常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

2024年07月21日 | 日記
蝉の初音を聞いてから10日ほどになるが、昨日、歩道とベランダに腹を見せて
起き上がれずにいるのを2匹見つけた。そっと手にとって起き上がらせてやると、生きかえったように飛び去った。これから、蝉の大合唱が始まるが、蝉が生きているのは土を出て、長くて三週間であるらしい。成虫になるまで、地中で6年もかかるのに、あまりに短い生だ。蝉が教えてくれるものは、死と無常の姿だ。山折哲雄が「無常」について語っている。

無常には三つの考え方がある。
①地上に永遠なるものはひとつもない
②形あるものは必ず壊れる
③人は生きて、やがて死ぬ
この社会は、生きることに光をあて、死をあまり意識しないようすることを優先してきた。そのやり方が不透明になってきている。「メメントモリ」の考え方を取り戻すことが、ますます重要になってきている。

ハーブをベランダで育てて、花が楽しめるようになっている。ラベンダーやミントの香りが、気持ちを平穏にしてくれる。アロマの香りに包まれて、夜の睡眠が深くなった。薬の力で眠り、血圧を下げる生活がだんだん疑問になってきている。それよりも、目覚めとともにベランダのハーブの元気を確かめ、水やりをしながら、花の香り楽しみ、ハーブティーでくつろぐ。朝日を浴びて散歩を終え、部屋の掃除をゆっくり。ラジオ体操の体幹の筋トレ。味噌少なめの味噌汁にはワカメとキノコ、チーズとカキ貝。玄米とひよこ豆入りのご飯。一の朝はこうして過ぎていく。

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美女と野獣

2024年07月18日 | 日記
梅雨の末期は大雨と猛暑になるが、こちらではオリーブの実がなり、コスモスが咲き、トンボがたくさん飛んでいる。一見、秋を思わせるような風景だ。朝の風が結構冷たい。昨日医院に薬をもらいに行った。血圧の基準が変わったことについて聞いてみる。「今までとは変わりないです。130以下でないといけない。160はこの値を超えたら即治療ということで、130以下に血圧をコントロールすることは全く変わっていない」という説明であった。だが、高齢者も若者と同じく、130以下にというのはどうも納得いかない。昔は高齢者が160という値は、高血圧にカウントされなかった。確かに、脳溢血などのリスクは増えるが、なんでも薬で下げるやり方が正しいのか。もっと運動療法やリラックスできる生活環境など、はば広く考えるべきではないか。

夜、睡眠の朗読を聞いた。話は「美女と野獣」。フランスの民話。王子がわがままで、魔女から野獣にされた話。この呪いは、美女と相思相愛にならななければ永久にとけない。一本のバラが物語のキイになっている。バラをお土産に欲しいといった美しい少女が、魔法のお城に出かけていく。美女が野獣を愛することできるか。この難問が、ハッピーエンドに至るまで、話はいろいろにふくらませられる。デズニーのアニメになって大ヒットもしている。最後は死にかけている野獣を思いやる美女の一粒の涙。その涙が、魔女の魔法をとき、王子と田舎の娘の婚姻となる。こんな話も、眠りを誘うネタになっている。
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毎日一話

2024年07月13日 | 読書
作家、眉村卓氏の妻が、突然の癌を告げられた。しかも余命は、一年と少しということであった。初めの見立ては虫垂炎ということであったが、開腹してから進行性癌が見つかった。1995年6月のことである。手術を終えた妻に、眉村はある約束をした。毎日短い話を書いて妻に読んでもらうことであった。小説家としてきちんと話を作って、妻が満足できるもの書く。400字詰めで3枚以上という条件もつけた。妻は5年以上生きた。眉村が作った話は1778話に及んだ。一日も欠かすことなく書き続けた。「しんどかったら止めたていいわよ」と妻が言ったが、眉村はこのことを辛いと思ったことはなかった。妻の意識は、次第に薄れ、自分の力で読むことができなくなっていく。枕もとで読んで聞かせ、反応を見る日が続いた。

その101話が「作りものの夏」である。初老の主人公が、友人に目が悪くなっていることを話す。友人は、「人間60代になったら、20代の半分も光を感じなくなるそうだよ」と言い、会員制の明るいドームの話をした。若いころの感じになってもらえるように、動く立体映像もとりいれてある。行ってみみて気に行ったら会員になってくれ、と勧める。

