「アリー スター誕生」
人気カントリー歌手のジャクソンは、立ち寄ったバーで歌うアリーに感銘を受け、自分のツアーに彼女を誘う。歌手になる夢を諦めていたアリーは、戸惑いながらもジャクソンとともにステージに立つが…
レディー・ガガの映画初主演作として、公開前から話題になってた作品。多くの女性人気アーティストが、女優としても成功しようと目論んで失敗してますので、ガガも同じ轍を踏むんだろうと誰もが思ってたけど、いざ蓋を開けてみたらガガの演技は絶賛の嵐で、アカデミー賞主演女優賞のノミネーションも確実視されるなど、予想を見事に覆す大成功を収めたのでした。で、私の目から見た女優ガガはどうだったかというと…
その独特というか特異な衣装やパフォーマンスで、ユニークを通り越してキワモノ、イロモノ歌手ってイメージのレディー・ガガの素顔は、デーモン小暮やゴールデンボンバーの樽美酒以上に謎だったので、原型に近い彼女が見られるのも楽しみでした。ゴテゴテ衣装やガッツリメイクで盛ってないガガは、美人だけどかなりキツそうな鬼顔でした。体つきもゴツくてイカツい。ゲイクラブで歌う彼女、どう見てもオネエさんの一人さすが本業は歌手、あたしは口パクなんかじゃないわよ!なドヤドヤな入魂のパフォーマンスは、エモーショナルで迫力満点。情が深い、情に脆い女心の表現がちょっと力強すぎるというか、オーバー気味な演技に映画半ばでオナカイッパイになってしまいましたが、いつも同じ女優や似たような女優ばかり見てる目には、映画女優ガガの個性と演技は新鮮でした。
周囲にはべらせてるのがゲイや黒人ばかりというのが、マイノリティーの味方であるガガらしい演出。ガガの熱唱シーンも見どころ。「ボヘミアン・ラプソディ」と違って、あ!この曲!知ってる!好き!な楽しみ方はできませんが、曲を即興で作って即興でパフォーマンスするアリーの天才ぶりに驚嘆。才能あるアーティストって、みんなあんなことできるの?!アリーとジャクソンが初めてステージでデュエットするシーンとか、完璧なハーモニーすぎ!あんなん入念なリハーサルしても難しそう!とにかく、凡人はだだもう黙ってひれ伏すしかないアリーの才能でした。才能もだけど、ジャクソンと出会えたアリーの運の良さも神ってる(死語)。才能も運もない私なので、羨ましいかぎりです。
スターになって富と名声を得れば得るほど、どんどんケバくなっていくアリー。いつものガガに近づいていってるのが、何だか皮肉な展開でした。アリーの大衆に媚びた下品なパフォーマンスを見て悲しむジャクソンの表情が印象的でした。ただのサクセスストーリーではなく、スターの虚栄の醜さと悲しさも描きたかった意図も感じられました。アリーが昇れば昇るほど、輝けば輝くほど、ジャクソンは暗く沈んでいく姿が悲痛。王子さまに見出されたシンデレラ物語というより、栄える者あれば滅びる者ありな栄枯盛衰、盛者必衰の物語でした。
ガガ渾身の演技も賞賛に値しますが、私はジャクソン役のブラッドリー・クーパーの演技のほうに心惹きつけられました。もともとブラパが大好きだからということもありますが、今までの作品の中でも屈指の名演だったのもその理由です。
カッコいいのに全然カッコつけておらず、スターらしからぬ温かみがあって、どんな失礼な一般人にも怒ったりセレブぶった気取りも見せないジャクソンは、ブラパご自身とカブるキャラなのでは。エラソーに指導したりせず、包み込むようにアリーの才能を引き出すジャクソンの優しさに萌え~。包容力のある大人の男だけど、少年のような純真さと傷つきやすさで母性本能もくすぐる男、だけど精神不安定でどこか破綻してる男、というブラパのオハコ役でもありました。いつしかとんだお荷物、足手まといな存在になっていくジャクソンは、イケメンなだけの演技ビミョー俳優が演じてたら、ただもうウザいだけの男になってたでしょうけど、チャーミングなダメ男を演じさせたら世界一かもしれないブラパだと、絶対にジャクソンを見捨てないアリーもだめんず女に見えないのです。ブラパの、あの見捨てないでと訴える子犬のような目!あれは卑怯!反則!アリーのグラミー新人賞受賞のステージでの醜態は、極めつけのダメ男っぷり。痛ましくも笑えた。
ご自身が監督を務めているので、ガガだけでなく自分の魅力も活かすことにも尽力し、成功したブラパの才能にも感嘆。歌もギター演奏もお上手でカッコいい。悲しい最期も痛ましかったけど、私がジャクソンだったらおとなしくアリーのヒモとして幸せに暮らすわ~と、ジャクソンのガラス細工すぎる心がもどかしくなりました。ラストシーンのアリー、ちあきなおみの「喝采」みたいで笑ってしまった。ケバいセレブになっても、優しくけなげで常識を失わないアリーですが、ちょっといい人すぎ。ガガの怖い鬼顔と怒った時の迫力のせいか、結局は男からすべて吸い取って成りあがったヴァンパイヤ女にも思えてしまってあと、ウェイトレスやバーのダンサーや運転手が、底辺の人々みたいに扱われていたのも気になった。
↑主演男優賞&監督賞で、アカデミー賞ノミネーションが期待されるブラパです
