想いのままに…

日々の生活の中で感じたことを、想いのままに綴りたいと思います。

もう、お会いできないなんて…

2013-05-18 22:37:18 | 日記
その別荘の前を通るたびに、私達はその持ち主さんのことを案じていました。

その別荘は、ずいぶん前に建てられたらしく、私達が引っ越してきた頃には、
おばあちゃまと50代後半の娘さん、そして、犬一匹を見かけることがありました。
11年前のお正月を過ぎた頃、おばあちゃまが亡くなられたのですが、
その後も、娘さんは犬(名前は、重左エ門といいます)と一緒に来ておられたのです。

東京から来られると、決まって、我が家の横の道を、ジュウちゃんと歩いておられましたので、
私がお庭にいる時などは、娘さんとよく話すようになっていました。
我が家のお散歩の時にお会いすると、主人とも話がはずんだりしていたのです。

ところが、ここ数か月…、一年にもなるでしょうか、お見かけすることがなくなりました。
長い間、闘病しながらの日々でしたが、八ヶ岳での時間が好きだと言っておられました。
東京では、家族の為に頑張るから、八ヶ岳では自分の好きな時間を過ごさせてほしいと
家族に話してあるとも言っておられました。

数年前の夕方、別荘のお庭でお見かけしましたら、普段着姿です。
汗を流しながら、クリスマスローズを植えておられます。
「大好きな花だから、植えるために、東京から車で来たところなの。今日の夜には、
東京で用事があるから、植えたらとんぼ返りをするつもりです。」と言っておられました。

それほど好きな場所なのに、何故来られないのかしら?
体調がすぐれないのかしら?

私達は、確認するすべもなく、ずっと心配していたのです。

そんな今日、地元で働いておられる人から、お話を聞くことができました。
「亡くなられたんですよ。」
「えっ?」

私達は、耳を疑いました。

「犬と一緒に別荘に来ておられた時だったんです。東京のご家族が、
連絡が取れないことを不審に思って、地元の人に家に入ってもらったそうですが、
その時はもう…。」

とてもショック…と言う感じです。
ジュウちゃんが私になついたことを、珍しいことだわと喜んでおられました。
ジュウちゃんは、お散歩の途中で、我が家の玄関に走ってきていましたね。
おばあちゃまのご命日を覚えていたことを驚かれましたが、嬉しそうでした。
だって、とても素敵なおばあちゃまでしたもの。
別荘にお伺いした時、「虎さん(虎屋)の羊羹、食べますか?」と言って、切ってくださいました。
甘いものも、お酒も、お好きでしたね。
「鎌倉五郎の鎌倉半月、なかなかおいしいわよ。」と買って届けてくださいましたね。
今でも、あの可愛い包装紙を残していますよ。
…もう、お会いできないのですね。

今年も、クリスマスローズの花がきれいに咲いています。
ご冥福をお祈りいたします。

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