常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

コリンキー

2022年07月31日 | グルメ
コリンキー、初めての野菜だ。見た目はカボチャ、ズッキーニのように若どりして、果肉を薄くスライスして生食にする。先日、尾花沢のSさん宅に行ったとき、頂いてきたものだ。βカロテンを豊富に含み、摂取すると体内でビタミンAに変わり、目や肌の若がえりに効果があるらしい。

わが家では、一番簡単なレシピを採用。実は包丁が簡単に入る。縦に半分に割ると、種のところのワタを取り除き、3㎜ほどに薄くスライス。ビニール袋に入れてポン酢を加え、さらに少量のラー油をたらす。冷蔵庫にしばらく置いて
ポン酢が馴染むともう出来上がり。シャキシャキした食感、ポン酢の風味、ピンからの味がたまらない。初めて食する野菜にしては、違和感もない。

オーストラリアのカボチャと日本のカボチャを掛け合わせてできた。山形が発祥の地らしい。名前も、コリコリとした食感に由来するらしく、品種登録のときは「カリっこ」という名であったらしい。この年になって初めて知った野菜の新品種である。
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百日紅

2022年07月30日 | 
百日紅が樹全体に真赤な花をつけた。炎天下に咲き続けるこの花から元気をもらう。この原種は熱帯アジアが原産地であることを考えれば、夏に強い花であることも納得できる。朝散歩は少し時間が遅れて、強い陽ざしのなかであったが、この樹を見ながら元気に歩き通した。

百日紅ごくごく水を飲むばかり 石田波郷


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桔梗

2022年07月29日 | 

渡邉みどりが監修した『美智子さまのお好きな花の図鑑』というのがある。これも先日、ブックオフから200円で求めた。この本を開くと、水野克比古が撮影した花の写真が実に美しい。美智子上皇后が好まれる花は、どれもが懐かしい日本の花である。

桔梗の項を開くと、京都の蘆山寺の庭に植えられた桔梗の花の写真がある。図鑑では秋の花となっている。花期は7月~9月となっているから秋中心に咲く花である。古語辞典では、「きちかう(桔梗)」と項目が立てられ、キキョウは古くは「キチコウ」と呼ばれたことが分かる。秋草の一つ。と説明に加えて「きちかうの花。あきちかう野はなりにけり白露のおける草葉も色かはりゆく」という和歌が紹介され、「あきちかう」と「きちかう」の語呂合わせのような用例が面白い。

写真は山仲間のSさんの尾花沢の実家を訪ねたときのものだ。庭がきれいに整理されて、一郭に白と紫の桔梗が花盛りであった。風情は蘆山寺に劣らず、風になびく桔梗が美しい。この花を愛でながら、庭に設けられたテーブル席で尾花沢のスイカをご馳走になった。割って冷水で冷やされたスイカは、本来のの奥床しい甘さが口中に広がっていく。いよいよ最盛期を迎えた尾花沢のスイカが東京をはじめ、各地で好評なのも食べると実感できる。他にナス漬けやコリンキーの浅漬け。黄色いコリンキーの薄切りは絶妙の歯ごたえ。初めて食べる、産地の新野菜であった。尾花沢の積雪のなかで育まれる果実や野菜の味覚は得難い。Sさんのご好意に感謝しかない。

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伝説の山、翁山

2022年07月28日 | 登山
翁山は吹越山とつながり、尾花沢市、最上町と隣県の宮城県小野田町、宮崎町にまたがる県境の山である。登山口のハリマ小屋から、頂上に登り、吹越山の鞍部からハリマ小屋へ周遊する、およそ3時間の登山コースだ。分岐から小屋に下る坂道は急坂である。殆どがロープを張って、そこにつかまりながら下りてくる。30分強の急坂を下ると、足元には湧き水の湿地が広がる。背丈を越える笹は雑草の分けて進むと、小屋近くに一本の杉の木に看板が下がっている。

