わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素焼き前の装飾(面取り2)

2011-06-07 21:39:07 | 失敗と対策
引き続き、「続失敗と対策の話」を、続けます。

3) 素焼き前の装飾

  ② 削り加工 

  ) 面取り: 切り取る刃物は、切れる様に、作業前に研いでおく必要が有ります。

   ハ) 見所の稜線をしっかり出す。

      面取りの見所は、面の綺麗さも有りますが、面と面の境の稜線が、すっきり出来ている事です。

      直線的な物や、捩れ(ねじれ)た線、交差した複雑な線の場合も有ります。

    ・ 稜線は、なるべく細い方(鋭角)が綺麗です。稜線の左右の壁が、切れ落ち頂上が、

     尖がる様にします。

     又、稜線上に凹凸が無く、左右にも振れずに、まっすぐな線になっている事です。

    ・ 稜線を目立たせるには、切り取った面を平ら(フラット)にするのではなく、

      面の中央部を、やや凹ませるて、富士山の様な形にします。

    ・ 面の中央を凹ませても、面は歪んでは見えません。むしろ、平らにすると、目の錯覚で、

      面の中央が膨らんでみえます。逆に凹ませた方が、錯覚で、面が平らに見えます。

   ニ) 作品の周囲を、バランス良く、面取りする事

      面取りした部分と、面取りし無い部分では、当然肉厚に差がでます。

      (肉が厚い所が、稜線に成ります。)面の数が、少ない程、肉厚の差が大きくなります。

      それ故、作品の表面を、バランス良く、なるべく均等に切り取らないと、乾燥時や焼成時に、

      変形したり、「割れやひび」が入り易います。

     ・ 一般的に、面取りは口縁から底に掛けて、全て切り取りますが、一部のみを面取りする

       場合も有ります。例えば瓢箪形の器(徳利、花瓶など)では、下部の膨らみ部分のみ

       面取りするという事です。

  c) 仕上げにも、気を使う事

     切り取った面は、肌が荒れていますので、水に濡らした皮等を使い、良く撫ぜて、

     綺麗にします。稜線も細くなったり、太くならない様に、微調整して仕上げます。

  d) 作品が重い時、予定外の面取りを、行う事も有ります。

     底削りが終わり、完成したと思って轆轤上から取上げた時、予想に反して、作品が重い場合が

     有ります。この場合、底から腰にかけて、肉が厚くなっている事が多いです。

     もう一度、轆轤上で、削り作業をしたいのですが、単に削ってしまうと、作品の形が変わって

     しまう事も多いです。この様な場合、厚い所を面取りすれば、軽くなるのと、見た目にも、

     装飾として効果が有ります。

    ・ 面取りしたからと言いて、やり方によっては、さほど軽くならない場合も有りますが、

      面取り加工によって、見た目が軽く感じられる物です。

 ) 箆目(へらめ)と櫛目

以下次回に続きます。
      

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