わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯焚き (点火 2)

2008-05-27 17:43:13 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼きで失敗すると言うことは、何より所定の温度まで、窯の温度が上昇しない事

です。即ち 釉薬が溶け不足で「ガラス化」せず、ザラザラした感じになります。

  ・ 溶け不足と、マット釉によるザラザラとは、根本的に違う物です。

  ・ 溶け不足の作品を好む方もいますが、「ガラス化」が進んでいない為、

    実用的な使用に難があります。

 本焼きでは、温度上昇が一番重要なことになります。

  (勿論 焼き上がりの色や、出来上がりの状態も重要ではありますが)


さて今日の本題に入ります。

 1) 950℃前後で、酸化焼き、還元焼きの分かれ目と成ります。

   イ) 還元の場合

    a) 燃料の供給量を少しずつ増やして行きます。
   
     ・ 急に増やすと、温度が停滞したり、温度が下がる場合も在ります。

    b) 煙突の引きを若干弱くします。

     ・空気の供給量を制限する為です。

    c) いずれにしても、温度計と「ニラメッコ」しながら、温度が上がる様

      に調整して下さい。

    d) 窯の「のぞき穴」から、炎が吹き出ていれば、還元が掛かっています

  ロ) 酸化の場合

    a)  酸化の場合でも、温度を上げる為に、燃料の供給量を少しずつ増や

      します。ただ還元ほど量を増やさない事です。

    b)   煙突の引きを、やや強めにし、空気の供給量を増やします。

     ・ 煙突の引きだけでなく、バーナーに付いている空気調整を使う事も

       あります。

    c)  窯の「のぞき穴」から、空気が引き込まれていれば、酸化です。

 2) 酸化焼成に切り替える。

   陶器の釉薬の場合(1230℃ ~ 1250℃が多い)、1200℃で

   ほとんどの釉薬は溶けると言われています。

   それ故 これ以上還元を掛けても意味がありません。

   (詳細に付いては、後で述べます、逆に害になります)

   1200℃近辺から酸化炎で焚きます。(温度上昇は鈍くなります)

 3) 「寝らし焼き」(強酸化炎)

   所定の温度に成ったら、温度を上げず、一定に保持し、窯の内部の温度差を

   無くす様にする。(5℃程度の範囲に収まる様にする)

   ・ 温度を一定にするには、煙突の引きを最大にします。

   ・ 燃料の量で調整しない方が良い。

   ・ 大きい窯では、30分~60分。

     小さい窯では、10分~20分 程度でよい。

 4) 消火(スイッチ OFF)

   「寝らし焼き」が済んだら、窯の火を消します。
 
   イ)  火を消さずに、バーナーを絞り、細々とした炎で除冷する場合

    (又は電流を少なくする)が有ります。

    ・ 窯の壁が薄い窯く、早く冷えて、結晶釉が上手に発色しない場合です

    ・ 設定温度より1150℃~1100℃までの間をゆっくり冷やし、

      結晶を成長させます。

 


   

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