常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

純ココア

2018年07月31日 | 日記

写真は近所のお庭に咲いたカラスウリの

花。話の内容とはまったく関係はない。

身体によい習慣の話が続く。純ココアの

存在を教えてくれたのは、我が家に出入

りしていた郵便局の営業の人である。イ

ンフルエンザが流行の兆しを見せていた

寒い季節のことであった。仕事を休めな

いこの人は、毎朝、純ココアに熱いお湯

を入れてコップ一ぱい飲むということで

あった。これを習慣づけると、いくら寒

い外へ出ても一冬風邪を引かずに過ごせ

るということであった。妻は、人の話に

影響されやすい性格もあるが、幼いころ

の体験で、ココアに好印象を持っていた。

 

祖母の兄弟が、ブラジルに移民し、当時

としては珍しいココアを送ってくれた。

これを秘蔵した祖母は、孫たちが遊びに

行くと砂糖をたくさん入れたココアを飲

ませてくれたという。子どもであった妻

は、世の中にこんなにうまい飲み物があ

るのかと思ったという。10年以上も前に

純ココアの話を聞いて、生協の売り場の

棚で純ココアを見つけ、これを買うのが

習慣になった。普通、ココアにはミルク

や砂糖が入って甘い飲み物だが、純ココ

アには混ぜ物は一切入らず、ココア本来

の味がする。

 

ココアの原料はカカオ豆である。カカオ

は中央アメリカから南アメリカの熱帯地

域の原産で、樹高4~10mで樹齢4年に

なると幹に白い花をつける。果実は、15

~30㌢の長楕円形で、なかに20~60個

の種子を持つ。これがカカオ豆だ。種子

はバナナの葉に包んで発酵させてできる

のがカカオマス。ここから油脂を取り出

しカカオバターができる。油脂を除いた

カカオマスは、乾燥させて粉末のすると

飲料のココアになる。この粉末にカカオ

バターを混ぜ、砂糖を加えてものがチョ

コレートだ。

 

注目すべきはココアに含まれる栄養素で

ある。ココア100g当たりのエネルギー

271カロリー、食物繊維23.9g、ビタミ

ンのほか、カリウム、マグネシュウム、

リン、鉄分、亜鉛などのミネラル分が豊

富である。これならば、冬風邪を引かな

い身体になるのも不思議はない。さらに

大脳皮質を刺激し、集中力や記憶力を高

める効果も確認されている。これはこの

時代、大いに見直すべき飲み物である。

 

 

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昼寝

2018年07月30日 | 日記

畑仕事を涼しい早朝に済ますため、起床

は5時というのが習慣になった。昼食の

あと睡魔がやってきて、小一時間ほど昼

寝をする。風が入ってくる室内での昼寝

は気持ちがいい。暑い夏を過ごすには、

ほどよい習慣のような気がする。

昼寝と認知症の研究がある。これによる

と、30分ほどの昼寝をする人は、昼寝の

習慣のない人の7分の1、1時間ほどの

昼寝では50%ほど認知症の発症率が減少

したという報告がある。最も1時間を超え

2時間も昼寝する反対に発症率が増加する、

とのことである。何事もほどよさが必要

ということか。

デジカメを撮ることも脳を刺激するらし

い。一日一枚デジカメ写真を撮ることを

推奨しているのは、医学博士の米山公啓

氏だ。日常を切り取る写真、そのなかに

こそ撮った人の心象風景が秘められてい

る。その画像から自分を見つめ直す手が

かりとなる、米山先生は語っている。

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百日紅

2018年07月29日 | 

公園の百日紅(サルスベリ)が咲くころ

と思い、写真を撮りに行ってきた。台風

の影響で久しぶり降った雨が上がり、花

は最高の美しさを見せていた。木陰では

蝉時雨、台風がいつもの夏を連れてきた

ような気がする。

 炎天の地上花あり百日紅 虚子

盛夏から秋にかけて、長い花期のために

こう呼ばれるが、サルスベリという花名

はこの樹が幹の成長に伴って古い樹皮の

コルク層が剥がれ落ち、すべすべした樹

皮に更新されるので、サルが滑って樹に

登れないのでこう呼ばれる。

花が美しく、樹がそれほど大きくならな

いので、鑑賞用に庭木に利用される。お

寺の庭に見かけることが多い。

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涼風

2018年07月28日 | 日記

涼を求めて蔵王へ。青空のもと、陽ざしは

強いものの、ライザスキー場あたりは、秋

のような涼風が吹いていた。トンボが群れ

をなして飛び交っている。ここを少し登れ

ば樹氷原。アオモリトドマツが大きな枝を

広げている。冬にはこの樹に、季節風に運

ばれる雪が吹き付けると、大きな樹氷がで

きる。

 

樹氷原を過ぎて、エコーラインを横切ると

御田の神に至る。神は石造りの小さな祠だ。

山中に祀られる神は、里の人々の難を除け

る蔵王権現があるが、こんな小さな祠は旅

人の安全に関わるものが多い。行き倒れに

なったものを祀る習わし。埋葬されず行き

倒れになった人の魂は、荒ぶる神となって

旅人に難をもたらす。道行く人が10人いれ

ば5人は通過するものの、残る5人はとり

殺される。神に尋ねると、我を手あつく祀

るならば、荒ぶる心を起こすまいとのお告

げあった。こうしてできるのが、山中で祀

られる神である。きつい山道を行く旅人に

はその道中の安全を計るには、こうした信

仰が必然であった。

磐代の浜松が枝を引き結び

まさきくあらばまたかへり見む 万葉巻2

万葉集に見える有馬皇子の辞世の歌である。

歌意を記せば、

磐代にいらっしゃる神様に申し上げます。

松の枝に私の霊魂を分けて結び付けて、こ

れをさし上げます。どうか旅の平安をお守

りください。もし、願い通りわたしが健康

でありましたならば、またここを通り過ぎ

る折に、ふたたびご満足のいくように、献

上物をさしあげます。

神は皇子の願いを聞き、皇子は再びこの地

を通過している。皇子が罪を問われて殺さ

れるのは、ここを過ぎた藤白の地であった。

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合歓の花

2018年07月26日 | 漢詩

遠くから合歓の木に花をつけているのを

見ると、木全体がピンクの衣をまとった

ように見える。合歓と表現するのは、夜

になると葉を閉じて眠るような姿になる

ためである。花が眠るのではない。

合歓は小枝の先に十数個の花柄を持ち、

紅を含んだ絹糸のうように見えるのが、

雄蕊だ。合歓の花は、一日花というより

一夜花だ。夕方に咲いて、一晩中咲き続

け、翌日の午後に萎れる。この花の習性

をとらえて詠んだのが、江馬細香の漢詩

『夏の夜』だ。

雨晴れて庭上竹風多し

新月眉の如く繊影斜めなり

深夜涼を貪って窓を掩わざれば

暗香枕に和す合歓の花


雨は上がっても、夏の夜は蒸し暑い。窓

を開けて寝るのは、昔も今も変わりはな

い。その枕元に漂ってくるのは、合歓の

花の香りだ。読みようによっては、艶め

かしい詩である。

細香は大垣の藩医江馬蘭斎の娘である。

大垣で細香に会った頼山陽は、一目で

気に入り、妻に迎えることを望んだ。

しかし蘭斎はこれを許さず、娘の作る

漢詩の添削を依頼した。こうして子弟

の関係となったが、二人は漢詩を通して

子弟以上の関係を持つようになっていく。

細香の作る漢詩は、いつも師山陽の目を

意識している。自らの寝姿を暗示する

この詩が、艶めいて感じるのは、そう

した事情があるからかも知れない。

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