常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夏野菜

2020年09月04日 | 農作業
季節の移ろいとともに、夏野菜も終わりを迎えようとしている。暑い夏であったが、朝どりの野菜のおかげで、この夏を乗り越えられたと言っていい。後は秋に採れるナスとオクラが残るのみだ。今年で野菜を作るのも卒業と決めているから、野菜への感謝の念があらためて強くなる。娘に送る回数も、今年から少なくなってしまった。ではこのブログのタイトルも、「晴耕雨読」ではいけないことになる。ブログを書くのは習慣になってしまったから、新しい年からは名称を変えて継続したい。ブログの卒業については、もう少し身体の老化と相談しながら決めていきたい。

秋の田園詩人の百舌鳥が高い栗の梢から声高々と鳴きちぎる。栗が笑む。豆の葉が黄ばむ。(徳富蘆花『みみずのたはこと』)

徳富蘆花が世田谷の粕谷に転居し、半農生活に入ったのは明治40年、蘆花38歳の時であった。ロシア文学のトルストイにあこがれ、その生活を体験した。文壇を離れ、死去する58歳までの20年間をこの地で送った。その時の様子は『みみずのたはこと』に書かれている。

申し込んでいたマイナバーカードが今日、市役所で交付される。カードは自宅へ郵送されるとばかり思っていたが、印鑑や返却するする通知カードや住基カードを持参のうえ、受け取り時間を予約しての市役所行きとなる。5千円相当のポイント付与とのことだが、手続きが高齢者にはあまりに面倒な気がする。
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田の緑

2020年06月17日 | 農作業
日が経つのが早いのは、少し前に植えた稲が、生長して目の醒めるような緑になった事でも分かる。気のせいか、田の緑がいつもより、濃くやや黒みを帯びて見える。茎が盛んに出て、分けつの準備に入っている。近郊の田は、年毎に減って、新しい住宅地になっていく。一方で、住む人のいなくなった空き家がめっぽう増えているやしい。無人のになった空き家の解体や新しい利用方法など、新しい試みに期待したい。

イネは日本古来から自生したものではなく、大陸から渡来したものであることは知られていることだ。東シナ海を渡って、稲作技術を持った半農半漁の海人が日本へ稲作や漁業の技術をもたらしたと考えられる。狩猟を主体として生活を営んでいた縄文人が稲作や漁業の魅力に取りつかれて、急速に弥生文化へと移り変わる契機であった。

万葉集に坂上大嬢が、大伴家持に稲の穂で作ったかづらを贈った歌がある。

我が蒔ける早稲田の穂立作りたるかづらぞ見つつ偲ばせ我が背 
家持の返しは
我妹子が業と作れる秋の田の早稲穂のかづら見れども飽かぬかも

歌の意は、私が蒔いた早稲田の穂立、立ち揃った稲穂でこしらえたかづらです。御覧になりながら私を偲んでくださいね、あなた。返しは、あなたが仕事として取り入れた秋の田、その田の早稲穂でこしらえたかづらは、いくら見ても飽きることがありません。と、稲穂で作った髪飾りを歌とともに、贈答している。その時、大嬢が贈ったのはかづらできではなかった。肌身に着けていた肌着を送って、秋の寒さにこれで暖めて、と贈っている。男女の情愛を深く感じさせる贈りものである。

今日、茎が出始めた、田の稲は、間もなく分けつして出穂の時期を迎える。植物の成長と開花、そして結実への道筋は、万葉の時代からかわることなく、夏の太陽の光りをさんさんと浴びながら、一刻も休むことなくうち続く。ネットで注文していたバジル苗が届いた。こんな苗も損傷もなく届くに驚いた。早速、畑に定植をする。

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待っていた雨

2020年06月15日 | 農作業
今年の梅雨入りはいつもの年と違う気がする。宣言から1週間、昨日になってようやく雨になった。前線の北上が、ゆっくりしている。平年であれば、東海や関東が梅雨入りしても、東北の梅雨はそれからかなり日を置いてからだ。今年は、関東と東北南部が同時に梅雨入りとなった。確かに関東では、所によって大雨が降って梅雨らしい雰囲気はあったが、乾燥しきった畑が雨を待ってもなかなかお湿りが来ない。そういえば、咲く花の時期も早まっている。このブログで花を主題にしている方が多いが、関西や関東とは花の咲く時期にタイムラグがあるが、今年はそれがないのだ。関西で咲いた花の写真を拝見していると、それから数日してこちらで開花をしている。何かで見たような気がするが、一週間ほど開花時期が早まっているらしい。

