常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

土筆

2016年04月17日 | 山菜


久しぶりに山野を逍遥。ニラ、コリアンダー、ミツバなど春の野菜を採る。丘の辺では、山ニンジン、花わさびなどを採る。土筆がたくさん出ていた。辰巳浜子の歳時記に土筆の項目が立ててある。「つくしははかまを取って酢を加えた湯で茹でます。さらして甘酢に漬けると美しいピンク色になります。平貝、小柱、みる貝、鳥貝等の辛子酢味噌の付合せ等まことに美しくて味のよいものです。鰆や甘鯛の味噌漬け等に添えればだれもが先につくしの方に箸をのばすでしょう。」このハカマを取る作業は意外に手間を要する。残しては口に残るので、一本に三つもあるハカマを一つ一つ手抜かりなく取っていかねばならない。

土を出しばかりの土筆鍋に煮る 百合山羽公
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ミズ

2015年06月12日 | 山菜


春の山菜は、山近くに住むものにとっては宝物のような存在である。だが、歳を重ねるにつれて山菜を採りに山に入る回数も減ってきた。春の味を堪能した山菜といえば、今年は花ワサビ、コシアブラ、ワラビ、シシウド、ウド、根曲がりタケなどを採ってきて、少しだけ食卓に乗せた。

先日の山の内から、柔らかいミズを採ってきた。茹で上げると写真のようなみごとなグリーンになる。切ってビニール袋に入れて、塩コンブをあえて数時間置くと、ミズにコンブの出しと塩味が絶妙にからんで、ビールの友になる。先日秋田の人が、ミズのこんな食べ方を話していたので実行してみた。あまりあっさりととした味で、山菜としてはイマイチと思っていたが、このアイデアでミズを見直した。水辺には、夏を過ぎてもミズが取れるので、長く楽しめそうだ。

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ワラビ

2014年05月03日 | 山菜


気温26℃、晴れ。近くの里山に妻とワラビを採りに行く。今年の初めての試みである。春になって一番の楽しみはワラビを採りにいくことだ。数日前の雨と、気温の上昇がワラビを萌えさせていると確信のようなものがあった。毎年行っている里山には、予想通り写真のようなワラビが頭をもたげていた。

ワラビは食べるのももちろん好きだが、汗ばむような春の日差しのなかでワラビを探して採るのは、特別な意味があるように思える。万葉集に四期志貴皇子がワラビを主題にした格調高い歌を詠んでいる。

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにきるかも 志貴皇子

岩にぶつかて水しぶきをあげる滝のほとりのさわらびが、むくむくと芽を出す春になったなあ。と作者は春になったことを感嘆している。万葉集の時代からすでにワラビは、春のシンボルとして人々の関心の的であった。春山の枯れ枝のなかから頭をもたげるのは、一本のワラビであるが、人はその生命の不思議さに感動を覚えるのだ。

今年もこうして、妻とふたり、春の山でワラビを見ることができたのは、生きていることの喜びをしっかりと心に刻む儀式のようなものである。


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ヤマニンジン

2014年04月26日 | 山菜


ヤマニンジン、別名シャク。渓流や日の当る崖地に群生する。中心に花茎が伸びてくるが、この部分の出始めが柔らかく収穫したい部分だ。一度見つけるとどこまでも群生するので、取りきれないほどである。この山菜を初めて採ったのは山登りを始めたばかりの頃であった。仲間のひとりが走って取りに行ったので聞いてみると、ヤマニンジンとのことであった。

ニンジンにそっくりな葉を持ちせり科特有のいい香りがする。連休を過ぎるとたちまち花茎が伸びて、白い花を咲かせる。ヤマニンジンの成長を見ながら、季節の進み具合を知ることができる。花が咲き始めると、ワラビやウドが姿を見せ始める。

さっと湯がいておひたしや汁の実にする。シャキシャキした歯ざわりがうれしい。ゴマやクルミの和え物もよし、天ぷらが絶品という話もある。実は私はまだ天ぷらを試したことはない。


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土筆

2014年04月09日 | 山菜


この季節になると、そこらの空き地に土筆が顔を出す。以前住んでいた家の近所の友人が、籠を手にして土筆を摘んでいた。聞けば茎の袴を取って佃煮して食べると言う。土筆を食べるというのは初めて聞くので驚いた。もう20年も前だが、嫁いだ娘の親戚の人たちが、山形へ旅をして、わが家を訪ねたことがあった。せっかくだったので、最上川の船下りに案内した。船着場の広場に一面の土筆が競うように出ていた。

親戚の人たちはビニールの袋を取り出して土筆を積み始めた。土筆の佃煮が好物だと言いながらせっせと摘む。それではと、我々も摘むのを手伝った。奈良の生駒の人たちだったが、土筆は出るとすぐに採られてしまい、こんなに群生してりるのは初めてと、興奮気味であった。その後、わが家でも佃煮を作ってみたが、袴を取るのに一苦労であった。穂のように見えるのは花で、袴は葉が変形したものであるらしい。

室生犀星の詩に「土筆」がある。

旅人なればこそ
小柴がくれに茜さす
いとしき嫁菜つくつくし
摘まんとしつつ
吐息つく
まだ春浅くして
あまた哀しきつくつくし
指はいためど一心につちを掘る


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