ゆき様より以下のご質問をお受けしましたので当方なりにお答えいたします。
初めまして、以前よりじっくり!記事を拝見しております。
今回念願かなって、自作の草木灰を作る機会に恵まれました!!
しかし実際にやってみると、分からないことが3つあり、教えていただきたくコメント
しました。
1、水簸はどうしたらいいのでしょうか?
・水は毎日取り換える?
・何日間くらい行うべき?
・個体差があると思うのですが、何をもって完成としたらいいのでしょう?
・野菜を作っているのですが、酸度計で計ってみてもわかりませんでした。。
2、水簸の際のアクとは
こちのら記事でも、他の本にも、余分なアルカリ分を抜くことが大事と書かれています
が、それは目に見えるものなんでしょうか?
水に浸すと泡が出る・・・と記載されたものも目にしたのですが
実際に行ってみると、わかりません。
何か目安があればアドバイス頂けますか?
3、>完成した乾燥灰を再度燃やす事で取り除きます
と紹介されていらっしゃいますが
この後の記事を拝見しても、具体的な方法が見当たらなくて
恐れ入りますが、ご指南いただけると幸いです。
たくさんの質問をすみません。
お時間許すときにご回答いただけると嬉しいです。
これからも更新楽しみにしています!
明窓窯より
水簸の目的は二つ有り、一つは採取した灰に燃えカスや砂や木の枝等が含まれているのを
取り除く事です。二つ目は灰に含まれている水溶性アルカリ(水酸化Na,水酸化Ka等)の
有害物質を取り除く事です。二つを同時に行うのが水簸です。
ご質問の内容は、主に後者に付いての事と思われますが、書籍等の文献では、この区別が
明確でない為、混同した解説になっていると思われます。
1) 水は毎日取り換えるべきか?
水溶性アルカリを取り除くには、日数よりも取り換える回数の方が重要と思われます。
豊富な水量と、良くかき混ぜる事で、有害物質を1~2日で、害のない程度に取り除く事は
可能です。水溶性ですので、十分細かくした灰であれば、水に溶け出すはずです。
但し細かく粉砕されていず、燃えカス等が多ければ、日数を掛ける必要があります。
尚、数日と記載されている場合、多くも場合3~5日と思って十分と思われます。
2) 何をもって完成とするか?
完成の目安は有りません。作った灰を実際に使用して問題が無ければ、それで完成です。
但し、灰は綺麗に精製すれば良いと言うもではありません。上記アルカリ類も完全な悪とは
思わない事です。ある程度の含有は釉にある種の趣を与えるからです。
それ故、どの程度に精製するかは、使用する人の判断になります。
又、灰の細かさも好みです。微粉末であれば、釉は均一に綺麗になりますが、灰釉の
面白味が出なくなります。それ故、釉の種類の違いや、用途(上に振りかける)等によって
精製の異なる灰を使い分ける事をお勧めします。
3) アクは目に見えるか?
野菜等を使う料理では、アク抜きを行いますが、この場合にはハッキリ認識する事が出来
ますが、水簸では認識する事は出来ません。人によっては、水溶液を舐めてその味で
確認する事があるとも言われています。
4) 結論
灰の水簸は必ずしも必要ではないと思っている方もいる様です。精製されていない灰は
個性が強いですので、釉も個性的な物になるからです。
但し、灰は篩に掛けて、不純物は取り除く事です。
水簸に付いて記述が少ないのと、詳細が不明なのは、その人独自のやり方があり、それが
人に知らしめない秘技であるからです。
それ故、ご自分で納得する方法と精製方法を見つける必要があります。
以上
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