わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼き (窯出し)

2008-06-01 23:34:32 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
窯出しは、陶芸で一番期待と不安の入り混じった瞬間であり、楽しみです。

 1) 窯出しのタイミング

   窯の火を消した瞬間(電源をオフ)から温度は下がり始めます。

   窯の壁の厚さに依って、温度の降下スピードは変ります。

   当然、低い温度では、なかなか下がりません。

 イ) 急いで窯出しをしたい場合、300℃以下になれば、窯の扉を少し開けて

    熱を逃がしても、大丈夫です。

  ・ 300℃以上で扉を開けると、作品が壊れる(冷め割れ)場合がありま。

   又 貫入(釉薬に小さい「ヒビ」)が入り易いです。

 ロ) 急がな場合には、100℃以下になったら、扉を開けた方が安全です。

 ハ) 作品を直ぐに取り出さない。

   ・ 扉を開けて見える範囲で、中の様子を観察する。

   ・ 全体の釉薬の溶け具合は、良好か、(特に最下段の溶け不足は無いか)

     釉薬が溶けすぎて、棚板まで流れ落ちていないか。

   ・ 発色の具合は、良好か、(特に酸化、還元による変化はどうか)

   ・ 作品同士の、「ヒッツキ」は無いか、作品の大きな割れは無いか。

   など 色々観察して下さい。

 2) 窯出し

  扉を開けると温度は除々に下がりますので、軍手などを用意して窯出しに

  移ります。

  イ) やや広い場所に、シート等を拡げて、作品を並べていきます。

    皿など平たい作品は、場所を取るので紙を挟んで重ねていきます。

   ・「コンクリート」等 冷たい場所に直に置かないで下さい。

    (冷め割れの原因になります)

  ロ) 並べる順序は、作品の大きさ(種類)毎に、又は作品の釉薬のグループ

    毎に、或いは 窯の位置関係どうりに、等々自由に設定して下さい。

  ハ) 貝殻などを使った場合、取り除く。

  ニ) 棚板に、作品が張り付いた場合(釉薬が溶け過ぎで流れ落ちる)

    棚板の裏側を木槌などで叩くと、作品がアルミナコーチングと伴に剥がれ

    ます。
 
  ホ) 作品を全部出したら、一個一個の作品を手に取り、観察します。

   ・ 割れ、釉薬の剥がれ(逃げ)は無いか。

   ・ 焼き過ぎ、焼け不足は無いか。

   ・ 発色は予想通りか。酸化、還元の状態はどうか。絵付けの状態はどうか
 
   ・ その他、作品の変形は無いか、等々を見てください。

  ヘ) 尚 作品は窯出し直後から1~2日間「チンチン」音がします。

    これは釉薬に貫入が発生している音です。

 3) 窯出し後の処置

  イ) 作品底に棚板の「アルミナ」が付いた場合、「ダイヤモンド、ヤスリ」

    や「グラインダー」で削り取る。

    貝殻も水で洗うと、粉々になり取れますが、貝の痕が残ります。

    この痕もヤスリなどで綺麗にして下さい。

  ロ) 作品の底に砥石を掛ける。(テーブル等を疵付けない為です。)

    作品表面に「はぜ石」等があり、手に触れると痛い場合、ヤスリで削り

    取ります。その後水で洗う。

  ハ) 「しもり」(水漏れ)止め用の「シリコン」などの薬品を塗る。

    ・ 作品の底(高台内)に塗る(又は浸す)

     (陶器は使用後に、乾燥が不十分だと「カビ」が生える場合あります。

     その予防の為です。) 食器には食器用の薬品を使う事。

    ・ 花瓶など常に水を入れて置く作品は、内側に「シリコン」を5分程度

      流し込み、内側全体に塗ります。水漏れを防ぎます。

    ・ 又 蓋物に、梅干など塩分を含んだ食品を入れて置くと、表面から

      塩が噴出す場合がありますので、食器用の薬品を同様に流し込んで下

      さい。

    ・ 薬品を使用したら、一昼夜乾かしてから、水洗いして下さい。

      




  
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