常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

二月尽

2014年02月28日 | 日記


2月はいろいろなことが起こった。特に8日からと、15日から2週続けて降った大雪だ。15日からの雪は、暖かくなった今日でも道路の脇に残っている。この冬は雪がないと思っていただけに、突然の大雪に悩まされた。車の出入りを確保するために除雪をした腕は今なお痛い。

先週の末頃から風邪が流行ってきた。義母も昨日から熱が出て、医者の風邪薬の世話になっている。

よべの雨に家々ぬれて二月尽 内田 百

二月尽とは、いよいよ二月が終わることであるが、この声を聞くとほっとするのは私だけではあるまい。あの寒かった厳冬が過ぎ、梅の開花がすぐそこという開放感がある。


日記・雑談 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白魚

2014年02月28日 | グルメ


白魚をはじめて食べたのは、勤めはじめたばかりの青年のころである。秋田の八郎潟近くの温泉宿で白魚の踊り食いなるものを供された。はじめて見る白魚は器の水のなかで生きて跳ねていた。酢醤油にくぐらせて、生きたまま飲み込むのだが、味わうのにはほど遠い食べ方であった。卵とじなどもあったが、白魚の小さな黒い目をみるとあまり食べる気はしなかった。

あけぼのや白魚白きこと一寸 芭蕉

白魚の透きとおるような白さを詠んだ句だ。繊細ですっきりと優雅な姿は「白魚のような指」と女性の指をほめる言葉にもなった。白魚は食味より、見た目の美しさで古来日本人に愛されてきたように思う。

同じ秋田の温泉宿で食べたのは「かやき」である。かやきは貝焼きの訛りで、大きな帆立貝の貝殻を鍋がわりにして魚介や野菜、肉をすき焼きのようにして食べる。青森では肉を焼くのに使ったが、秋田の温泉宿では「しょっつるかやき」と言って、魚介と野菜を焼き、味付けにしょっつるを用いる。しょっつるはハタハタやマイワシを生のままかめに入れ塩漬し,長期間貯蔵して浸出液をこしとったものだ。魚醤と呼ばれるもので、古くから伝わるこの地方の特産品だ。その味は、豊かでたいへん美味しいものであった。


日記・雑談 ブログランキングへ





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イノシシ

2014年02月27日 | 日記


去る1月、山形市近郊の里山に登ったときのことである。雪が大きく踏まれ、動物が騒いだような跡があった。カモシカの足跡はよく見かけるので、こんな痕跡は残さないだろう。熊はもう冬眠した筈だ。では、この跡は何だろう?イノシシじゃないか、とある人が言った。まさか、イノシシの生息北限は福島。ここにいる筈がない。ただイノシシには身体を洗うのに泥浴という習性がある。ノタウチ回るという言葉は、この泥浴を表現したものだ。雪の踏み跡がこの泥浴の跡にも見えるから、イノシシの跡と言ったかもしれない。イノシシの姿をみたわけではないので何とも言いがたい。

近年、イノシシの生息北限が、温暖化とともに北上している。宮城県北部の泉ヶ岳でも確認されているし、昨日の報道で米沢市の市街地で負傷したイノシシが捕獲された。こうして見ると、山形市の里山にイノシシがいたとしてもあながち不思議ではない。イノシシは山中にいて、地下茎などの植物を食べているが、熊と同じように近年は畑作物の味を覚え、山に近い農村部に被害が出ている。本来はおとなしい性格だが、状況で人を襲うこともしばしばである。いったん狙いを定めると直進してくるので非常に恐怖感もある。猪突猛進とはこのイノシシのこの行動から出た言葉だ。

イノシシは古くから食用にされてきた。これを家畜化したものが豚である。一度に4、5頭の子を出産するが、縞瓜に似たシマ模様の体毛が縦に生えているのでウリ坊などの愛称で呼ばれている。子どものうちに保育すると人になつきやすく家畜化することも容易である。広重の浮世絵に「やまくじら」と書いたのぼりが描かれたものがあるが、これはイノシシの肉をやまくじらと呼んで当時の人に好まれていた。

中国の六朝時代の逸話に
晋の武帝がある日、家臣の家に行幸したとき、もてなしに出されて蒸しブタ(猪)肉がたいへんうまい。たずねると、人の乳を飲ませて育てたから、と答えた。それを聞いて、武帝は蒸しブタを食べるのを止めて帰ってしまった。

千葉県の松戸市には、古墳時代に幼児と赤ちゃんイノシシを一緒に埋葬した例がある。イノシシを家族のように飼育し、母乳を与えたのではないかという考古学者の研究がある。

日記・雑談 ブログランキングへ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

pm2.5

2014年02月26日 | 日記


大陸からpm2.5が飛来している。新潟や福島でこの濃度が越える可能性があるとして注意喚起を出して、外出や運動を控えるように呼びかけた。pm2.5の濃度が高くなると、大気が汚染し呼吸器系の疾患を起こす可能性があるという。ベランダから外を見ると、晴れているのにいつも見える山が霧に霞んだようになって見えない。例年であれば、黄砂が飛来して車の屋根を汚すのだが、pm2.5は黄砂以上に有害であるようだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2.26事件

2014年02月26日 | 日記


昭和11年2月26日未明、陸軍青年将校1,600が警視庁、首相官邸を占拠し大蔵大臣高橋是清、内大臣斉藤実を暗殺するという大事件が起きた。首相官邸では、内閣総理大臣の岡田圭介がまだ床に寝ていた。この夜、東京に大雪が降り、官邸へ将校たちが乱入してきた時間には雪は止んでいたがかなりの積雪であった。なかにいた秘書や巡査は外の様子を雪明りの中で見ていた。

まだ、就寝していた岡田首相のところに、秘書の松尾と巡査が「来ました、来ました」と声をかけた。首相が「何が来たか」と聞くと、「軍隊が大勢きました」と答えた。「ならばもう致しかたないではないか」と覚悟を決めたが、「そんなことを言っている場合でありません」と二人は言って、首相の手を引き枕もとにある廊下の非常口を開けたが、兵隊が帷集していて逃げられそうにない。そこで、廊下を通り炊事場の陰にある大きなボイラーの後ろに隠れた。その後女中部屋の押入れに隠れた。

秘書の松尾は義弟で首相と容貌が似ていたので、将校の前に出て行って射殺されたが、将校たちはこれを岡田首相と思い込んだため、かろうじて難を逃れた。

かきくらし猶ふる雪の寒ければ春とも知らず谷の鶯 実朝

東京に雪が降るのは珍しいことであるが、桜田門外の変といい、2.26事件といい大事件のおりに雪が降っている。雪は事件の進展にも影響を与えた。立春を過ぎて南岸を通る低気圧は、過去にも雪を降らせている。


日記・雑談 ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする