ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

忙しくできることに感謝する春の晴れた日

2009年04月23日 | お家狂想曲
明日から暑くなるそうです。
まず明日は22℃、明後日は29℃、そして明々後日は32℃?!の予報が出ています。もちろんお日様マーク全開です。

なのに今日は、最高気温が15℃、冷たい風が吹いていて、今(夜の11時半前)なんか3℃ちょっとしかありません。ここは砂漠か?

今日は売り手側からの質問がきました。
「あの~、白蟻の被害が出てて修理しなければならないとこってどこっすか?」
「それにね、うちが頼んだオイル会社の人の言うことにゃ、バーナーの交換なんかしなくても全然オッケーらしいんですけど……」

いやあ、かなりのおトボケ戦法です。なのでこちらも、そのノリに合わせて、
「へぇ~、見つかりませんでした?おっかしいなあ……。インスペクターがガンガン突っついてボロボロに壊してあるはずですよ~。場所は○○から右に曲がった所で立ち止まって、ゆっくり上を見上げてみてください。おっきな穴がそこにあります」
なんて感じで返事をしてもらいました。
大きなお金がかかっていることなので、売る方も買う方も必死です。妥協したくないのはやまやまだけど、どこかで折り合いをつけなければなりません。
それをどこの地点にするか、双方の弁護士さん達はバーチャルの世界で頭を付き合わせて探りっこしています。

でも今日は、あの家を見逃したくない気満々の旦那に、事の成り行き次第では、わたしはさらりと身を引く覚悟がある、と宣言しました。
物事には執着していいこととしない方がいいことがあります。押してもダメなら引いてみな。三歩進んで二歩下がる。ワケ分からんこと言うてますが……。

さて、明日はどんなことを言ってくるでしょうか?ちょっと楽しみな気持ちもします。


今日は高校生の合唱伴奏に行くと、指揮者のダリルがいませんでした。なので代わりに合唱指導をすることになりました。
普段は決して口を開かず、ひたすらピアノを弾いているわたしが、いきなりフォルテだのダル・セーニョだのクレッシェンドだのを熱く説明し出したので、
いつもやんちゃをする男の子まで目をまん丸くして大人しく聞いてくれました。
褒めるとまあ嬉しそう!素直な子達!声の出方が全然違ってびっくりしました。
彼らはスペシャルと呼ばれる、どこかに問題を抱えている子供達です。
それは体の一部であったり、心の中であったりするのだけれど、コーラスに来る子達のほとんどは情緒不安定の問題を抱えています。
一度怒り出すとコントロールが利かなくなる子、言葉をとても恐れる子、じっとしていられない子、メンバーは30人ぐらい、30色の個性がそこに存在します。
楽譜を全く読めない子もいるけれど、15もの曲数の音楽をちゃんと覚えているのにはいつも感心します。
そして、彼らが集中した時に紡がれる音の響きの素晴らしさ、これには鳥肌が立つぐらいの感動を覚えます。
月曜から木曜までの4日間、わたしはその高校に通い、毎回50分、彼らと音楽を作っています。5月末にあるコンサートとコンクールまでのお付き合いです。


そしてもう一つ、連弾の曲をまだ決めていないジェーン(今回の舞台パートナー)とわたし……締め切りまであと1週間しかありません。
毎日ふたりしてYouTubeを聞きまくり、気に入ったのがあるとメールで送り、電話で話し合っているのだけれど、今一コレというのが見つからなくて困っています。
わたしはフランスものが好き、彼女は古典が好き、そりゃ合わんわ~とつい最近になってわかりました。
なので、その中間の曲を見つけてみようという案が出て、これからちょっとまた探さないと。

家のこと、合唱のこと、自分の舞台のこと、来週末にあるコミュニティバンドの公演の個人練習、そしてもちろん自分の仕事や家事のあれやこれや……忙しいけどひとつひとつ、片付けていくっきゃない!
そうだよね、桜さん。




返事がきました

2009年04月22日 | お家狂想曲
『白蟻の駆除とボイラーの修理はします。以上』という返事がきました。

白蟻に食われた床支柱の修理をするには、その部分の床全体をジャッキでグイッと上げ、新しい木材を入れなければなりません。
その作業にかかる費用の見積もりが出ました。120万だということです。
さて、わたし達はこの費用を払ってまでも、あの家を手に入れたいかどうか?……それを今夜ふたりでじっくり考えることにします。

