ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

風評被害ってなんやのん?

2011年04月04日 | ひとりごと
風評被害ってなんやろ。
数日前から、このことについて考えています。

三重県に住む母とスカイプで話すといつも、「あんたらアメリカがうるそう騒いだから、みんながえらい騒ぎになった」とか、「ちゃんとわかってへんくせに、よその遠いとこの国が、あれやこれやと勝手に数字やら予想やら出すから、えらい迷惑」などと言ってかなりおかんむりです。

ほんとはそんなに危ないことないのに。
あんたらが騒ぐほどえらいことになってへんのに。


ほんまにそうなんやろか。
ほんまのほんまに、あれだけの原発施設がボロボロになって、穴が空いて、そこからものすごく濃い放射能で汚染された水やら気体やらがずうっと出続けてるのに、
それがなんでそんなに危なくないのやろ。

未だ、放射能汚染の人体への影響というものがはっきりとわからないままの、そんな程度の世の中やから、いろんな数字を並べてみたところで、
もしくは、空気で拡散される汚染分布図なんかを発表し続けたところで、
そんなもん聞いたり見たりしても、いったいそしたらどないしたらええのか、どんなふうに防御したらええのか、誰もきちんと説明してくれへんねんから、
そんな状態でクヨクヨ心配し続けたら気がおかしゅうなってしまうから、いっそのこと無かったことにして、多分大丈夫ちゃうかと楽観することにして、
幸いにも、その汚染は臭いもなけりゃ見えもせんし、しかも、ただちに悪影響も出えへんらしいし、とりあえず無視することは難しく無いもんね。


さて、わたしはこの人のことを、今の今まで全く知りませんでした。
中央大学の武田邦彦という教授です。
ウィキペディアで調べると、なんかちょっと大丈夫かいな……と思えたりする人やけど、今回のこの情報に関する彼の態度は、わたしにはどうしてもええ加減やとは思えません。
なので、地震後、ずっと読んできました。

そこに、風評被害というものについての記事もありました。
福島県や、その近辺の県の農家の方々は、今回のこの原発事故のために、ものすごい苦しみを受けなあかんことになってしまいました。
誰のせいでもない。
未曾有の災害と、そういう規模の災害が起こる可能性をまるっきり無視して、奢り高ぶってたばかりか、儲けることばかりに執着してた大バカ会社の経営陣と政治屋の連中のせいです。
放射能に汚染されてしもた野菜をどうしたらええのか。
これからの農業はどうなるのか。
もうすでに、日本の多くの人達は、多かれ少なかれ、皮膚から放射能を浴びてます。その上、誰が好き好んで口から内臓まで放射能を浴びせたいやろか。
そんなん、もう数字の多い少ないとかの問題とちゃいますやん。
食べとうないでしょ?
心配しながら食べとうないでしょ?
汚染を除去するのに、この先いったい、何年、何十年かかるのか。
いや、それよりもまず、この汚染がこの先、何ヶ月、何年続くのか、それすら全く予想もつかへんのです。
政府は、被害に遭うて耕作してもしゃあない土地、あるいはこれから遭うことになる土地に、作ることができなくなった期間分の補償をしてあげて、とりあえず今はもう、その場から離れるか、他のうんと離れた土地に移るかできるよう、適切な誘導をしてあげなあかんのちゃいますか?
でも、農家の人達にとって、自分達が耕してきた土地がどんなに大きな意味があるか、それを少しは体験したことがあるわたしは知ってます。
どんだけ汚れてしもても、どんだけ自分らの健康が蝕まれる可能性があっても、やっぱり元の土地に戻りたい。そこで暮らしたい。そう思てはる人はいっぱいいはると思います。
けど、これはカイワレなどの時と全く事情がちゃうし、問題の規模も、問題の収束までの期間も、みんなまるで違います。
健康の損ない方も多分、ものすごく辛いもんになると思います。
よその人間がガチャガチャ言うな!と怒らはるでしょうけど、漁業も農業も、こんなにも放射能で汚染されたとこでは成り立たへんのとちゃいますか?

風評風評って言うけど、聞くのが辛い、あるいは聞きたくないような内容のことでも、それが真実で、聞く必要があって、聞いたことで各自で覚悟したり対処の方法を考えたりできる情報がきちんと与えられていたら、そんなとこに風評なんか存在せえへんのやから。

マスコミさん、どこか1局でも1誌でもええから、あんたらが考えてることや手に入れた情報や予想の中で、これは人々が知るべきやと思えることをはっきりと言える勇気のある人はおらへんのですか?
番組の中で、言いたいこと言うてる識者や学者に、「その根拠はどこにあるんですか?」とか、「その言葉の責任を、後にあなたが、あるいはもしその時既にあなたがこの世にいなかったら、あなたの子や孫が取らなければならなくても、それでも言えるのですか?」と問い詰められる人間はおらへんのですか?

まあええわ、そういう連中が言うてる言葉を鵜呑みにするほどみんなはボケてへんから、影響は少ないと思うし。
さて、ドイツやノルウェーが毎日、放射能拡散予想図を出してます。
先述の武田氏が、そのことについて記事を書いてはります。
興味のある人はもう多分読まはったと思いますが、明日と明後日、一時的にではあれ、ほぼ日本全土に汚染が拡がる怖れがあると出ています。
風による汚染やから、時間も程度もようわからんし、それになんちゅうても予想なんやから、全くハズレるかもしれません。
けど、感じとして、ちょっと気をつけよかな。外に出るのは控えよかな。外に出る時はマスクしよかな。みたいな予防を考える目安になるかなと思たので、ちょっと紹介しときます。

原発 緊急情報(47) 汚染・6日に日本全土に拡がる怖れ


それからこれは彼が出し続けている情報のブログ『ほんとうがいちばん』
内容の信憑性は、読んで自分で判断してください。