障子はもともと、さえぎるものの意味で
屏風や衝立と同じように視線、風、光
、寒さなどをさえぎる建具の意味であ
る。桟に和紙を張って、明り取りをさす
ようになったのは、薄くて白い丈夫な
和紙が普及した鎌倉時代以降である。
茶室の障子は、採光だけを目的とした
ものでなく、光を抑えることで調度品や
室内の生け花などに質感に趣を加える
演出効果を期待している。
水仙や白き障子のとも移り 芭蕉
南向きの日当たりのよい部屋にある水
仙では、句の趣は半減する。紙という
絶妙な材質を通して、ほどよく抑えら
れた光りが、水仙の花と障子の二つの
白さが調和する。
我が家の南側の掃き出しのサッシは
大きなガラスだが、内側に同じ大きさ
の障子が取り付けてある。この障子に
よって、ガラスを通してくる強い光や寒
気をやわらげ、観葉植物を生き生きと
見せてくれる。