雨上がりの陽ざしのなかで、除草作業をした。畑は梅雨をたっぷりと吸って、いいお湿りになっている。野菜の苗も順調に成長をはじめたが、雑草も負けずに伸びている。放置すると、野菜は雑草の勢いに敗けて、成長が止まってしまう。この時期こそ、しっかりとした除草が必要だ。キュウリの枝分かれが始まって、根本の方に実をつけ始めた。先端の実は、大きくせずに収穫する。未熟で小さいが、味噌をつけて食べるとびっくりするほどおいしい。シュンギクも疎抜きをして、小さいものを食べる。野菜作りをしていなければ味わえない味だ。

ビヨウヤナギとキンシバイ、夏に咲く黄色の花だが、どこが違うか聞かれることがある。一つは葉の形、ビヨウヤナギは柳の葉に似て長い。もうひとつは、雌蕊の長さ。写真で見るように、奥の方にひっそりと隠れているキンシバイに比べると一目で違いが分かる。この花が咲くと、いよいよ本格的な夏である。

山々に闇充満し夏に入る 飯田龍太
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えごの花

2020年06月04日 | 農作業
卯の花もそうだが、このえごの花の小さく、枝いっぱいに咲く白い花は初夏にふさわしい。清々しい感じがする。そのせいであろう、俳句の歳時記に夏の季語としてえごの花が収められている。エゴノキは果皮が喉を刺激してえごい。そのためにえごなどと名付けれたが、花にサポニンを含んでいるので、水に浸してシャボン玉がつくられたりもした。別名ちさとも言われる。

えごの花真盛りなるみどりかげ 高浜年尾

6月に入って、九州の方で梅雨入りが伝えられているが、こちらは連日の晴天。畑の野菜たちに水やりが忙しい。蒔いた種はほぼ芽出しを終えたが、一部芽が出ないものもある。バジルの芽がでない。もうしばらく様子を見て、室内で芽出しをするべきか検討したい。

今年はキヌサヤエンドウが思いのほか収穫できた。収穫してすぐに水洗いして一分間レンジにかける。マヨネーズにからめるだけで、甘いエンドウの香りが口いっぱいに広がる。ナス、トマト、ピーマンが相次いで花を咲かせている。こちらもあと2週間ほどで収穫が始まる。
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初モノ

2020年05月21日 | 農作業
昨日、小雨のなかで、野菜の種まきをした。バジル、シュンギク、ナツナ、モロヘイヤ等。この夏たっぷりと野菜を食べ、子どもたちに新鮮な野菜を食べさせるためだ。既に定植したトマトやナスの苗は雨のために、活着した様子である。キヌサヤの豌豆の実が大きくなってきたので、初ものとして一つかみ採ってきた。初夏の味を味噌汁にして楽しむ。香りも味も思った通りで感動ものだが、味噌汁のなかで緑がきれいで食欲を増す。

畑の脇道でアヤメが咲いていた。ところで、ショウブという近似の花がある。見極めは花の中心付近にある網目模様だが、写真の花にはそれらしいものが見える。その上、ショウブは水草であると牧野博士も指摘している。だが、遠目には見わけをつけがたいので、時代によってハナアヤメ、ハナショウブと呼び方も変遷を遂げてきたらしい。

長井市のアヤメ園が有名である。ここにある品種は長井古種と呼ばれるもので、ハナショウブの日本の伝統種である。ここでもアヤメとショウブの混同した呼称が見られ、素人にはアヤメとショウブの見分けはますます難しい。

ほととぎす鳴くやさつきのあやめぐさ
 あやめも知らぬ恋もするかな 古今集

古今集「恋歌」部の冒頭の一首。5月5日、菖蒲の花茎に歌をつけて送る風習があった。文目はあやめにかけた言葉、筋目。夢中でする恋を詠んでいる。野原の脇にこんな風に生える花に、恋の歌を送る風習は、日本の古代という時代を考えると、ますます感慨深いものがある。
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