「白髭の老人と白い鹿にお会いすることができましたか」と書いてある。白い髭の老人は、いわゆる翁。もう自分もその領域に達している。翁に会うことはさほど珍しいことではない。しかし、白い鹿は見たことがない。伝説の生きものか、とすぐに想像する。昨年も同じ看板をみているので、白い鹿の話はこのブログで書いたような気もする。

この伝説を今一度紹介すれば、この地に京都東山の浪人、曽我明監という人が庵を結んで住んでいた。ある日、庵の付近に白い鹿が現れた。明監は矢で射止めようと近ずくが、鹿は逃げては止まり、振り返る。さも、「付いてこい」という素振りであったで、山の頂上近くに踏み込んだ。そこには、小さな庵があり、一人の翁が端然と座していた。先ほどの白い鹿は、翁の傍で伏していた。

翁は明監に神仏の尊さを説き、衆生を救うように諭した。さらに、この山には8万8千もの神仏を祀ってあると言うと、忽然と山の奥へ姿を消した。そのときから、明監の仕事は、翁山、大穴山、戸沢山に祀られてある神仏の功徳を、近郷近在の人々に説いて回ることとなった。伝説と信仰が、古来、この山にあることが知られ、人々が礼拝のために登るようになった。

今回の山旅の目的は、咲きはじめたであろうヤマユリを見ることであった。昨年来たのが8月10日。今回はそれより2週間ほど早い。そのせいか、見かけるユリは蕾で、見つけたのは全山でたった一輪。貴重なヤマユリとなった。この山歩きのために、千歳山で足ならしをしたせいか。頂上までは事故以前に近い歩きができた。急坂の下りで、足の疲労が感じられた。昨年は、ここを駆け下りるようにして下ったが、休憩と水分を補給しながらの下りとなった。少しずつ、脚に筋力をつけながら、距離を延ばす。この作業には、数か月が必要になる。
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千歳山

2022年07月25日 | 登山
開放した窓から色々な生きものが入ってくる。今朝は蝉。暑いのに比べて、蝉の鳴き声が聞こえないと思っていたが、玄関先の観葉植物にもぐるようにしていた。手にとってみると、羽を振るわせて鳴きそうな様子だが、本来の声は出ていない。手を離すと勢いよく空へ飛び去った。

思い立って千歳山に行く。あの事故以来実に2か月ぶりだ。誰のサポートも受けず、一人で登るのは意外に勇気を必要とする。麓の駐車場はすでの満車状態で、一台分だけが空いていた。階段を登り始めると、蝉のジーという声が聞こえた。階段をしっかり時間をかけて登る。ここで心拍を抑えることが肝心だ。後ろから次々に追い越して行く。高校生ぐらいの少年がテーシャツ姿。背中には「男の修行」と題する詩が印刷されている。
この時期、毎年咲くキキョウの株に来た。今朝、開いたばかりの花が美しい。蕾がたくさんついているので、これからしばらくこの花が楽しめそうだ。しばらく山を遠ざかると、やはり足はスムーズに出ない。それだけ筋力が落ちているということか。月山を登ったときよりも、石の山道が、足を置く場所の判断を求めてくる。

大きな虫取り網を持った初老の男性が登ってきた。「蝶をとるんですか」ときくと、「小さなものよ」と笑顔で答えた。しばらくぶりの千歳山で、少し話ができることがうれしい。
その上はヤマユリが咲いていた。翁山はさぞ花盛りと思いながら、ユリに癒されて登る。心拍数は頂上直下の辺りで140を超える。脚の疲れはそこそこある。持参した水を飲みながらだが、汗が吹き出すような蒸し暑さ。

下山はさらに慎重になる。脚を回復させるには、一歩ずつ、と肝に銘じているがまさに思い描いたような歩きになった。若い一団が駆け下りていく。元気な姿をみながら、みじめな自分の歩き。蝉はまだ鳴かない。タイムを見ると、笑ってしまうほど時間がかかっている。夏はもっと早朝に行くべきか。
ブックオフから買った本。森俊憲『読む筋トレ』、笹沢信『藤沢周平伝』。


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