック祭が催されるのも6月だ。リラがフランス語で、ライラックは英語読みである。15、6世紀に欧州に栽培が広がってが、最もこの花を愛したのは、フランス人であった。ベルサイユ宮殿の庭には、リラの生垣があるという話だ。この花の芳香にひかれて若いカップルが来て、愛を語らったらしい。そのリラの花が、この地ではもう咲き始めた。

つゝましく古りたる壺やリラ咲きぬ 水原秋桜子

花冷えという言葉があるが、これは桜の花が咲くころ寒気が入り込んで、時に雪を降らすほど冷えることがある。これを花冷えと言っているが、北海道ではこの表現は当てはまらない。むしろリラ冷えというのが、6月に来る寒気をさして北海道らしい。6月に北海道の友人と電話で話したことがあるが、「こっちは寒くてストーブを使ったよ」と聞いて驚いたものだ。
コメント (2)
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