福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

私のジェンダー論(3) 女性活躍の推進は安倍政権の大きな業績だが、空回りしている

2019年10月05日 18時22分27秒 | コラム、エッセイ
 2016年の世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数」でみると、わが国の女性の社会進出は111位/144国中、と異常事態である。
 日本の女性は高学歴だが、多くは人材として未活用のままでいる。これは女性側にも問題もあるが、男性中心社会、年寄り中心社会が長く続いてきたからである。私は「男性害社会、老害社会」と呼んで批判的である。しかしながら、この文化を短時間で改善させようと法律などで無理やり動かそうとしても女性に受け入れ態勢が乏しく無理がある。
 
 閣僚の女性登用に乗せて論じてみる。

 ■ 2014年9月、安倍内閣が行った改造で過去最多に並ぶ5人の女性閣僚を登用した。首相が経済成長の観点から女性の社会進出を促進させる考えを繰り返し表明していることの表れである。
 ただし、女性閣僚を、改造するたびに4-5人と登用していくと、女性の人材が枯渇する。
 小渕経産、松島法務、稲田防衛と、途中3人が辞任したなど、女性の人材が育っていないことの表れであり、安倍総理の思惑は空回りしているのではないだろうか。

 ■ 2017年の第3次安倍内閣改造では女性閣僚はたった2人、となった。
 「女性活躍」という言葉が、実質的に成熟していないことの表れだ、と思う。
 
 2017年現在、自民党の議員は、衆院290名、参院126名の計416名。うち女性は、衆院25名、参院20名で、衆院8.6%、参院15.9%、全体でも10.8%と1割程度しかいない。
 今回の改造内閣で野田総務大臣兼女性活躍担当大臣と上川法務大臣の2人の女性が入閣したが、女性の割合は10.5%に留まる。女性議員の比率とほぼ同じで、私は当然の人数と思う。女性議員は一般的に若くて経験が乏しい。無理やり登用すると綻びが生じる。

 ■ 2018年10月の第4次安倍改造内閣では女性閣僚は片山地方創生担当相のみ1名。

 ■ 2019年9月11日の第4次安倍再改造内閣では、高市総務相、橋本五輪担当相の2人になった。総理の主張から見ると少ないがやむを得まい。

 今回、首相は「人づくり革命担当相」も新たに設けた。政府は「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標」を掲げている。掛け声は立派、机上の楼閣的で「30%」にする行程を明らかにすべきであろう。

 安倍政権ははこれまでに「女性活躍」や「国難突破」、「一億総活躍社会」といったさまざまなスローガンを掲げてきたが、結局はどれも積み残してばかりいるように見える。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする