その別荘の前を通るたびに、私達はその持ち主さんのことを案じていました。
その別荘は、ずいぶん前に建てられたらしく、私達が引っ越してきた頃には、
おばあちゃまと50代後半の娘さん、そして、犬一匹を見かけることがありました。
11年前のお正月を過ぎた頃、おばあちゃまが亡くなられたのですが、
その後も、娘さんは犬(名前は、重左エ門といいます)と一緒に来ておられたのです。
東京から来られると、決まって、我が家の横の道を、ジュウちゃんと歩いておられましたので、
私がお庭にいる時などは、娘さんとよく話すようになっていました。
我が家のお散歩の時にお会いすると、主人とも話がはずんだりしていたのです。
ところが、ここ数か月…、一年にもなるでしょうか、お見かけすることがなくなりました。
長い間、闘病しながらの日々でしたが、八ヶ岳での時間が好きだと言っておられました。
東京では、家族の為に頑張るから、八ヶ岳では自分の好きな時間を過ごさせてほしいと
家族に話してあるとも言っておられました。
数年前の夕方、別荘のお庭でお見かけしましたら、普段着姿です。
汗を流しながら、クリスマスローズを植えておられます。
「大好きな花だから、植えるために、東京から車で来たところなの。今日の夜には、
東京で用事があるから、植えたらとんぼ返りをするつもりです。」と言っておられました。
それほど好きな場所なのに、何故来られないのかしら?
体調がすぐれないのかしら?
私達は、確認するすべもなく、ずっと心配していたのです。
そんな今日、地元で働いておられる人から、お話を聞くことができました。
「亡くなられたんですよ。」
「えっ?」
私達は、耳を疑いました。
「犬と一緒に別荘に来ておられた時だったんです。東京のご家族が、
連絡が取れないことを不審に思って、地元の人に家に入ってもらったそうですが、
その時はもう…。」
とてもショック…と言う感じです。
ジュウちゃんが私になついたことを、珍しいことだわと喜んでおられました。
ジュウちゃんは、お散歩の途中で、我が家の玄関に走ってきていましたね。
おばあちゃまのご命日を覚えていたことを驚かれましたが、嬉しそうでした。
だって、とても素敵なおばあちゃまでしたもの。
別荘にお伺いした時、「虎さん(虎屋)の羊羹、食べますか?」と言って、切ってくださいました。
甘いものも、お酒も、お好きでしたね。
「鎌倉五郎の鎌倉半月、なかなかおいしいわよ。」と買って届けてくださいましたね。
今でも、あの可愛い包装紙を残していますよ。
…もう、お会いできないのですね。
今年も、クリスマスローズの花がきれいに咲いています。
ご冥福をお祈りいたします。
その別荘は、ずいぶん前に建てられたらしく、私達が引っ越してきた頃には、
おばあちゃまと50代後半の娘さん、そして、犬一匹を見かけることがありました。
11年前のお正月を過ぎた頃、おばあちゃまが亡くなられたのですが、
その後も、娘さんは犬(名前は、重左エ門といいます)と一緒に来ておられたのです。
東京から来られると、決まって、我が家の横の道を、ジュウちゃんと歩いておられましたので、
私がお庭にいる時などは、娘さんとよく話すようになっていました。
我が家のお散歩の時にお会いすると、主人とも話がはずんだりしていたのです。
ところが、ここ数か月…、一年にもなるでしょうか、お見かけすることがなくなりました。
長い間、闘病しながらの日々でしたが、八ヶ岳での時間が好きだと言っておられました。
東京では、家族の為に頑張るから、八ヶ岳では自分の好きな時間を過ごさせてほしいと
家族に話してあるとも言っておられました。
数年前の夕方、別荘のお庭でお見かけしましたら、普段着姿です。
汗を流しながら、クリスマスローズを植えておられます。
「大好きな花だから、植えるために、東京から車で来たところなの。今日の夜には、
東京で用事があるから、植えたらとんぼ返りをするつもりです。」と言っておられました。
それほど好きな場所なのに、何故来られないのかしら?
体調がすぐれないのかしら?
私達は、確認するすべもなく、ずっと心配していたのです。
そんな今日、地元で働いておられる人から、お話を聞くことができました。
「亡くなられたんですよ。」
「えっ?」
私達は、耳を疑いました。
「犬と一緒に別荘に来ておられた時だったんです。東京のご家族が、
連絡が取れないことを不審に思って、地元の人に家に入ってもらったそうですが、
その時はもう…。」
とてもショック…と言う感じです。
ジュウちゃんが私になついたことを、珍しいことだわと喜んでおられました。
ジュウちゃんは、お散歩の途中で、我が家の玄関に走ってきていましたね。
おばあちゃまのご命日を覚えていたことを驚かれましたが、嬉しそうでした。
だって、とても素敵なおばあちゃまでしたもの。
別荘にお伺いした時、「虎さん(虎屋)の羊羹、食べますか?」と言って、切ってくださいました。
甘いものも、お酒も、お好きでしたね。
「鎌倉五郎の鎌倉半月、なかなかおいしいわよ。」と買って届けてくださいましたね。
今でも、あの可愛い包装紙を残していますよ。
…もう、お会いできないのですね。
今年も、クリスマスローズの花がきれいに咲いています。
ご冥福をお祈りいたします。
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