極古のオイルタンクはこの際撤去して、ヒーターの燃料をガスに切り替えることにしました。その工事にも5,6十万のお金がかかります。
そして、二階にある台所は、役所に申請されていなかったので、撤去しなければなりません。ただ、そのかわり固定資産税が少し安くなりそうです。
幸い、コンロが電気なので、面倒なのは食器洗い器の取り外しだけ。隣りにあるバスルームと合わせて、そこをバスルーム兼洗濯などの家事室にしようと思っていますが、そういうことに払えるお金を貯めるのに、ローン開始後、いったいどれぐらいかかるでしょうか?

さて、向こうからの手紙への返事がすでにステュアートから送られました。
『いろいろと早急に思案していただき、とてもありがたく思っています。白蟻とボイラーの件を引き受けてくださり、とても感謝しています。
けれども、白蟻によって破損した部分の修復工事は、とても高額な費用がかかります。今一度、ご検討をお願いいたします』
全部をきちんと翻訳していませんが、まあなんて上手なんでしょ!とてもへりくだってはいるけれど、しっかりお願いしまくってます。
さてさて、『どんなことがあっても、どんなふうにお願いされても、工事の費用は払いません!』という返事が返ってきた時の場合を考えて決断しないと。

家を見た人達は、この家の価格は今のこの、経済状況が非常に悪い時期として考えても買い得だと言います。
でも、家の値段に、工事や修理にかかる費用を足していくと、さてはて、本当にお買い得になるのかどうか。
う~ん……思案六法じゃな~、3枚目、コイコイしよっかどうしよか……これこれ、オイチョカブやってんじゃないんだから……

今年の12月で、息子第一号の大学の学費と生活費の支払い、そして息子第二号の歯の矯正費用の支払いが終わるので、今の慎ましさを持続していけばなんとか……なって欲しいもんですねえ……ちょっとここでため息つかせてもらいます、はぁ~。ちょっとすっきりしたへへへ。

どんな返事がくるかなあ

2009年04月21日 | お家狂想曲
ポカポカ陽気に誘われて満開になった木々の花に、昨日と今日は冷たい雨が、時には土砂降りの雨が降りました。
夜には雷の嵐。昨日はとても激しくて、一度なんか家全体がけっこう長く、多分10秒ぐらい、ビリビリと震え、
丁度その時浴槽の湯船の中に沈んでいた旦那(彼はなぜか湯船の中に全身沈ませるのが好き)までもが「お湯がビリビリ震えてた!」と驚いていました
今夜もまた、つい先ほどから、稲光がピカピカ派手に光り出しました。そして明日もまた雨。木曜日から晴れだして、予報では気温が一気に28℃近くまで上がるとか……なんだか荒れ狂ってますねえ~。

そんな春の嵐の真っただ中、我々からの要請が、弁護士ステュアートより相手側に送られました。
なぜだか旦那は、要請書の送付締め切りが木曜日だと思い込んでいて、じりじりと待っていたステュアートから催促の電話をもらって大慌て!
業者さんに来てもらって、白蟻の駆除、柱の再生工事、オイルタンクやボイラーの修理などにかかる費用の見積もりを出してもらい、
ブルームフィールドの町役場に行って、二階にあるキッチンは許可がおりているか、元ガレージを壊した時の許可がおりているか、
隣接している空き地(今の家主さんの庭)は、将来不動産として価値があるのかどうか、などなどを調べてもらいました。
ここらへんの家は、内装を変えたり、台所を直したりするだけでも、いちいち町役場に出かけて行って、許可をもらわなければならないそうです。
そういえば、お金持ちの大人生徒がこんなことを言っていました。
「裏庭に、ちっぽけなプールを造って足でも浸けて涼もうと思ってさ、それで役所に行って申請したら、税金50万上がりますってさ?!アホらしくてやめた」
恐ろしい町ですねえ~
もう数字だらけ、人だらけ、業者だらけ、思いっきりパニックです
慌て過ぎて、一項目抜けちゃってたんですが、とにかく締め切りに間に合わせることはできました。
あとは寝て待て。売り手側の出方を待つのみです。7日以内に向こうからの返事が送られてきます。
一旦はわたし達に売ろうと決めた彼らですが、さてさて、今後も同じ気持ちでいてくれるかどうか。