ドアの奥のトンネルを抜けたところにドームはあった。「不定形の大きなプールがあり、そこかしこにビーチパラソルやデッキチェアが置かれている。泳いだりお喋りをしている人々の中には、若い男女もいた。プールの向こうは海であった。ここは高台になっているのだ。波がきらめき、真っ白な雲が流れている。そして私を圧倒したのは、光であった。ぎらぎら輝く日光が、空間すべてに満ちているのだ。これは本当の夏だ。いや。それはかって若い頃に私が感じていた夏であった。」

眉村は、この話を同年代の妻は、わかってくれると信じて創った。だが、妻の反応はノーコメントであった。雨の降り方が、様変わりした話「降水時代」。水がどーんと落ちてくる降水、雨ではない。学校の生徒は、この降水に外に飛び出して水浴びをする。学校へは、必ず着替えを持って登校する。降水が終わって水に濡れた服を洗濯するのは妻の仕事。この話を読みながら、妻は含み笑いをしている。
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サシェを作る

2024年07月12日 | 日記
やっと梅雨らしい気候になった。朝の散歩もあまり遠くまでは行けない。家でドライハーブを細かくして、100円ショップで買った小袋に入れて、梅雨時のサシュにしてみた。玄関の壁やクローゼットに吊るし、妻のベッドの枕元にも置いた。ハーブは苗から育てて、花を見たり、香りも一緒に楽しむ。花穂や切り詰めた枝を、吊るしてドライハーブを作りながら香りも楽しむ。クローゼットや玄関など、ほのかな香りが楽しい。高齢者の楽しみには、似合っていると満足している。アロマンのプレイで汗や部屋にさわやかな香りで満たすと、心なしか不快な梅雨時にさわやかな空間が実現できる。

五月雨の晴れ間に出でて眺むれば
  青田涼しく風わたるなり 良寛

久しぶりに山田の稲を見た。田は青々として、稲穂が出るのもも少しのようだ。ベランダのカサブランカの花芽が日に日に大きくなっている。ブルーベリーの実が熟したので、鳥にとられる前に少しだけ収穫した。トマトも少しずつ熟している。野菜や稲も、時の経過とともに、何ごともなかったようにその生を完結していく。人間の生もまた同じように完結に向かって、時が刻まれる。
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ひよこ豆

2024年07月10日 | 日記
玄米を食べるようになってもう30年が経つ。これを教えてくれたのは、作家で料理研究家であった丸元淑生氏の本である。食材と調理法を、国内にとどまらず外国の家庭料理にも学んで、本当のおいしさや栄養学を書き続けておられた。この人の著書が自分の食生活に与えた影響をは大きい。玄米は、水に浸して3日ほど置き、発芽した状態で炊く。米を主食とするなら、その1/5は豆を食べるべきと力説された。白花豆やひよこ豆を知ったのも氏の本によっている。まだ、ズッキーニなどほとんど知られていない頃、デパートの食品売り場で一本200円もする高価なズッキーニを求め、氏のレシピに従ってラタトゥイユを作り、自分の得意料理にしたこともあった。畑を借りて野菜作りをした時代は、ズッキーニの種を撒いて10株ほども育て大量に収穫したもの今ではいい思い出になっている。あれほど食事と病気を説いた丸元氏であったが、10年以上前癌で亡くなられたことは残念なことだ。

豆はなかなか入手がし辛く、枝豆を育てるぐらいであったが、最近業務スーパーで冷凍のひよこ豆の冷凍になったものが安価で入手できる。これを玄米ご飯に入れて炊けば美味しい豆ごはんができる。豆のもやしにはならないが、ひよこ豆の味は堪能できる。ネットでま缶詰の豆も入手できる。最近の温暖化で魚の水揚げもままならないが、たくさん獲れた時期に缶詰にしたものが安価で安定的に入手できる。これからは旬なものは自家栽培か、里山での山菜。漁港まで行って大漁のものを安価で求める。正規の販売ルートに乗っているものだけを求めていては、毎日の食事にことかく事態が迫っている気がする。

氏の本を開くと、ひよこ豆のカレーのレシピが出てくる。材料はひよこ豆1カップ、トマト1個。玉ねぎ1個、ニンニク1片。オリーブオイルで薄切りにした玉ねぎを炒めしんなりしたらトマトを加えてつぶしなが煮込む。さらに芽出ししたひよこ豆を加え、豆が煮えるまで弱火で加熱。塩と唐辛子粉、カレー粉、ターメリック、生姜をスリおろして味を調える。丸元氏は、このレシピは芽出ししたひよこ豆のおいしさが決めてと書いている。そのうち、ネットでひよこ豆1頃、1000円前後で調達して、このカレーに挑戦してみる。

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