穏やかな年明けになった。家の前の道は
車も通らず、静かである。テレビの番組
だけが静けさを乱しているような気がす
る。雑煮とお屠蘇、煮豆で新年を祝う。
我が家の雑煮は、焼いた餅に鶏肉やシイ
タケを入れた煮汁をかける焼き雑煮であ
る。関東ではスマシ汁、関西では味噌仕
立ての雑煮を食べると聞く。正岡子規の
『初夢』というエッセイに、雑煮が出て
くる。
「こんなに揃って雑煮を喰うのは何年振
りですかなぁ、実に愉快だ。ハハー松山
流白味噌の雑煮ですな。旨い。雑煮がこ
んなに旨かったのことは今までない。」
子規にとって松山の雑煮は夢にみるほど
に懐かしいものであった。
しんしんとすまし雑煮や二人住 一茶