常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

水晶山

2021年01月31日 | 登山
朝、家を出るときは靄のような空にチラチラと雪が舞っていた。天童ゴルフ場に着いたのは8時20分、雪はあがり陽がさし始めた。新年に入っての山行は、荒れた天気が回復する時期をタイムリー捉えている。昨日見た雪とは違って、山の新雪は朝日を受けて輝いている。幸運というほかはない。林道の行き止まりに一台の車が止まっている。その先に、一筋のトレース、輪カンジキというよりは、スノーシューのように見える。そのトレースからは、新雪に足を踏み入れる歓びが伝わってくる。そこから、本来駐車場となるべき登山口まで、20分の時間を要する。雪が履いた輪カンジキに馴染むために要する時間でもある。
冒頭写真の六角堂まで、勾配のゆるい林道である。カンジキが馴染んで、やや心拍も落ち着いてくるが、足の筋肉は雪のないときとは比較にならない。所要時間も夏道の5割増しだ。その分、雪景色の美しさが堪能できる。雪の山道も回を重ねるごとに喜びが深まる。まして、コロナ禍のなかで、趣味の集いが制約されているので、雪山の解放感は特別である。何故、こんな雪深いところへ出かけるの?という問いには、平凡に「好きだから」というシンプルな答えをするしかないが、山行を重ねるごとに新しい体験ができるのが大きな魅力である。住み慣れた場所では気が付かない季節や時の流れが、この自然のなかでははっきりとした形をとって、語りかけてくる。同じ雪でも、寒気のなかで見る雪には、はっとする美しさがある。

枝に積った雪が、ぽとりと盆の窪に落ちてきてひやりとする。一陣の風がくれば、この雪はたちまち吹雪のような景観となって現れる。もし風が吹き続ければ、山行は中止せざるを得ないであろう。『北越雪譜』に晴れた日の、木に積った雪が強風に吹かれてホワイトアウトの状態で被害がでるという記述もある。この日の風は、尾根筋でやや強かったものの、荒れた気候がおさまって、どこまでもやさしい冬の表情で、我々を迎えてくれた。

七曲りの辺りまで来ると、一人のスノーシューはいた女性が下山して来た。七曲りを所々でショートカットして、スキーのように直線で降りてきている。仙台からここへ登りに来た若い女性であった。我々の前にトレースつけてくれたまさにその人である。「午後用事があるもので、朝の内に登りました。トレースのない山道を歩きました」と屈託がない。多分何度も来ているのだろうが、いくら低山でも、他県への単独行は勇気がいる。我がチームでは、なかなか一人で雪山を登る人はいない。

六角堂から水晶山神社までほぼ1時間。交代でラッセルしながら、雪のなかを楽しんだ。神社の裏へ廻り、切り立った岩を巻くようにして登ると頂上に出る。三角点はすっかり雪の中だ。かわりに、東側の猪野沢集落と面白山をはじめとする二口山塊が連なって見えた。青空も見えている。本日の参加者は6名。(内男性2名)狭い頂上で身を寄せて記念撮影。やや風が強く668mという低山だが、寒さが身に沁みる。山頂の近くの神社はは、この山が信仰の山であることを物語っている。水晶山神社は雷神を祀ると言われているが、やはり近隣の農業のための感慨用水を確保するため、水が涸れることないように近隣の住民たちが祈ったものであろう。

雪の山は、危険個所がないかぎり、下りが快適である。七曲りを尻セードで子どものうように楽しみながら下りて、六角堂まで40分。ここで昼食となる。持参したカップヌードルにお湯を注いで4分間。暖かい麺とスープがうれしい。12時52分、全員無事下山。予定外の山行であったが、ハラハラしながら天候の回復を待った甲斐あって楽しい一日となった

雪嶺の光や風をつらぬきて 相馬遷子
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重い雪

2021年01月30日 | 日記
一夜明けて外はびっくりするような雪。気温はそれほど下がらないのか、雪は重く、一筋ついた足跡は湿った重い雪だ。こんな雪は歩きにくい。今日も外でのウォーキングはなしにして、別の方法で身体を動かす。明日、山行の予定がある。何故か今月は寒波が去った後にスケジュールが入り、晴天のもとで楽しい登山ができている。明日もそうなればよいが、果たして結果は?雪が小やみになると、近所の人たちが駐車場に出て雪かきをする。ふだん顔をあまり合わす機会がないが、こんな大雪が会話の機会を作ってくれる。作業にあたっている人はなぜか女性が多い。

年が明けてこの週末で1月が終わる。来週に来る節分の恵方巻の宣伝がにぎやかだ。節分は日本古来の伝統行事である。待ちに待った春がもうそこに来ている。やはり日本人にとって冬は長い死の季節であって、春はその季節を越えて生が復活する季節である。良寛の歌に

あづさゆみ春になりなば草の庵を
 とく訪ひてませあひたきものを 良寛

こうして雪国では、節分を境にして、日増しに春の兆しが現れる。春を待つ心に時代の変化はない。ネットを見ると、もう梅の花の前線が北上を始め、ひと足早い春の息吹を感じられるのが違っているが、目の前の雪には変わりはない。暖冬であっても、人は春が来るのを心待ちにいている。
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寒波

