常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

赤とんぼ

2018年11月08日 | 川柳

昨日、川辺を歩いていたら、紅葉した木に数

え切れぬほどの小鳥が群がり鳴き騒いでいた。

スズメ、ヒヨドリ、モズなどなど。そして川

の淀みにはカルガモの群れ。最近、鳥の姿、

なかでもスズメを余り目にしなくなったので、

この光景は不思議な気がした。冬に備えて鳥

たちも食欲が旺盛なのだろうか。陽だまりの

木陰には無数の羽虫が飛び交っている。この

虫を目指して鳥が集まるのだろうか。ベラン

ダの干し柿に、ヒヨドリが飛んできた。リン

ゴなどを置いて、食べる姿を見るのが楽しみ

だが、干し柿にはネットをかけて食べるのを

防ぐ。トンボが陽だまりにじっととまってい

る。小春の秋の風景はどこか懐かしい。江戸

の川柳に

赤とんぼ空を流るる龍田川

というのがある。龍田川は紅葉の名所で百人

一首でも詠まれている。赤とんぼが澄んだ秋

空を流れるように飛ぶ様子を表現したものだ。

トンボを川の流れるに見たてるところが川柳

の手法だ。

子が出来て川の字形に寝る夫婦

この句も、江戸の庶民の姿を映してほほえま

しい。柳多留には江戸の時代にタイムスリッ

プしなければ、理解できない句も多いが、庶

民の生活を垣間見られるのは楽しい。

 

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川柳の可笑しさ

2015年10月03日 | 川柳


川柳の面白みは、軽妙洒脱な可笑しみにある。江戸の粋が、行間から伝わってくる。

清盛の医者は裸で脈をとり 柳多留269

清盛は熱病を発して死んでいった。水風呂に入ると、水はたちまち沸騰し、筧の水をかけるとしぶきが火となって燃え上がる始末で、熱くて側によれるものではない。見たような嘘をならべて知った風で鼻をおごめかすような作り話の可笑しみである。

居酒屋で念頃ぶりは立つてのみ 柳多留701

床几が客でにぎわってきた。常連の飲み方は、気を利かして立って飲む。居酒屋の主人と世間話をしながらちょっと一杯。江戸の居酒屋の風景を活写している。掛け合いは「頼もしいこと頼もしいこと」。

傾城はとつぱづしても恩にかけ 柳多留699

とつぱずしとは屁をひること。こんな不躾も、心おきなない仲だからこそさ、とぬけぬけと客をこけにする。掛け合いは「いやらしい事いやらしいこと」。

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