常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

明神ヶ岳(会津)

2012年06月30日 | 登山


晴れ、気温29℃。真夏のような暑さが続く。
3週間ぶりとなる山行、会津の明神ヶ岳に登る。自宅発、午前6時。すでに、気温は汗ばむぐらいに上がっている。本日の同行者、リーダーを含め6名。前々回は雨、前週は塩原温泉行きで、半月ぶりの山行きで心が弾む。

明神とは名神からの転で、年代も古く由緒も正しく、崇敬の顕著な神々を選らんだものである。そんな尊い神のいる山が明神ヶ岳である。その尊い神とは伊邪那岐神(イザナギ)と伊邪那美神(イザナミ)の夫婦神に加えて、蝦夷平定に派遣された四道将軍大毘古命と建沼河別命の親子を祀った神社がこの明神ヶ岳にある。

登山口は明神ヶ岳登山口の表示がなく、会津33観音27番札所大岩観音入り口となっている。そのため、登り始めにほかに入り口はないか確認してからの入山になったが、札所への道をとったため、その先に道はなく最初の分岐に引き返して登り始める。できれば、はっきりとした案内標識が欲しいところだ。

登山道は、かつて会津高田から狭間峠を越えて柳津に向かう峠道であったため、一部流水のため荒れた部分があるものの、幅も広く、木の下は日もさえぎられて冷風が吹き、快適な登りである。沢筋の藪のなかに、ワラビが柔らかく伸び、太いシオデが顔をだして、山菜好きを喜ばせた。



登り始めて1時間と少しで伊佐須美神社奥の院に着く。社殿があったところに鳥居と石碑があるのみで社殿はない。イザナギとイザナミ夫婦神の国生み伝説は有名だが、四道将軍大毘古命と建沼河別命の親子が蝦夷征伐に北陸道と東海道に派遣され、戦いを終えて出合った場所が会津と名づけらたという。

奥の院から頂上への道は標高差にして200mの急登であるが、一行は元気に20分ほどで頂上に着く。頂上はブナの林に遮られて、見晴らしはきかないが、木の間から、博士山や磐梯山が垣間見られる。



下山して伊佐須美神社の本殿に参拝する。外苑では10万株のアヤメが咲き誇り、池の太った鯉が、悠々と泳いでいた。本殿は3年前に火災のため消失して、仮の本殿になっていた。寄付を募り、一年後には再建する計画だという。火災の原因は、何者かによる放火だという。まさに神を恐れぬ所業ではある。

午後5時帰宅。



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収穫の喜び

2012年06月29日 | 農作業


日が経つのが早い。とにかく早い。気温が急に上がって、身体の順応が追いつかないのか、身体がだるい。今日も最高気温は30℃にとどきそうな様子だ。
この間開いたばかりの紫陽花の花は、もうあざやかな色をつけて雨を待っている。

農作業は早朝に済ませる。雨の降らない畑は、すっかりからからに乾燥している。私がやっているような小さな農園は、如雨露で水をやるが一番のように思う。水をもらって野菜たちは、みなうれしそうな表情を見せる。なかでもズッキーニが一番元気だ。朝開く黄色い花は目を見張るような鮮やかさで、雄花もしっかりと開き、蜂が花のなかに身を埋めて蜜を吸っている。受精も成功したようで、きょうは見事に太った実を二本収穫することができた。



ニンニクを収穫した。昨秋種を植えてから9ヶ月だが、初めて栽培にしては予想を超えた立派な出来栄えで感激である。これから切り残した軸を紐で結び、ベランダの日陰で干して来年の収穫までの食用に供する。



タマネギも同時に収穫した。紫タマネギの色の神秘に驚いてしまう。どうして自然は、こんな色を作り出すことができるのだろうか。この深い紫は、人工の染料では実現できないような美しさである。
タマネギの収穫は葉が倒れ、緑が枯れたらよい、とされるので収穫したが、葉の色がこの程度あれば、もう少し畑に置くとタマネギの玉はさらに大きくなると、教えてくれる人がいた。今年はもうしかたがないので、来年の参考にするよりない。
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海坂(うなさか)藩

2012年06月27日 | 読書
海坂藩は藤沢周平が書く時代小説の舞台になる架空の藩である。
架空とはいっても、その母体は藤沢周平の郷土・鶴岡の庄内藩であることは疑いない。藤沢文学の愛読者でもあった井上ひさしは、その小説を読みながら海坂藩の城下の地図を手書きで書いた。



小説『蝉しぐれ』の書き出しはこうだ。

「海坂藩の普請組の組屋敷には、ほかの組屋敷やあしがる屋敷には見られない特色がひとつあった。組屋敷の裏を小川が流れていて、組のこの幅6尺にも足りない流れを至極重宝して使っていることである。
 城下からさほど遠くない南西の方角に、起伏する丘がある。小川はその深い懐から流れ下る幾本かの水系のひとつで、流れは広い田圃を横切って組屋敷のある城下北西の隅にぶつかったあとは、すぐにまた町からはなれて蛇行しながら北東に向かう。
 末は五間川の下流に吸収されるこの流れで、組屋敷の者は物を洗い、また汲み上げた水を菜園にそそぎ、掃除に使っている。」

