常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

返り花

2019年10月31日 | 日記
紅葉した葉に、花をつける。本来春に咲く花だが、この時期に咲くのを、狂い咲きまたは返り咲きという。春のように万朶の花というわけにはいかないが、ぽつり、ぽちりと咲いても、行く人の目にとまる。俳句の季語にもなっているぐらいだから、小春日和に気候にだまされて咲くのは、この時期によく見られる。周りの草木は、すでに葉を落としているのが多いなかで咲くツツジは、秋のはかなさを感じさせる。

花圃みだれ返り咲くもの紛れけり 谷 迪子

今日は雲ひとつない日本晴れ。秋の吟魂碑清掃に行く。いつもは、広場にいっぱいになるぐらい人が集まるが、山奥にある碑まで来る人は少なくなっている。伸びた草を刈りとって集めて捨て、碑のまわりの枯れ葉を熊手で集めてきれいにする。それにつけても、大高根山の山道の枯れ葉を清掃する苦労が偲ばれる。20人ほどもかかって、きれいにした場所はほんの少し。一人で毎日清掃する、山の会の人たちの努力がいかに大変なものか、身を持って知らされる。

朝のニュースに沖縄首里城の火災があった。10年ほど前に、詩吟のコンクールでここを訪れただけに、その焼失は悔やまれる。


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快眠セラピー

2019年10月30日 | 日記
秋が深まると、眠りも長くなる。日が短くなるだけ、その分眠りにまわす時間が増えるということか。随分以前に買ったものだが、高田明和『快眠セラピー』という本が、棚の奥の方で見つかった。妻が不眠を訴えていてので、参考になればと、買ったものだ。妻はいまだ、寝つきには不安を抱えている。足吊りで、その痛みで目を覚ますらしい。いま一度読み返してみると、この本に睡眠の大事な点が二つ書いてある。

一つは記憶との関係だ。徹夜で勉強した受験勉強などは、ほぼ忘れて記憶に残らない。ぐっすりと眠ることによって記憶が固定される。ピアノやスポーツなどは、これもぐっすりと寝ることによって、上達していく。こちらは体得記憶と呼ばれるもので、楽譜などを思い出すのに使う前葉頭と小脳の働きも必要としている。

もう一つは、人を初め、全ての生きもの、つまり生体には、一日の生体リズムいうものがあり、睡眠はそのリズムの一つである。そのリズムは光によって作られていることだ。過去は、朝、日が昇ってくると起き、夜暗くなると寝るのが、人の生活であったが、現代の生活ではこのリズムに逆らうようなことが起きている。

寝付くための快眠15の方法が書いてある
1ベッドは眠るだけに使う 寝ながらテレビを見たり、スマホを見たりしない
2単純なことを思う 失敗をくよくよ考えない。ひと、つ。ふた、つと呼吸に合せて数数えるなど
3気分を明るくする言葉を繰り返す 「すべてがよくなる」など
4無理に眠ろうとしない
5明かりを消して音のしない時計を置く
6寝る前に激しい運動をしない
7寝る前のコーヒー、お茶、たばこはやめる
8規則正しい睡眠の習慣を身につける
9寝る前に消化の悪いものを食べない
10日中は短い昼寝以外はとらない
11寝る前に必要以上の水分をとらない
12ベッドの良し悪しに注意する
13体温調節をしっかりする
14精神の安定に役立つ本を読んだり宗教家の話を聞く
15睡眠の日記をつける

スマートウォッチの睡眠管理の機能も注目される。これをつけながら、寝ることによって、睡眠時間、深い睡眠、浅い睡眠、のほか目ざめた回数がグラフ表示され、星の数で睡眠の良しあしが表示される。高齢者にとって、睡眠は非常に大事な生活の部分になっている。

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夕暮れ

2019年10月29日 | 介護
子どものころ、夕暮れは貴重な時間だった。夏の間、農家では日が暮れるまで働く。兄や姉が、小さい子と遊ぶのは、日が落ちて辺りが見えなくまでの、短い時間だった。カラスが塒に帰り、日が陰るまで、シーソーに乗ったり、相撲に興じた。つい遊び過ぎて、暗くなると、家の中から「ご飯ができているのに、いつまで遊んでるの」と叱られた。昨日、晴れた日の夕暮れ、山の端がピンク色に染まった。こんな気持ちのいい夕暮れは、今年あと何回見られるだろうか。

夕暮れの時はよい時。
かぎりなくやさしいひと時。

それは季節にかかはらぬ、
冬ならば暖炉のかたはら、
夏ならば大樹の木かげ、
それは神秘に満ち、
それはいつも人の心を誘ふ。 (堀口大學)

今日は冷たい曇り空。明日の晴天を祈りながら、温泉で身体を温める。霜降が過ぎ、日一日と冬の季節がやってくる。

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大高根山

2019年10月28日 | 登山
大石田町と村山市にまたがる山、大高根山は標高543m。昨日の亀割山に続いて、山形百名山57座目の山だ。昨日の酒も抜けきらない内に、朝の温泉を浴び、外の様子を見た。8時過ぎに、雨雲が去って、陽がさしてきた。僥倖は、2日続いて起こっている。朝、宿付近の林道で熊を見かけたという、Aさんからのライン。宿の人に告げると、「このあたりは山なので、熊はいますよ」と、驚いた風もない。会で準備した熊撃退スプレーを、若い会員に持参してもらって大高根に向かう。大石田から次年子へ向かう道は、「そば街道」と称されている。地元産のそば粉で打つ、手打ちそが食べられる。


