20日、NHKからこの番組が放映され、大ファンの妻とともにテレビ前に正座した。
一週間前に放映された前編が終了すると、ブログで取り上げた土方、山本耕史さんファンが多く、この番組を待ち望んでいたのがよく分かった。
「待たせたな!」の冒頭の台詞に、納得したのは我が家だけではなかったようである。
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新撰組の発足時から、常に幹部として刀、槍の下を潜り抜け、硝煙の匂いを嗅ぎ、血を浴び、自らも負傷しながら戦ってきた副長・土方。
その戦闘心の根底にあるものは、徳川家、松平容保公への限りない忠誠心であったに違いない。
だからこそ、リーダーとして部下から信頼されてきた。
後編では、それが端的に表現され、信じきっている配下の心理がよく描き出されていた。
一方、蝦夷共和国の他の幹部達は、徳川幕府のエリート集団。机上倫理は立派に築かれている。
特に榎本は、官費でオランダ留学し、徳川幕府の期待を担っていた。
帰国してからは、外国の習慣、知識を日常生活に取り入れ、それを蝦夷地での戦闘中でも引きずっていた。
このように、蝦夷共和国の内閣では、彼は肌が合わず孤立していたのでは?という思いがしてならなかった。
辞世の句を現代風に訳した方がおられる。
「万が一、思いとは違って、蝦夷地で朽ちてしまっても、私の魂は将軍・慶喜公をきっとお守りするであろう」。
どこまでも忠義一本だったことがうかがえる。
45分があっという間に過ぎ、番組は終わった。
沈黙が解け、二人の顔には満足の微笑みが浮んできた。
「よかったね!」「コーヒーでも飲みますか!」。
例年、5月の第三土・日は”箱館五稜郭祭”。
土方歳三最期の地で、碑前祭が行われる。
太鼓隊、ラッパ隊、礼砲隊が整列、官軍指揮官が献花し慰霊する。
祥月命日には、我が家でも献花をしている。
「来年の花は、ちょっぴり豪華にしましようよ!」と、いうことになった。
北の大地に散った誠の武士・土方歳三。
多くの人の心の奥には、永遠に生き続けている。
ミカエル