朝食時の納豆が好きである。たまらなく好きである。
しかし、朝食時以外はダメ。何故だろうね。
また、納豆を食した後に食器等から発する臭い、私はこれもダメ。私は食器には納豆をつけない。だから、臭わない。病院でも朝食時に時に納豆が供されるが、その時は病棟中が納豆の臭いが充満する。そのような朝は早朝の回診はキャンセルする。
納豆の起源は秋田だ、と思う。いうまでもなく後三年の合戦である。平安時代後期の陸奥・出羽(東北地方)を舞台とした戦役である。煮豆を俵に入れ馬にくくりつけて移動していたら馬の体温で発酵し粘っていた、という。それが結構美味かった(馬かった??)のが主たる説である。
しかし、秋田起源説は全国区ではない。いまだに納豆の起源は水戸だと思っている人が多い。一説では、佐竹の殿様が秋田に赴任するときに、茨城の美女をごっそり連れてきたがそのお返しに、納豆の製法を水戸に教えた、とも言われている。
私は小さなパックに入ったひきわり納豆(40gx3パックで70-90円前後)を好む。
(秋田のヤマダフーズのひきわり納豆のデザイン イラストレーター凪氏の作 秋田美人と納豆の関係が示唆される)
チンで解凍した80gのご飯の上に乗せた納豆の塊に醤油やタレをそっと垂らすだけ。箸でかきませない。時には生卵を乗せることもあるが、かきませない。一箸一箸それぞれの味を楽しむ。
昔は納豆と言えば、朝、納豆売りが「納豆、なっとー、ナットー!」と売り声をあげながら売りにきた。このときの納豆は、今で言えば中粒だった。
今はもう大変。大粒から小粒、極小粒、そしてひき割り。選択に困る。
そしていま、納豆界は小粒全盛の時代となった、様に思う。
小粒がもてはやされる時代になった。なぜ小粒が一般大衆に受けいれられたのか??理由は意外に簡単で、一説によれば人間自体が小粒になったから、とも言われている。
人間はどうか知らないが、納豆は小粒のほうがたくさん糸を引く。大粒は一生懸命かき回してもあまり糸が出てこない。
納豆の命は糸にある。右回りに50回、左回りに50回かき混ぜるのが良いと、一部の料理本で推奨されているのを見たことがある。
小粒の場合は十分糸を吐き出させて、発生した泡と共にドロリとさせてゴハンにかける。
大粒の場合はゴハンに乗せる。
納豆の粒の大きさによって食べ方も作法も変わる。
乗せた大粒納豆はゴハンと一体化しないから、豆好きの人で豆の味を味わいたい人は大粒のほうを選ぶことになる。
しみじみ、納豆は奥が深い、と思う。日本人に生まれてよかったなあ。