ローンを組むのは、一年前の同じ時期に比べてかなりマシな状況になっています。昨年の収入が一昨年のそれよりも増えたこと、クレジットカードの使用状況がエクセレント(優良)になっていること、金利自体が下がっていることなど、わたし達にとって有利なことが多いので助かります。
ちょっとドキドキしています。昨日は旦那もわたしもちゃんと寝られなくて、こんなこっちゃ身がもたんってんで、今日は心して眠ることにします

春爛漫ショートカット

2009年04月20日 | ひとりごと
昨日一昨日と、素晴らしく春だったのに、今日はどぉ~~~んより曇ってしまいました。やっぱり昨日、桜公園に行っておくべきだったかなあ……。

でもでも、昨日は月に2回の食品調達日と、半年に1回の散髪日になっていたので、それをすっぽかすわけにはいきません。
道すがらの桜やマグノリア、花水木や萌黄色の木々の若葉を楽しみながらドライブしました。
運転するわたしの横には、鼻水ズルズルの旦那……。彼はこんな状態でも、家に独りでいるのは退屈過ぎてイヤ!というので、一緒についてきました

うちは基本的に、食品調達は月に2度。ドーンとかため買いします。
行き先はミツワ(ジャパニーズマーケット)&トレーダー・ジョーズ(グルメスーパーですが価格は安い!)&ハナリウム(コリアンマーケット)の3店舗。

ここで突然ですが、我が家の買い物パターンをご紹介します。
ミツワ=米、干し魚、薄切り肉、椎茸、納豆、高菜漬け、沢庵、せんべい。
トレーダー・ジョーズ=ネギ、レタス、チーズ、バナナ、クラッカー、ジャム、旦那用のクッキー、わたし用の薄焼きクッキー。
ハナリウム=わたし用野菜全般、果物全般、キムチ、韓国風餅デザート、ごま油、生胡麻。

そして、随時、無くなった時に行く店として、

コストコ(大型会員制倉庫店)=ティッシュ、トイレットペーパー、バター、ベーコン、卵、非常時用の冷凍食品、文房具、猫の砂。
ホールフーズ(グルメスーパーで価格は高めなので、買い物時には要注意!)=牛乳、ヨーグルト、たま~に肉類。
コラドーズ(イタリアンマーケット)=チーズ、旦那用野菜全般、オリーブ。

とまあ、かなりはっきりと店別に買う物が決まっていて、お店に行ってもそれら以外の物に手を出さないので、無駄買いはほとんどありません。
この方法に変えてから、買い物にかかる時間とお金が随分はっきりしてきて、わたしと旦那は気に入っています。


さて、半年に一度の散髪は、エリさんという美容師さんにいつもお願いしています。
彼女はわたしの髪質や癖、頭蓋骨の形、そしてわたしがいかに無精で無頓着なのかをよぉ~くご存知なので、それにぴったりのカットをしてくれるのです。
今回は、前回の家騒動の時に見つかった円形ハゲも無く、それだけでも前回よりはまだ穏やかな日々を過ごせているようです。やれやれ……
「さて、今日はどんなふうにしますか?」
「うぅ~ん、イメチェンしたいけど、めんどっちぃのはイヤやし……」
「イメチェンねえ……」
ふたりでしばし、手の甲に顎を乗せながら、鏡の中の顔を眺めて思いを巡らします。
「じゃあ、伸びるだけ伸びちゃったの、パァ~ッと切っちゃいましょうか」
「パァ~ッとって……」
「だってまうみさん、半年以内には絶対に姿を現さないんだし、それぐらいほっぽってても全然かまわないぐらいに」
「そんなんいっつものことやん」
「そういやわたしのお客さん、みんな平気に長いこと来ないなあ……」
「だって、エリさんに切ってもらった髪、伸びても伸びてもいっつも快適なんやもん」
「え?じゃ、それってわたしのせい?」
「多分……」
「そんな、商売上よろしくないことをしてただなんて……でも、だからってわたし、手を抜いたりいい加減なことするのプライドが許さないし……」
ちょっと真剣に悩んでいるエリさん。そうだよぉ~、あなたのそのプライドと技術の確かさにわたしは惚れてるんだよぉ~