10時30分、登山口着。目の前に広がる紅葉のパノラマ。昨日の亀割よりも、こちらの方が高度は低いが、周りの森は紅葉が進んでいる。雨上がりの紅葉は、ひときわ美しい。この登山口まで、林道には道を間違うことのないような標識がたっている。標識を立て、登山口の整備をしてきたのは、町民の有志で行っている「大高根山の会」だ。10年頃前から、荒れた登山道を整備し、ロープを張り、石を除き、急な坂に段差を作って歩き安く地道な努力が続けられてきた。


30分ほど山道を登って行くと、奥の方から山道の掃除の音が聞こえてくる。一人の男性が熊手を持って、今朝落ちて来た落ち葉を払っていた。この道には、ベンチが13あるそうだが、いつもはこれも拭いて、座っても濡れないようにしているが、今日はまだしていないので、気をつけてと言葉をかけてくれた。満面の笑みの、すばらしい人であった。腰には熊撃退スプレーをつけている。「妻が持っていけと言ってきかないのでね。自分は要らないんだけど」と話してくれた。

この山にも、2度ほど登ったことがある。いずれも冬山で、長い林道を歩いて登った。
夏の道がこれほどアップダウンに富んでいるとは、気づきようもなかった。中腹に八森山があるが、ここも急な坂の上にある。ここから、大石田、尾花沢の集落が見えていて素晴らしい展望である。ここからピークを三つ過ぎ大高根山の山頂に着く。所要時間は1時間30分、間近に迫る紅葉をたっぷりと堪能した。それにしても、カメラの画像と、肉眼でみた紅葉とでは、これほども差があるのか。やはり、自分の脚でそのただ中に立つことの素晴らしさを改め気づいた。
紅葉と杉のコントラストも捨てがたい。この地区の先人たちが営々と築いてきた杉林はみごとな佇まいを見せている。かってここには、米軍の砲座が作られ、砲撃演習が行われた。この演習は1946年から10年間行われ、不発弾の爆発で、地域住民4名が死亡するという悲しい歴史もある。
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紅葉最盛期

2019年10月27日 | 登山
26日、亀割山。27日、大高根山と紅葉を訪ねて、最上の山に行って来た。あまりに素晴らしい景観を目にすると、しばしばカメラのシャッターを押すのを忘れてしまう。家に帰って、スマホとデジカメの画像を点検すると、最盛期の紅葉を撮ったものがかなり少ない。あのシーン、このシーン。脳裏にはっきりとそれらのシーンは焼き付いているのだが、カメラの画像には残っていない。
今週は期せずして、山形百名山の2座を登ることになった。明け方まで、台風21号の影響で雨が残り、担当のOさんは雨具持参を指示しての決断となった。だが、瀬見の登山口に着くころには、陽がさし登山日和となった。19号の大雨で、多くの被害の出ているなかでの山行は、やや申し訳がないような気がする。
亀割山、標高594m。新庄市と最上町にまたがる山である。義経と弁慶が、平泉へ落ちていく際に、この峠を通った伝説があり、義経の子生まれたとか、弁慶の投げ松などの伝説、遺跡が残されている。この山には2度ほど登っているが、紅葉の時期は初めてである。登り始めてすぐにジグザグの急登になるが、木洩れ日に向うに、黄葉がすで見えている。10月は3週続けての台風の襲来で、半月ぶりの山行である。久しぶりに顔を合わせる仲間たちの声も明るい。

今週の山行で10月の計画も終わり、紅葉は最後のチャンスである。ヤナ茶屋の渓流のあたりから、周囲はきれいに紅葉しているので、期待が持てる。この山に2回ほど登ったのだが、もう10年も前のことで、その時の記憶はすっかりなくなっている。急なジグザク道も当然忘れているのだが、陸羽東線の向こうに小国川が増水しているのが見えている。
登り始めて1時間半、登山道の向こうに亀割山の頂上らしき景観が見えてきた。すっかり錦繡におおわれた見事な秋景色だ。昨日まで、もう今シーズンの紅葉は見られないのではと危惧していたが、山の神は今日になって、我々の目を楽しませてくれた。里に降りていた神は、稲の収穫を見届けると、山へと帰っていく。その帰るついでに、台風の雲を払うという粋な計らいしてくれのであろう。
山中で6人ほどのグループに出会った。外人を交えた男性だけの、比較的若いグループである。「どこから来ましたか?」と訊ねると、「酒田です」と答え、高齢の我々のグルーを抜いて、元気な足どりで登っていった。礼儀正しい、山を愛する人たちのようで好感が持てた。
頂上には11時に着いた。約2時間の登りであったが、山中は杢蔵山がまじかに迫り、八森山、禿岳など最上の山に囲まれて、深い山のなかにいる雰囲気である。

秋山に秋山の影倒れ凭る 山口 誓子

本日の参加者8名、内女性2名。例年この時期に、「りんどう」いう宿に一泊。バーベキューとなめこ汁で酒を酌み交わす。男性の新しい会員を2名を含めて酒好きが集まった。前会長は、山にはなかなか登れなくなっているが、酒の会には、何をおいても駆けつけてくれる。久しぶりに、山形の地酒を堪能、酒に詳しい人もいて、酒談義に花が咲いた。誰かが言った。「山の好きな人は酒も好きだ」と、こんな話は初めて聞くような気がする。

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