福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

私のジェンダー論(5) 用語の整理(1) セックス ジェンダー セクシュアリティー

2019年10月09日 07時43分38秒 | コラム、エッセイ
 現在は男女が接近し、遺伝学的にも、肉体的にも社会的にも、その違いがやや不明瞭になった時代と言える。
 私達は男女という概念を、今までは両極という単純なとらえてきたが、もうそれでは理解できない。性的に複雑な時代に生きている、ということができる。
 それに伴う用語も複雑になってきている。それらを整理しておかなければジェンダーについて論じることもできない。
 
 以下に簡単に整理していく。
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■セックス
 身体の特徴など生来の性別の違いを示す。生物学上のオス・メス。

■ジェンダー 社会的性の違い
 身体上の性別の違い、生物学上のオス・メスをセックスというのに対して、社会的、文化的に形成された男女の違いをジェンダーと呼ぶ。先天的なものではなく、文化的。社会的にに身につけた、あるいはつくられた性差の概念をさす。
 日本においては、男は社会で働き、女は家庭を守るという性的分業が教育を通して刷り込まれ、〈男らしさ〉〈女らしさ〉など。
 社会通念において一般的な固定的な性別観・性差観を意味することもある。女性にとっては社会で活動しにくい差別的な環境が形成されてきた。
 1980年代以降、男女差別を禁止する法制度が作られ、1990年代には男女共同参画社会の構築が国を挙げての政策目標となった。ジェンダーに対する考え方は今後も変わっていく。

 ジェンダー・アイデンティティの形成:社会のなかで一般的なジェンダー観というものを知り,それに従ってふるまうことをいう。

■セクシュアリティー
 性行為や性的欲求に関すること。
 狭義の性行為だけでなく、広くは性と欲望にかかわる人間の活動全般を指す語。ただしこの語は前二者のセックス、ジェンダーの概念も含み厳密に区別する定義は困難である。

 即ち、セックスは生物学レベルの営み、ジェンダーは社会的文化的性差を指すとされるが、セクシュアリティはそのどちらをも含み、生殖、快楽、恋愛、自己表現といった多様な領域にまたがっている。
 この語が使われるのは性的マイノリティ、特に「ホモ」と「ヘテロ」の区別においてであり、ジェンダーが男女の性差を指すのに対して、セクシュアリティは性的指向、つまり同性愛・異性愛の区別をまず問題にする。性指向は生まれつき備わっているもので、本人には責任がないとすることも忘れるべきではない。本人の趣味や考えからその志向・嗜好が出るわけではない。この辺の理解が重要である。
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