今回も、やっぱり前髪は切らずに(モノグサには短い前髪は×)、けれども全体的にかなり短く切ってもらいました。あ~軽くなった!
もう20年近く、ただただカットのみ、毛染めもパーマも全くしていない直毛一直線!エリさんは、とても楽しそうにハサミでチョキチョキ切ってくれます。

また半年後、多分カーネギーの舞台直前に行って、ピアノ弾きっぽい、ちょいとおすましカットをしてもらいましょう

YouTube Orchestra

2009年04月19日 | 音楽とわたし
全く知らなかった!こんなことが現実に叶っていたなんて

いろんな新聞記事より。

『インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」を通して世界各地から選ばれた約100人の音楽家が15日夜、「ユーチューブ・オーケストラ」としてニューヨークのカーネギー・ホールで演奏した。

楽員を選ぶオーディションを、ネットで実施した初めての楽団となる。
応募は世界70以上の国と地域から3000人を超えた。

指揮はマイケル・ティルソン・トーマス。

カーネギーホールでの演奏に臨んだのは、インターネットを使ったオーディションで世界中から選ばれた96人のオーケストラ。
30か国から選ばれたアマチュアを含めた音楽家は、本番当日が初顔合わせという人がほとんどだった。

応募者は自分の演奏をビデオで撮影して動画サイト「YouTube」に投稿、「ニューヨーク・フィルハーモニック」など世界トップクラスの交響楽団が審査した。
ネット上での楽員選考過程から関わり、公演数日前になって初めて顔を合わせた楽員らをまとめ、楽団に仕上げた。

3000人以上が応募した中、日本人は須藤英子さん(トイピアノ)、長田浩一さん(オーボエ)、高藤摩紀さん(マリンバ)の3人が勝ち抜いた。
会社員の長田さんは「(オーディションに)『出ようか!』と決めて、最初にしたのがビデオを買いに行くこと」と話した。
高藤さんは「音楽家にとって、カーネギーホールで演奏するのは夢のまた夢。すごくうれしい」と語った。

YouTubeが「世界の埋もれた才能を発掘したい」と始めた世界初のこの試み、クラシック界に新風を巻き起こすことはできるだろうか』

 
早速ユーチューブのサイトで見てみました→ http://www.youtube.com/watch?v=ueJcRmfweSM
昨日からなぜかユーチューブづいてるなあ……。
またひとつ、今年の誕生日にすてきな出来事が増えました。
次回の応募を見逃さないようにしよう!

Britain's Got Talent

2009年04月18日 | 音楽とわたし
カジノのスロットマシーンに、ものすごぉ~く強烈な風邪菌がついていたのでしょうか?アトランティックシティから戻った途端、旦那が風邪をひいてしまいました。
それもかなり重症です。鼻水が止まらなくて、歩いているだけでポタポタ落ちてしまいます。とってもレ・ミゼラブル
今日治療することになっていた患者さんに事情を説明して断ろうとしたみたいですが、「風邪ひいててもいいから治療して!」という方が若干2名……、
旦那はティッシュを両方の鼻の穴に突っ込み、鍼道具の入ったおっきな鞄を手に出かけて行きました。
戻ってから、風邪にいい大根の煮物などを食べて様子を見ていたのだけど、だんだん酷くなってきてるようです。大丈夫かなあ……。


夕飯後に、当分離れてた方がいいからと、一緒に『Milk』のDVDを観る予定だったのを中止して、わたしはそれじゃ~とパソコン遊び。
そこに息子Tからチャットが送られてきました。

ちょっとコレ見てみ。youtube.com/watch?v=9lp0IWv8QZY

彼女の名前はスーザン・ボイル。教会のボランティアで歌を歌っている、独身の、まだキスさえ1度もしたことがない47才の女性です。
容姿には決して恵まれているとは言えないけれど、彼女の歌声はとても豊かで、歌うことが楽しくて仕方がない喜びに満ちあふれています。
彼女は先日行われた『Britain's Got Talent』の初回オーディションで、レ・ミゼラブルの『I Dreamed a Dream』を歌い、会場を魅了しました。

