想いのままに…

日々の生活の中で感じたことを、想いのままに綴りたいと思います。

母の命日

2024-07-04 21:16:15 | 日記
明日、7月5日は母の命日です。

41年前のことですが、その日のことを、私は今でも思い出す時があります。
その前日の始業時間前に、大阪の私の職場に母の容態が良くないと電話がかかってきました。
母は、その10年ほど前から食べることや話すことがスムーズにできなくなり、
歩くことも難しくなって、寝たきりに近い状態だったため、
当時は特別養護老人ホームに入所していました。

職場に電話連絡が入りましが、午前中のお仕事を済ませてから、一旦尼崎の自宅に戻り、
午後の新幹線で福山に向かいました。
母は、いつものお部屋ではなく、スタッフ室近くのお部屋で一人静かに寝ていました。
時々目が覚めるらしく、その時は私と話しもしました。
夕方になる頃、雨が降り始めた音に、母は私を心配してくれて、
「母さんは大丈夫だから、あなたはもう帰りなさい。」と言うのです。
「大丈夫なの?」と尋ねると、「大丈夫だから、心配しないで…。」と言いました。

迷った末、私は福山から最終の新幹線に乗ったのです。
尼崎の自宅に辿り着いたのは、夜の12時頃だったでしょうか。

その夜中の3時前に玄関チャイムが鳴りました。
親戚の者が、母が亡くなったことを伝えに来てくれたのです。
施設の人が私に電話をかけてくださったらしいのですが、
疲れから寝込んでいたらしく、私が電話に出なかったとのこと。
それで、第2の連絡先へ電話をかけてくださったそうです。

そのまま朝を待ち、取るものもとりあえず、朝一番の新幹線で福山に向かいました。
母の体は、ぬくもりを感じられるほど温かいような…、でも冷たいような…。

「おかあさん」と、そっと声を掛けましたが、
母はただ静かに…静かに…静かに…眠っているように見えました。
私は前夜の母の言葉を思い返しながら、「ごめんなさい。」と何度もつぶやきました。

一人で逝かせてしまった後悔は、今も時々頭を過りますが、
誰にも心配をかけたくないと思うのが私の母だった…と思いますし、
誰にも迷惑をかけずに逝ければ…と思うのが母の望みだった…とも思えます。

その日も雨でした。
施設の窓から見えたお隣のお宅のお庭に、アジサイが咲いていました。
母にあのアジサイを見せてあげたい…。
私は傘をさしてお隣のお宅に行き、事情をお話ししました。
「いいですよ、どうぞ。」と言ってくださった言葉が優しくて、
私は泣きながらアジサイの花をいただいてきたのです。

母の枕元にアジサイを飾りました。
お見送りの時にも、たくさんのアジサイで…きれいに飾りました。

アジサイは、母とのお別れの花…ですが、
今は、母を思い出させてくれる優しい花…です。


 今日、我が家に咲いていたアジサイです。
 山アジサイの種類のイワガクかと思います。
 葉が虫に食われていますが、
 母だったら、「一生懸命咲いたのね。可愛いわね。」と言うことでしょう。
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