縮寸の関係で少し見づらい地図だが、左下隅に組屋敷が示されており、普請組の組屋敷は拡大されて住人の名が入れられ丸印で囲んで示されている。小川は北へ流れ下る途中で分水されてお城の堀へ水を供給していることが分かる。

『蝉しぐれ』の主人公、文四郎とふく。組屋敷の隣同士の幼馴染みだ。
小説はふくが小川の洗い場で蛇に噛まれ、その蛇の毒を文四郎が口で吸い取って、大事にならないように助けるところから始まる。そのとき、ふくは13歳、ようやく女であることを考え始める年頃である。ちなみに文四郎は15歳、午前中は私塾で学び、午後は剣道の道場で剣術を習う青年である。

小説は海坂藩に起きる事件を語っていくが、そちらは読んでもらうことにして、ふくは助けてもらった文四郎に淡い恋心を抱きながら、運命に導かれるままにその恋心を成就させぬままに生きていく。この二人の果たせなかった幼い恋が小説の横糸に織り込まれている。

藩の内紛が収まってから30年。文四郎は郡奉行になって、その地方の政を取りしきっていた。ふくは藩主の側室であったが、藩主に先立たれ、生んだ子は旗本の養子にとられ、孤独な身の上になっていた。ふくは白蓮院に出家することを決意し、その前に文四郎に会うため、海岸の温泉宿に泊まって手紙を出す。

小説の最終章は二人の再会が描かれる。

「文四郎さん」
不意にお福さまは言った。
「せっかくお会い出来たのですから、むかしの話をしましょうか」
「けっこうですな」
「よく文四郎さんにくっついて、熊野神社の夜祭りに連れて行ってもらったことを思い出します。さぞ迷惑だったでしょうね」
「いやべつに」


お福さまは右手の中指を示しながら、助左衛門ににじり寄った。かぐわしい肌の香が、文四郎の鼻にふれた。
「蛇に噛まれた指です」
「さよう。それがしが血を吸ってさし上げた」
お福さまはうつむくと、盃の酒を吸った。そして身体をすべらせると、助左衛門の腕に身を投げかけた。二人は抱き合った。助左衛門が唇をもとめると、お福さまはそれにもはげしく応えてきた。

お福さまは駕籠に乗って、城へと帰っていく。
見送る文四郎の身が、いままで気づかなかった蝉しぐれに包みこまれる。小説の題になっている「蝉しぐれ」は、最終章のたった一行に書かれるのみだ。

「黒松林の蝉しぐれが、耳を聾するばかりに助左衛門をつつんできた」
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ズッキーニのパスタ

2012年06月26日 | グルメ


二日間だけの留守だが、畑の様子が変わっている。
タマネギの葉は倒れ、ニンニクは花芽が硬くなり、収穫を待っている。ズッキーニは雌花ばかりが先行して咲いているため、授精せず実は成長できないでいる。ササゲ豆やスナックエンドウが実をつけはじめた。ナスが小ぶりながら6個収穫、キュウリも二本取れる。

きょうの昼は初めて収穫したズッキーニとナスを使ってパスタを作った。
ニンニクは花茎の皮を剥いて小さく刻んでオリーブオイルで炒める。新タマネギを櫛形に切って炒め、ナス、ズッキーニを塩コショウで下味をつけながら炒める。ナスに油が廻り、ズッキーニに歯ごたえが残る程度で、トマトの水煮缶を加えて煮込む。

忘れられないのが、乾燥バジルによる香りづけである。塩コショウで味を調えて、ズッキーニのパスタソースの出来上がり。パスタは10分間茹でて、アルデンテの状態で皿に盛り、ソースをかける。畑で採れた初物が、こうして食卓にのぼると、そのことに感激してパスタの味が美味しくなる。

丸元淑生は「クック・ブック」の中で、「ズッキーニはトマトの倍量を使うのが適当」と書いている。ただ、パスタのソースではトマトの量を増やしてよいとある。
取れたてのズッキーニは歯ごたえもよく、最高に美味しい。西那須野で食べたパスタのズッキーニより美味しく感じた。

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塩原温泉2

2012年06月24日 | 旅行


早朝、朝日をあびて箒川沿いを散策。吊橋を渡って、対岸の森の小道を歩く。涼しい風がここちいい。



吊橋から下流の温泉街を望む。高層の旅館が見えている。帰り道で救急車が、温泉街を走り去って行った。朝風呂で入浴客の話を聞くと、このホテルの泊り客がこの風呂で倒れたという。高齢者であったが、お互い気を着けなければと話し合う。
昨日入らなかった露天風呂にも入ってみる。朝の冷たい空気が、肌に心地よい。

朝食はバイキング。和食中心に摂る。野菜サラダ、グレープフルーツジュースでリフレッシュ。お土産を買い込んで10時にチェックアウト。楽しい再開もあっという間に終わる。



帰り道、千本松牧場を散策。どうぶつふれあい広場。牛の放牧場へ歩く。放牧場は余りに遠いので、見学を断念。足湯を楽しむ。

高速西那須野塩原インター近くのイタリアンレストランで昼食。ズッキーニパスタ。ここで一家と別れ家路に向かう。

5時20分、山形インター着。ばばの家へ向かう。
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