わたしは偶然、今朝、ニュースを読んでいる時に彼女の記事を見つけ、Youtubeで既に聞いていました。それを息子に言うと、

じゃあカカア、この人のこと覚えてる?youtube.com/watch?v=1k08yxu57NA

もっちろん!
彼の名前はポール・ポッツ。携帯電話のセールスマンとして紹介されたけれども、彼は16才の頃からオペラ歌手になりたいという夢を持ち始めた人です。
でも、歌手になるには、容姿もそれなりに良くなければならないということから、自信を持てない彼はプロの道を諦め、アマチュアの世界でボランティアで歌ったり、自分でコツコツとレッスンに通ったりしていたそうです。
出勤途中の事故で長期の入院を余儀なくされ、高額の支払いのために音楽の勉強を一切絶った彼。そして4年の沈黙を経て『Britain's Got Talent』のオーディションに臨み、『誰も寝てはならぬ』のアリアを歌い、会場を仰天させ、見事世界的に活躍する歌手になった人です。

Tは、やけに47才のおばちゃんが、という点を強調するので、ほんの冗談のつもりで、「わたしも出てみよっかな~」と言うと、
「よっぽどイケてなあかんで」と何気に真面目な返事が……あのオカンのこっちゃ、やりかねん、とでも思われているのか……複雑な心境です。
でも、ひいき目に想像するに、学歴なんか無くても、ほれ、こんなチャンスを掴む人もいてるねん。オカンも頑張れ!と言われているような気もします。
彼らに共通していることは二つ。音楽を自分の体の一部のように愛していて、ずっと歌い続けてきたこと。そして夢を抱き続けてきたこと。

あれこれ話していると急に、「オレ、これずっと聞いてる」と言って、パバロッティが『誰も寝てはならぬ』を歌っている画像を送ってきました。
へぇ~、こんなん聞いてるんや。意外に思いながらも嬉しくなって、それからひとしきりパバロッティやトーランドットのオペラの話をしました。
聞いていて鳥肌がたったり、胸が熱くなったり、涙が思わずあふれてきたり、そういうことに飢えている様子。
今年の夏は、就職活動のために日本に滞在予定のT。この家に居られる日にちは少ないだろうけど、もしタイミングが合ったらオペラを聞きに行こうと約束しました。

そんなことを、ついさっき旦那の足をマッサージしながら話していると、
「え、今朝、メールで送ってなかった?その女性のこと」と旦那が鼻声でポツリ。
「ううん、もらってないで」
「送ったと思てた」
「彼女のことなんで知ってんの?」
「ニューヨークタイムズの電子版で読んだ」

3人それぞれが、朝の別々の時間に、別々の所で見つけた記事でした。
それが、夜になってつながりました。
そのつながりが、なんだかほんのり嬉しかったのでした。


アトランティックシティーからの生還

2009年04月17日 | 家族とわたし
行ってまいりました!そうして無事、現世に戻ってまいりました!って……大袈裟?

車で延々と120~130キロでぶっ飛ばし、2時間弱で着いたアトランティックシティー。噂には聞いていたけれど、堂々の嘘っぽさです。
海岸沿いに、どうにもいただけない風情のビルが建ち並んでいます。これらのビルすべてがカジノ付きのホテルなんだそうです。



ホテル近くの、その名もアトランティック通りに曲がる交差点。富豪トランプ氏の仰々しいホテルがその角にありました。




ふたりとも、カジノ付きホテルなんて泊まったことが無いので、どんな服装で行けばいいのか、なんてことまで悩んでいましたが、やっぱりここはアメリカ、無用の心配でした。駐車場に車を停めて、いざフロントへ!
平日だったからか、こちらからはなんにもお願いしていないのに、海側の大きなベッドが二つ入った部屋に替えてくれました。
何基も並ぶ金色のエスカレーターで上っていくと、いきなりカジノがドッカァ~ン!いったい何台のスロットマシーンでしょ?見事な並びっぷりです。
別の棟にあるホテルまでの長い道程には、両側びっしり高級ブランド店のオンパレード。天井は嘘青空。そしてココナッツミルク香料がムンムン?!
平日だというのに、結構な人手です。子供連れの家族もたくさんいました。
カジノは21才未満は入場できません。あのちびっ子達は、ホテル内にある遊技場やショーなどに連れてってもらったのかな。
でも……やっぱさぁ~、場違いだよね~わたし達……かなり気が引けてしまいましたが、せっかくです、楽しまにゃ~!!いぇ~い

