地上の花が少なくなって、空を見上げることが多くなった。昨日の朝は、西の空の雲の上で白く光る月。今日の朝は、一面の羊雲。秋の雲は変化に富み、さまざまな形を見せてくれる。雨が降り、台風がきても、秋の高気圧に覆われた空は澄んだ青空を見せてくれる。そして思い出すのは石川啄木の歌である。
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸われし
十五の心
晴し空を仰げばいつも
口笛を吹きたくなりて
吹きて遊びき
亡くなった柳生真吾の『デジカメ散策のすすめ』に空の写真についての記述がある。「どんなにいやな天気が続いても、かならず晴はやってきます。そう考えるだけで気持ちも軽くなりませんか。そう感じたときは空にカメラを向けてみましょう。そして大切な日の空は、何も考えずにただ、その日の光を記録しておくだけでもいいですから、シャッターを切ってみましょう。」