人気カントリー歌手のジャクソンは、立ち寄ったバーで歌うアリーに感銘を受け、自分のツアーに彼女を誘う。歌手になる夢を諦めていたアリーは、戸惑いながらもジャクソンとともにステージに立つが…
レディー・ガガの映画初主演作として、公開前から話題になってた作品。多くの女性人気アーティストが、女優としても成功しようと目論んで失敗してますので、ガガも同じ轍を踏むんだろうと誰もが思ってたけど、いざ蓋を開けてみたらガガの演技は絶賛の嵐で、アカデミー賞主演女優賞のノミネーションも確実視されるなど、予想を見事に覆す大成功を収めたのでした。で、私の目から見た女優ガガはどうだったかというと…
その独特というか特異な衣装やパフォーマンスで、ユニークを通り越してキワモノ、イロモノ歌手ってイメージのレディー・ガガの素顔は、デーモン小暮やゴールデンボンバーの樽美酒以上に謎だったので、原型に近い彼女が見られるのも楽しみでした。ゴテゴテ衣装やガッツリメイクで盛ってないガガは、美人だけどかなりキツそうな鬼顔でした。体つきもゴツくてイカツい。ゲイクラブで歌う彼女、どう見てもオネエさんの一人さすが本業は歌手、あたしは口パクなんかじゃないわよ!なドヤドヤな入魂のパフォーマンスは、エモーショナルで迫力満点。情が深い、情に脆い女心の表現がちょっと力強すぎるというか、オーバー気味な演技に映画半ばでオナカイッパイになってしまいましたが、いつも同じ女優や似たような女優ばかり見てる目には、映画女優ガガの個性と演技は新鮮でした。
周囲にはべらせてるのがゲイや黒人ばかりというのが、マイノリティーの味方であるガガらしい演出。ガガの熱唱シーンも見どころ。「ボヘミアン・ラプソディ」と違って、あ!この曲!知ってる!好き!な楽しみ方はできませんが、曲を即興で作って即興でパフォーマンスするアリーの天才ぶりに驚嘆。才能あるアーティストって、みんなあんなことできるの?!アリーとジャクソンが初めてステージでデュエットするシーンとか、完璧なハーモニーすぎ!あんなん入念なリハーサルしても難しそう!とにかく、凡人はだだもう黙ってひれ伏すしかないアリーの才能でした。才能もだけど、ジャクソンと出会えたアリーの運の良さも神ってる(死語)。才能も運もない私なので、羨ましいかぎりです。
スターになって富と名声を得れば得るほど、どんどんケバくなっていくアリー。いつものガガに近づいていってるのが、何だか皮肉な展開でした。アリーの大衆に媚びた下品なパフォーマンスを見て悲しむジャクソンの表情が印象的でした。ただのサクセスストーリーではなく、スターの虚栄の醜さと悲しさも描きたかった意図も感じられました。アリーが昇れば昇るほど、輝けば輝くほど、ジャクソンは暗く沈んでいく姿が悲痛。王子さまに見出されたシンデレラ物語というより、栄える者あれば滅びる者ありな栄枯盛衰、盛者必衰の物語でした。
ガガ渾身の演技も賞賛に値しますが、私はジャクソン役のブラッドリー・クーパーの演技のほうに心惹きつけられました。もともとブラパが大好きだからということもありますが、今までの作品の中でも屈指の名演だったのもその理由です。
カッコいいのに全然カッコつけておらず、スターらしからぬ温かみがあって、どんな失礼な一般人にも怒ったりセレブぶった気取りも見せないジャクソンは、ブラパご自身とカブるキャラなのでは。エラソーに指導したりせず、包み込むようにアリーの才能を引き出すジャクソンの優しさに萌え~。包容力のある大人の男だけど、少年のような純真さと傷つきやすさで母性本能もくすぐる男、だけど精神不安定でどこか破綻してる男、というブラパのオハコ役でもありました。いつしかとんだお荷物、足手まといな存在になっていくジャクソンは、イケメンなだけの演技ビミョー俳優が演じてたら、ただもうウザいだけの男になってたでしょうけど、チャーミングなダメ男を演じさせたら世界一かもしれないブラパだと、絶対にジャクソンを見捨てないアリーもだめんず女に見えないのです。ブラパの、あの見捨てないでと訴える子犬のような目!あれは卑怯!反則!アリーのグラミー新人賞受賞のステージでの醜態は、極めつけのダメ男っぷり。痛ましくも笑えた。
ご自身が監督を務めているので、ガガだけでなく自分の魅力も活かすことにも尽力し、成功したブラパの才能にも感嘆。歌もギター演奏もお上手でカッコいい。悲しい最期も痛ましかったけど、私がジャクソンだったらおとなしくアリーのヒモとして幸せに暮らすわ~と、ジャクソンのガラス細工すぎる心がもどかしくなりました。ラストシーンのアリー、ちあきなおみの「喝采」みたいで笑ってしまった。ケバいセレブになっても、優しくけなげで常識を失わないアリーですが、ちょっといい人すぎ。ガガの怖い鬼顔と怒った時の迫力のせいか、結局は男からすべて吸い取って成りあがったヴァンパイヤ女にも思えてしまってあと、ウェイトレスやバーのダンサーや運転手が、底辺の人々みたいに扱われていたのも気になった。
↑主演男優賞&監督賞で、アカデミー賞ノミネーションが期待されるブラパです
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