ってことで、生まれて初めてのロブスター一尾を旦那と半分こしていただき、美味しいワインを飲み、ろうそくを立てたケーキをサービスしてもらい、
ほろ酔い気分でカジノへダッシュ
旦那もわたしも、本格的っぽいゲームには気が向かず、遊んでいる人の後ろからチラチラ覗いては迷惑がられ、遊びますか?と聞かれては首を横に激しく振り、
思い余って座った25セントで遊べるスロットマシーンに、まずはお試しにと1ドル札を入れ、適当なボタンを押すと……シーン……
あれれ?
ちょっと、なんで?もう終わり?
まだなんにもしてへんのに(茫然自失)。
係の人呼ぼっか。
あほ、1ドル入れただけやのに、そんなんで呼んだらめちゃ格好悪い(その1ドルで狼狽えてるのは誰やねん?)
ええやん、だって、遊び方分からへんねんもん、教えてもらわな。パチン!
あ、押してまいよった……。

やって来た係員、わたし達の話を聞いてかなり固まっていたような……。やっぱり1ドルってのがマズかったんでしょうか……。
でもまあ、遊び方は分かって満足したわたし達。んじゃ、一発やってみっか~!と、相変わらずふたりくっついて探しまわり、見つけたのがまたセコい!
5セントで遊べるスロットだったのでありました。にゃはは~
でもね、でもね、5セントで5段とか賭けるので、実際は25セント使っちゃうわけで、もうそれだけでドキドキ
5ドル札を入れて、勝ったり負けたりしながら結構時間稼いでいるわたしの横で、なんと、旦那がビギナーズラック
まあ、ラックったって、賭け金5セントっすから、勝ってもその範囲なんっすけど、でもでも、ふたりして使った100ドル+20ドル稼いでくれました!
なので、今回のカジノ、20ドル儲け!です。

いやあ、なんとも小学生っぽいカジノ初体験。結局、ブラックジャックもポーカーもルーレットもしなかったけど、それなりに楽しかったです。
煙草の煙も一切無かったですしね。これは、排気ガスや煙にアレルギーを持つわたしにとってはとてもありがたいことでした。
ただ、空調のきいた密閉された空間、というのが大の苦手の旦那。53階の部屋では窓も開けられず、息苦しい、鼻が詰まると大騒ぎ。
わたしもエアコン苦手人間なので、眠りにくかったのだけれど……。

ってなわけで、旦那とわたし、身ぐるみ剥がれずに無事戻ってまいりまして、どちらもこれから仕事です。
家の頭金、もしかしたら手に入ったりしてぇ~なぁんて、やっぱ夢の中の夢物語、でした。真面目にコツコツ働きまぁ~す

1 Winsor Bloomfield, New Jersey

2009年04月16日 | お家狂想曲
はじめまして、ウィンザーのレンガ家です。長雨が上がり、急に暖かくなったからか、いきなり桜が満開です!



さっそくインスペクターのビルおじさんが、わしに任さんかぁ~い!とばかりに威勢良くやって来てくれました。
家の周りをグルグル、庭を一歩一歩、捜査官のような精密さでもって、あらゆる所に目を光らせては「あ~見っけ!」と嬉しそうに説明してくれるビル。
今回もやっぱり、たくさんの講義を聞かせていただきました。
レンガの壁のツタは、見た目はいいけど、家のためには良くないのでぜぇ~んぶ撤去!
ここは以前ガレージが建ってた所に違いないから、今も持ち主が市の許可を得て取り壊しているのかどうか調査!税金が違ってくるからね。
あ、この階段のこの段は、あと何年かしたらやばいなあ~。けど、ここだけだと思って修理を始めても、開けると何が出てくるかわからんぞぉ~と脅すビル。
けれども、ありがたいことに、今回の家には地中に埋まったオイルタンクは無さそうです。前回はこれで随分泣かされたので助かりました。

家に入ると即地下室に。トレードマークの長い懐中電灯片手に、どんどん進むビル、立ち止まるとすぐに講義が始まるので、金魚のフン状態のわたし達。

「こりゃ骨董品じゃわい。けど、状態はいいからまだまだイケるぞよ」「マジっすかぁ~?」



「あ、こりゃあかんわい。このバーナー、新品と交換ね。どうしてかってぇと……(長い講義開始)」



「おっ、こりゃかなりお金が儲かるぞい。ネットでオークションにかけてみんしゃい。マニアが集りよる」
「え?なんでこんなんに?」
「こんなんって失礼な!正真正銘ソープストーンで作られたシンクじゃからな。完全な状態で残ってるし。これは大事に保存しなされ」