2021年01月29日 | 日記

もう三寒四温という言葉がぴったりとくる季節になってきた。この週末にかけて寒波、雪の融けたところに雪がしんしんと降って来た。気温の変化についていけず体調を崩す人も多いようだ。雪の日は、YouTubeのパソコン教室。じっくりと見て、習得の足掛かりにしたい。藤井2冠の竜王戦トーナメントも時々覗く。夜になって藤井2冠の圧勝である。強くその上謙虚な少年。その姿に力をもらう。加えて、ウォーキングも。70代の最後の年は、色々とやることが多くなっている。

夕方になって雪が上がった。新雪の降った瀧山には、夕陽があたり、白く輝いた。一瞬の絶景である。戸外のウォーキングは道が凍結したので、諦めて階段を登る。階段も覚悟を決めて登れば、3往復を過ぎたあたりからしっかりと脚の筋肉に力が伝わる。5往復を過ぎると汗が出てくる。ごみを出した帰りには、階段が障害のように感じるが、身体にリズムが生まれるためか身体が軽くなる。10往復で歩数で6000歩、フィトポイントは24。運動の目標は達成した。

今日の気温は最高気温が1℃。昨日に続いて低い。雪が上がると更に気温が下がることも考えられる。1時間ほどの運動は、気温に対応する身体に順応する力を与えてくれるような気がする。

入日寒卒然として白亜聳てり 中尾白雨
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メルマガの日

2021年01月28日 | 日記
外食が減って家で食事するのが増えたせいか、業務スーパーの来客者が盛況のようだ。週に2回メルマガ会員向けの特売があり、メールで商品の案内がある。今日の特売はバナナ1袋78円、コーンポタージュ1箱198円、牛肉ステーキ
300g478円。徒歩5分圏にある食品の激安スーパーの存在はありがたい。テレビでも一日何度も、簡単レシピの紹介が放映されている。コロナで外食や観光産業が痛手を受ける中、近くて安い食品店が客を増やす。テイクアウトやネットでのお取り寄せも増えている。

家庭で作る食事を豊かにしようというのも、コロナ禍の傾向である。ただ注意したいのは、安さや簡便さにばかり走って、既成の総菜などには頼りたくない。高齢になってしっかりと摂る必要のあるのは、高核酸食品である。そのなかで優等生はイワシだ。チリメンジャコやタラコもこれに含まれる。近頃は不漁で新鮮なイワシが入手しづらくなっているが、先日薄塩のメザシを買うことができた。他に、カブやリンゴ、オレンジジュースなどがある。栄養学の研究者は、これらの高核酸の食品を摂ることで、血中のコレステロール値を減少させ全身の健康状態を改善するとしている。

癌や動脈硬化症、認知症や高血圧症などの老人病の予防に大切な栄養素はビタミンEとセレニュームだ。これらを含む食品として玄米、ニンニク、玉ねぎ、トマト、ブロッコリー、魚介類、レバー、タマゴなどである。先月、親せきから貰ってきた白米を食べ尽くした後は、玄米食に変えていく。老化と食事はこれから切実な問題となっていく。

鮟鱇鍋小さき独りの酒愛す 遠藤梧逸

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霧の朝

2021年01月27日 | 日記
霧が出ているが、霧を通して朝日が眩しい。少しずつ、青空ものぞいてきた。予報では今日の最高気温は9℃、大寒なのに3月下旬並みまで上がっていくらしい。昨日、肘折温泉へ行く道に雪崩が落下し、一時通行どめになった。幸い人や車を巻き込む事故ではなかったが、雪が多く降っただけに、気温の異常な上昇は春の危険な現象を先取りしている。山登りの際は、雪崩を警戒しながら行かねばならない。谿谷の山道や斜面の厳しい場所では要注意だ。

昨日散歩の途中、書店へ行ってムック『500円でわかるパワーポイント』を買ってきた。パソコンにこれから生きていくための杖の役割を期待している。今からパソコンの基本を学ぶことなど、年寄りの冷や水と笑われそうだ。YouTubeの「動画ファン」など役に立つが、やはり活字で操作を確認しないと難しい部分がある。

書き続けているブログのほかに、今年からワンノートに書く日記や「健康」にテーマを絞って、役立つ情報を集めてメモにして実践していくことにした。色々試しているうちに、パワーポイントを使って写真の記録や動画を作れることが分かってきた。企業相手に企画をプレゼンするツールだが、趣味に生かすこともできる。山の雪景色の写真や動画を重ねてパワーポイントで保存しておけば、撮った写真を今まで以上に楽しむことができる。

パソコンの独学は楽しいが行き詰まることも度々だ。パソコンから離れて、ウォーキングをしている途中で、「あ、あそここうすれば」などと気づくこともしばしばである。こんな時間を過ごしていると、一日があっという間に経ってしまう。もう健康にいられる時間は明らかに少なくなっている。杖がわりにパソコンを活用していく生活は始まったばかりである。

アミエルの日記にこん言葉がある。
「生きるということは、日ごとに快癒し、新しくなること。また自分を再び発見し、回復することである。日記は孤独なものの心の友であり、慰め手であり医者である」
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