地下室の壁は、それぞれの部屋によって違います。ここは外への出口に1番近い部屋の壁。



ビルおじさんの仕事っぷりです。写真を撮っていると「わしの写真撮ってどないする?」と聞かれたので、「日本語のブログに載せます」と答えると、「っつぅことは、もしかしたらわし、日本人のべっぴんガールフレンドができちゃうってこと?」とご機嫌。52年連れ添った奥さんに言いつけるぞぉ~。



ビル氏の真ん中の写真でも分かるように、家の後ろ側の増築した部分の地下の天井に白蟻の被害がありました。丁度1階のバスルームの下です。
ここではかなり時間を使って、あちこちの柱や木枠をノミのようなもので突いていました。この家の1番大きな問題になりそうです。

というわけで、無事にインスペクションが終わりました。
修理改善に必要な工事の規模と予算を各専門の方々に調べてもらい、その予算を挟んで、再び売り手と買い手の弁護士さんが話し合います。
どちらにしてもこの地域は、家の何かを改築したり修理したり取り壊したりする毎に、まずは市の許可をもらわなければならないという面倒な法律があります。
まあ、今回はまだ、夏休みに入っていないので、相手や業者のバカンスが終わるのを待ったり、ノロノロうだうだされる心配は無いと思うのですが……。

旦那もわたしも、買うと腹を決めました。
旦那はまだ、家の向かって左隣の、なかなかチャーミングな庭をセットで買おうかどうか思案しています。
家のオーナーが所有しているその庭は、銅の彫刻家の息子さんの作品が置かれていたり、花壇や植木が上品に配置されている素敵な空間なのですが、
如何せん、税金が高い!年40万?!
ええやん、どっかの誰かが買って、そこに家を建ててしまうまでの間楽しませてもろたら。とわたしはなんとか説得しようとしているのですが……。

そうそう、その彫刻家さんのことで思い出しました。
3階の部屋を調べていたビルおじさん。天井の1部をずらして天井裏に上半身をすっぽり隠し、周りをぐるりと見回していた時、「おぅ!こんなとこにガイ(男)がいる!」と叫んだのです?!
脚立の足元でビルを見上げていた旦那とわたし。顔を見合わせた後、次の言葉を待ちました。でも、彼は同じことを繰り返すばかり。
「ねえ、男ってなによ、ねえ、何がいるの?」たまらなくなってわたしが聞くと、ニヤニヤしながら降りてきたビル。
「だからガイだよガイ。なんだったら自分で見てみな」
「あのねえビル、まうみはちょっとあっち系の世界と通じてたりするもんで、変なこと言わない方がいいよ」と忠告する旦那。
「変なことなんか言ってないって、ほれ、これで見てみな」と旦那に懐中電灯を渡すビル。「うわっ!」
そしてわたしにも番がきて……、
確かに、いらっしゃいましたです、こっちを向いてるガイが……しかも首だけの……。
彫刻家の息子さんの作品のようです。他にも銅の作品などがいろいろと置かれてありました。
「この家の守護人ってことや」と、むちゃくちゃ無理矢理に片付けてしまおうとする旦那。豪快に笑うビル。ちょっと心配そうに天井を見上げるわたし。
凸凹トリオは、懐中電灯と脚立を持って、下の階に降りていったのでありました。

さて、来週の木曜日までに、ビルが書き出してくれた問題すべての件について、双方ともに納得できる手段を考え出し話し合わなければなりません。
三匹の子豚の末っ子ウーが建てたのと同じ頑丈なレンガの家。わたし達、ウィンザーの住人になれるのでしょうか。

4月15日を想う

2009年04月15日 | ひとりごと
こちらに来てから、誕生日を聞かれて答えるたびに、「ごめんね、こんな日で」と付け加えることになったわたし。
その日は確定申告の締め切り日で、働いている大人だったら誰でも、鬱陶しいというか、めんどっちいというか、かなり楽しくない日です。

気分直しに、その日になにかいい事がなかったか、記念になるようなことがなかったか、探すようになりました。
すると……、

イチローが胃潰瘍から復帰して、チームに加わる日だというのを読んで、もしかしたら張本選手が打ち立てた日米通算安打3085本を超える記念の日になるかも!と楽しみにしていたら……、



どっか~ん!なんとも派手に追いついたイチロー選手。
写真を眺めていると、なんだかおかしい……妙な違和感が……あれ?なんで背番号に4の数字がついてるん?休んでるうちに背番号盗られちゃったん?

疑問に思った時は即調べる。便利な世の中になりました。誕生日が嬉しくなる記事を見つけました。

↓ウィキペディアに詳しく載っています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3 

↓これは新聞記事からの抜粋です。

米大リーグ史上初の黒人選手となった故ジャッキー・ロビンソンのデビューから62年目を迎えた15日、各球場で功績をたたえる催しが実施された。
昨年からデビュー記念日には、希望者はつけてもいいことになったロビンソンの背番号「42」を、ことしから選手やコーチら全員が身に着けて敬意を表した。

メッツの新たな本拠地シティ・フィールドの式典には夫人のレイチェルさんが出席。人種差別が激しかった当時を振り返りつつ「われわれが直面した事態、経験してきたことは、これまでも語られてきた。素晴らしい日」と喜んだ。

史上初の黒人○○という言葉の裏側に、言葉にはし尽くせない苦難と努力と忍耐が隠されているのだと思います。
それを知るのは、身を以て体験した人達だけなのだけど、それを我が事のように想像し、思いやり、そこから生まれた尊敬の念を現す粋な計らい。
全米各地で行われた試合の中で、選手や監督・コーチ全員がつけた背番号『42』、ジャッキーさんに見えたでしょうか。



15日も、そんなに悪くないじゃん。そう思わせてくれたイチローとジャッキー、どうもありがとう

曇り空の下で

2009年04月15日 | ひとりごと


昨日、遠くからうちに習いに来てくれている大人生徒のTさんが、でっかいバースデーケーキをプレゼントしてくれました。
彼女は、ここで前にもお話したことがある、脳腫瘍の手術から生還し、レッスンをまた再開してくれた女性です。
わざわざ、生クリームが限りなく日本のそれに近いというので有名な、コリアンのパリジャンというケーキ屋さんで買ってきてくれました。感謝!

夜に甘い物を食べない我が家。なので、ちょっと変だけど、お昼にお祝いすることにしました。

それにしても薄暗いキッチンです。今の雰囲気をお知らせしたくて、自然光のまま写真を撮ってみました。
春爛漫、夏日が続く日本とは、かなり違うんだろうなあ。

さて今日は、朝の8時半に旦那母からのお祝いコールがあり、彼女はア・カペラでバースデーソングを歌ってくれました。
そして息子K、「冷蔵庫の中に謎のケーキ発見!」などと、すっとぼけたことを言ってげんこつを食らい、
旦那は顔を合わせるたびに「Happy Birthday!」を連呼し、
わたしはせっせせっせと4杯の洗濯を片付ける……。

実は、今日はふたりともが忙しいスケジュールなので(ありがたいことです)、誕生日のイベントは明日に繰り越すことになっていて、
なんと今年の旦那からのプレゼントは、カジノ?!いぇ~いっ!!

デヘヘ、ほんとはドキドキ恐々の我ら極小市民。だって、長い長~い貧乏暮らしだったし、こっちに来てからもやっぱり大変だったので、
そんな、賭け事にお金を使うなんて滅相も無い!っぽく生きてきたわたし達。
ふたり揃って心臓バクバクの初体験です!!
場所は、ニュージャージーのラスベガスって呼ばれているアトランティックシティ。こっから車で海岸沿いをひたすら南下します。
まあ、贈り物の予算は50ドル。それ以上超えると自腹?めちゃんこかわいらしい賭け事です。

さてさて、わたし達にビギナーズラックの女神は舞い降りてきてくれるでしょうか


追伸

もうすぐ今日が終わります。
メールで、カードで、電話で、Facebookで、そしてここで、お祝いをしてくださったみなさん、本当にどうもありがとう。
今年は息子Tも忘れずに、おめでとうコールをかけてきてくれました。
何才になっても嬉しい誕生日。次の誕生日までまた1年、音や文字で心を紡いでいく作業を楽しんでいきたいと思います。
いろんな人達に支えられて、これからもイチビリでやんちゃな五十路街道、てくてくと前向きに歩いていきたいと思います。
こんなわたしですが、これからもどうぞよろしく